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東京 _ 詩

燻んだ空が夢を盗んだような日々
それを何にも言わずに見つめるビル達
氷が溶けても気づかないような脈々
どれも言い訳にしかならない脇道
原色を様々ばら撒いて電飾まで添えて
伝書鳩すら目移りして染色体も震えて
これが東京だ、それが東京だ、って
きらきらにメイクして星まで騙して
くらくらに夜更かししてそれでも華やかで
お面が案山子をつけて闊歩する大通り
公園のベンチも駅前の広場も心は見当たらず
これで東京だ、それで東京だ、って
水槽の泡が不規則に捻れて浮かび上がるのを見て
私の心が何故だが急に痛んだ気がした

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