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『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』(橋下徹)を読んで
本当の苦しい交渉でデータが切り札となるのは、デメリットの強調のときなのだ
『行列のできる法律相談所』では「茶髪の風雲児」というキャッチで00年代前半?から出演していた橋下徹さん。
そんな橋下さんのイケイケ時代(他の表現が見つかりませんでした)の弁護士経験をギュッとつめこんだ本が、03年に出版されています。
相手に勝つことを主眼に置いた一冊のため、言い方・表現などふまえ、賛否両論のようです。おそらく再版もないでしょう(中古でいま3000円ほど)。
ただ一ついえるのは、「ここまで言うんですか」と読者が思わずたじろいでしまうくらい、踏み込んだ内容となっています。業界の世界を知れる本として、興味深く読みました。
そのなかでも一般性があり「実践したくなった」のがご紹介した言葉。
本当の苦しい交渉でデータが切り札となるのは、デメリットの強調のときなのだ
データの必要性はわかっていても「どの場面でより威力を発揮するか」までは考えていなかった。
橋下さんは新商品の発売イベントのタレントキャスティングを例に、このような説明をされています。
ここで言うデメリットとは、こちらの主張を相手方が飲まないことで生じるであろう不利益のことだ。
このデメリットを強調することで、デメリットを回避される必要性を相手方に植えつける。
そしてデメリットを回避するためには、こちらの主張を認めるべきとの流れを作り出すのだ。
「あと200万円上乗せしないと、イベントのPRが手薄になります。これまで行った当社のイベント実績から分析すると、今回の目標とする動員人員から◯◯◯人は少なくなってしまうでしょう」前述の例でいえば、こんな言い方が適当かもしれない。
データを使うにせよ「相場は〜」であるとか「他社は〜」といような言い方だと、言い訳にさえ聞こえてしまいかねません。
そこからつっぱねられたとして誰かがフォローに入り、最終的に上記のような方法でおとしどころをつくる。こんな経験もふりかえると、ゼロではない気がします。
機械的に人を言いくるめるのではなく、あくまでより伝わるための手段として限定するのならば、橋下さんの方法は有効だろうと思います。
自分が聞き手の立場になったとしても、アタマにそれを入れておくだけで、行動が変わってくるのかしら。
データはどんなときに威力を発揮するのかを考えてみよう、というお話です。
というわけで以上です!
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