人工の月が喰む _ 詩
嗄れた言の葉に幾つも穴が開き
一枚拾って空を覗き込んでみる
蜜柑の粒ほどの穴から覗く空は
仄かな優しさを纏って揺れ流れ
楊枝の先ほどの穴から覗く空は
凝縮された濁りが滞って膨らみ
まだ残る軸に浮かぶ亀裂を想い
吐息が届かぬよう顔から離した
無限の空に飲み込まれ縁取られ
葉も穴も違う名前を帯び始めて
腿を上げ踏み出すべきであると
今教えられたばかりであるのに
何故だか身体は動いてくれない
そんな私の姿を人工の月が喰む
了
嗄れた言の葉に幾つも穴が開き
一枚拾って空を覗き込んでみる
蜜柑の粒ほどの穴から覗く空は
仄かな優しさを纏って揺れ流れ
楊枝の先ほどの穴から覗く空は
凝縮された濁りが滞って膨らみ
まだ残る軸に浮かぶ亀裂を想い
吐息が届かぬよう顔から離した
無限の空に飲み込まれ縁取られ
葉も穴も違う名前を帯び始めて
腿を上げ踏み出すべきであると
今教えられたばかりであるのに
何故だか身体は動いてくれない
そんな私の姿を人工の月が喰む
了