手伝って _ 詩
大きな手のひらは君の背中を温めるため
小さな手のひらはそっと瞳を隠すため
かさかさ手のひらは君の涙を貰うため
しわしわ手のひらはもっと何かに触れるため
愛も憎しみもこの手を伝って
前に進むから手伝って
真っ赤な手のひらは心臓の代わりに燃えるため
真っ白な手のひらは君と並んで比べるため
ぴかぴか手のひらはいつでも汚れてみせるため
くたくた手のひらはやっと何処で休むため
今日も明日もこの手を伝って
前に進むんだ、手伝って
開いて結んだ、そっと伝った
閉じて噛み締めた、きっと伝った
了