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2024上半期の印象深い小説10選

本の話をする前に、ほんの一つ自慢させてください!
ハリポタのこのトートバッグ可愛いでしょ〜
昔英国展でゲットしてから超お気に入りだよ。
最近はお高かったけどlumosのコラボノートも販売されていて買っちゃいました。後悔ないです!!
ハリポタ未履修の友人C「デスノートみたいやな」って言ったのは許さん!!!!

lumosで蓄光を考えた人はジーニアス

おっと、また前談が長すぎてしまったな。
上半期の印象深い小説10選。
紹介というなの備忘録で失礼!

今期は「優しさ」「言葉が響く」「没入」できるもの中心に多く読んだ気がします。あと不思議としんどい小説いっぱい…!!!優しさ、しんどさなどにもいろんな方向性のものがある。をすごく感じました。読むべきタイミングと積み本との兼ね合い。皆様もよき読書ライフを!


日常にちょっと疲れていない?そんなあなたにもおすすめ「優しい」本たち

🥇『歓待する文学』 小野正嗣

優しくて、もっと本が読みたくなる大切な1冊。
 上半期読んだ中で一番のお気に入り!作者の根底にある寂しさがあるからこそ気づく優しさ、お人柄の良さに魅了されちゃいます。数々の文学作品の一部を抜粋してあり、その紹介された作品達も読みたくなったし、読了済みのものも、そういう観点があったのかと読み方が広がります。きらきらの表紙もぴったり!小川洋子さんがフランスでも人気だとは知らなかったですー!本当にいろんな人にお薦めしたい1冊。海外文学も読んでる人にも特に。

🥈『神様の定食屋』 中村颯希

電車の中で読んじゃダメだよ。
ぼろぼろ泣いちゃうからね。

両親が事故で亡くなってしまい、残された定食屋をしっかりものな妹ちゃんとサラリーマンをしていたお兄ちゃん2人で頑張るお話。主に料理なんてそんなしてこなかったけど近所の「神様」と様々な依頼人との人間模様を通して頑張り成長していくお兄ちゃんのハートフル奮闘記。忘れたくない味、忘れられない味って豪華さとは関係ないの。
特に2巻がお気に入り。3-4も早く読みたい。
最近一番泣かされた小説。

🥉『名探偵のままでいて』小西マサテル

一章、一章に心に刺さる一文があり、
言葉がきれいに紡がれていて個人的にとても好みだった読みやすいミステリ。
このミス大賞はファラオも今期読んで、それも面白かったけれどこちらの王道日常ミステリが三歩リードくらい。安楽椅子探偵のおじいちゃんもいいよね。ミステリ好きならくすっとするオマージュもたくさん散りばめられていて読んでてとても楽しかった!ただラブ事情には乗り切れなくて続編読みたい気持ちもあるけれど買わない気がするなぁ。絵柄も好みで、金木犀と共にいることから本来なら秋の一冊としておすすめしたいけれど、優しいテーマな今回でピックアップでした。

●『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

4つの短編集で、面倒くさい設定のついたタイムリープもの。現実は変わらないけど過去の知りたかった想いを知ることで、未来への気持ちのあり方や行動が変わる点がとても愛おしかった。読後感が割とよくてドラマ化されてたらしいけど凄く映像向きだなぁとも思いました。読むタイミングもすごく自分に合っていたんだよね。喫茶店で思い出と日常を振り返るタイミング。疲れていても読める一冊でした。マグから漂うコーヒーの湯気みたいなあたたかさ。

しんどいけど没入感◎

●『猫を抱いて像と泳ぐ』小川洋子

小川さんの本はどこか静謐なの
人生でしんどい時に読むのがいいよ。このしんどさと共に沈むと良いとおすすめされて、そんな機会がないといいなと言いながら機会が訪れ読んでしまったよ。刺され、刻まれ続けるけれど暖炉の火より、少し低い温度の火は自分の中に灯っているかもしれないな。まだ燃やし尽くすほどの火力はないけれど照らすことはできるくらいでしばらくは考えさせられる日々だな、と読了当時は思いました。
おすすめしてくれたソウルメイトに、読んだ感想送ったら「好きなご飯食べて、薪を焚べて」とかけてくれた言葉があまりにも的を得ていてそのワードチョイス最高〜とまた泣きそうに。この本は読んでいた時の私にはかなりしんどかったけど、美しさも醜さも溶け合っている海のような小説の世界観に漂うことが今なら出来るかもしれないです。

違うベクトルのしんどさ、怖さ

●『母性』 湊かなえ 

「愛能う限り大切に育ててきた」
ラストまで心がずっと痛かった
子供が生まれたからと言って自然と母になるわけでもないし、その愛の形は意識し、声に出さないと親子でも言葉の定義が違い並行になってしまう。認知歪まれるときつい。お互いを母と娘という記号で話が進み、それもまたしんどさに拍車をかけているような気がしました。湊かなえさんの文章って重くてしんどくて割と苦手なんだけど、文章うますぎて読めてしまう。独特の後味の悪い読後感。余韻はすごく多いし考えさせられる。こっちを見てよ、お母さん

●『うるさいこの音の全部』 高瀬隼子

芥川賞って中々重ためブローな作品多くないですか。
今年の大賞はどれでしょうね。
最初からキッツーと思いながら、早く読んでしまいたくて。でもめくるスピードは遅い作品でした。小説家でもあり、それを日常的には隠しているけれど周りの人はなんやかんや知っている。ミーハーなことされるのは嫌なのに、自分もミーハーのように興味もない言葉を吐いて目の前の人に合わせる。一言で表すなら「鏡像」がテーマなんじゃないかと思わせるような本でした。見えているものは近くても、意思と行動があべこべ。
しんどい~しんどいよ~と言いながら読み切りました。

●『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信


しっかり陰鬱な雰囲気のある短編集。
個人的な王道ミステリリストに入っていたやつやっと読めた〜。直接的な表現ではないけど底冷えしちゃうよ。米澤さんの世界観だなぁ。こわいこわい。意外と作中で季節が一周しているのでどの季節に読んでもいいかもしれない。
信頼と約束と表面上な言葉。刺さるぜ〜



読後考えさせられる

●『革命前夜』須賀しのぶ

音楽物、ピアノ物だ〜とうきうきで手に取ったらベルリンの壁が崩れる前のドイツに留学しにいった青年のお話。
明るくはなく、冷厳な雰囲気、最後まで緊迫感を持ちながら読み進めていった。個人的には音楽性を求めて手に取った小説だったがゆえに、この本が音楽より人間模様・情勢に力を入れている作品だったためイメージと違い、革命ってそっち?!と読み進めながら方向性の違ったミュージシャンみたいになりました。ただ音楽の描写力などは圧巻!前情報をどれだけ読んでから読書するべきか後々少し悩みました。音楽物の気分は蜜蜂と遠雷読み返しつつ。
ベルリンの話読むと不思議と同志少女も読み返したい。
ほんの少し、産まれてくる時間が違うだけで異なる世界。歴史は意外と過去じゃない。

●『かがみの孤城』辻村深月

古本セールで肩が外れそうになりながら買ったハードブックの1冊。似たような境遇の7人を中心とするお話。
生きている誰もが、それぞれで問題を抱えているよね。多感な時代故の苦悩、心情描写がリアルでした。中高とかで読んだら子供達側の共感と共に読み進め、大人になった今では支える側の人たちや環境にも少し目線がいってしまうような読み返すタイミングによって受け取り方が変わりそうな1冊。後半のテンポが心地よいと同時にただ綺麗事だけじゃないけど、確かなあたたかさが感じられる凄く良い本だったなー。

まだまだいっぱいあるんだけど上記テーマではいったんこれくらいに!
ここまで読んでくれたあなたもありがとうね〜
ではまた!


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