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色 _ 詩

失くした
世界はもうないようなものだ
ビルと空の境目は線があるだけで
そこに本来はある生と死も
露骨に線を引かれて終わり
夏が終わるとか
思い出を仕舞う引き出しとか
もう考える必要もない

果たして
僕が眠る意味はあるのだろうか
明日を夢見ることもないのに
そこに本来はある輝きも
粉々に散って空に舞う
無色が故に
何処をどう切り取ろうとも
もう何も変わりはしない

ただ、この瞳の奥にある
藍色だけは、
どうか変わらずにいてほしい
どうか消えないでいてほしい
またいつか戻った時の
合図になるから

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