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ルートナンバーワントゥエイト_ 詩

金槌で叩く釘の音から星が飛び出て
その星の光の下には街が根付いて
街の外れのアパートの五階の角部屋
窓の灯りが今にも消えそうだったから
今度は鉄琴を鳴らして月を呼んだんだ
その月の明かりは儚いけれどオレンジ色で
酸味は少なめで糖分摂取にはぴったりだ
だから朝食の時はいつも、カーテンを開いて
裾に控えめに描かれた薔薇の花の真ん中に
真っ黒い円が宇宙のように膨らんで
大きな惑星や小さな流星が絶えず瞬いて
突然僕は怖くなった
飲み込まれてしまいそうになった
だから心が壊れないように、カーテンを開いて

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