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ゆるやかな古典ブーム

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個人の判断で古典とみなした本たち
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2020年1月の記事一覧

『新版 日本永代蔵』(井原西鶴)を読んで

『新版 日本永代蔵』(井原西鶴)を読んで

井原西鶴『日本永代蔵』を読みました。

明治時代から現代まではなんとなく地続きのような気がします。江戸時代は、イメージしたときに、どこか絵画的で異世界のような印象を持っていました。

本書はいわば江戸当時のビジネス書。商業資本主義としての金銭的価値観が垣間見え、「いまとおんなじだ!」と発見がありました。本質は変わらないといいますか。

永代蔵とは何か。解説にはこうあります。永代蔵とは永遠に続いてい

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『リア王』(シェイクスピア)〜光文社古典新訳文庫を読もうシリーズ〜

『リア王』(シェイクスピア)〜光文社古典新訳文庫を読もうシリーズ〜

一生をかけて光文社古典新訳文庫をじっくり読んでみる。そんなシリーズを始めてみようと思います。

『リア王』を読みました。

これが黒澤明『乱』のもとにもなってる『リア王』か!ようやく読みました。

『マクベス』、『ハムレット』は亡霊や預言といった呪術的なメッセージが登場人物を突き動かしていく。

本作は裏切りや愛憎、人間の欲望だとか、どろっとしたものが発端となって生まれる悲劇。

本作の悲劇のきっ

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