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ゆるやかな古典ブーム

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個人の判断で古典とみなした本たち
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2020年2月の記事一覧

『後世への最大遺物』(内村鑑三)を読んで

『後世への最大遺物』(内村鑑三)を読んで

『後世への最大遺物』を読みました。

明治27年(1894年)、内村鑑三が箱根の夏期学校で講演した内容です。口語調でまとまっていて読みやすい。

速記がベースで途中、内村鑑三のセリフの終わりに(会場大笑い)とか書いてあって、100年以上も前の講演なわけですが、ちょっと身近に感じさせてくれます。

すなわち私に五十年の命をくれたこの美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育てくれた山

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『夏目漱石、現代を語る』を読んで

『夏目漱石、現代を語る』を読んで

『夏目漱石、現代を語る 漱石社会評論集』を読みました。

あの夏目漱石が口語調で語ってる!まずその事実に驚きです。文明評論家としての漱石にフォーカスし、講演の内容をキュレーション(底本はいくつかあり)し、解説を付けたのが本書。

夏目漱石「らしさ」も随所に垣間見えます。かんたんなところだと講演の冒頭のジャブ。

そもそも講演なんてしないし一般の皆さんが全員興味を持てる話なぞできませぬ。だけど精一杯

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