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理系大学生の老人ホームバイト初出勤でのパニック経験


今回は、同世代の人と仕事をしている年代の大人としか関わってこなかった理系大学生が、あえて介護の業界で働いて、衝撃を受けた話をありのままお伝えしたいと思います。



僕は、先日から、老人ホームでアルバイトで働かせていただくことになりました。


この前まで、日中に高齢者向けのリハビリ型デイサービスで運動トレーナーとして働かせていただいていたのですが、今学期は大学との時間が合わず、夜に入れるバイトを探してて、
関連性がある老人ホームにしました。


僕は理系の化学をやっている大学生で、
将来は、福祉関係で働こうと思っているわけではないのですが、自分の性格、性質的には合っている方だなと思いますし、
社会問題の一つである介護の現場を見れるのは一個いい経験で、
成長もできるから頑張ろうと思っています。

僕が今興味があることは
「人間理解」
「人がいい成長をしていくにはどうしたらいいか」なので
高齢者だけに興味があるわけではないのですが、今の状況でお仕事を通して学べるものは
大きいと思っています。


僕は、これまで、トレーナーとして働いて、
高齢者さんにとっては、
運動をして「非日常」のイベントで
楽しんでいただく役割でもありましたが、
「日常」の部分も見て、
困っている所をお手伝いしてみたいなという想いが湧いてきたことも今回の老人ホームの志望理由ですね。


でも、今思えば
遠くに離れているおじいちゃんおばあちゃんに何かできたらなと思っていたけど、
電話をする以外に何もできないことが悔しいとおもっていた事も大きいのかもしれませんね。




そのような背景の中の
初の老人ホームのバイトですが、
一言で言えば
「パニック」
でした。


僕にとっては未知の世界で、
こんな世界があるのか!
ってくらい驚きと混乱がありました。

僕は「高齢者とこれまで関わってきたんだから、まあいけるでしょー!」と思ってたんですけど、全然違ったんです。


どれだけ今まで想像力がなかったか
人のことを思えていなかったのか
を知ることになるのです。


これまでトレーナーとして関わってきた方は、
65-90歳の方でしたが、
けっこう元気な方だったんだって気づいたんですよね。


ご自身で余裕で立てて移動できて(トレーナーが念のため手を引いたりの介助はします)
トイレに行けて、
たくさん経験談や日常の話ができて、
日常動作につなげる運動ができた

って時点でだいぶ凄かったんだと思いますね。

その時は、高齢者は若い人が普通にできていることが、
普通じゃないんだ!
って衝撃もトレーナーの時点でありましたが、

今回の老人ホームでは、もっと衝撃的でした。



僕が働くことになった老人ホームは
特別養護老人ホームで(老人ホームにも種類があります)
65歳以上の日常生活全て介護が必要な方が、
サポートを受けながら
人生の最期までそこで過ごすような施設です。


介護知識が浅すぎて、ほぼ何も状況がわからないまま行ったので、
始め、ご利用者の日常生活の大変さに驚きました。


僕の仕事は、夕食補助、排泄、風呂、寝室誘導までなのですが、
本当に全てのサポートをするので、
忙しいです。


介護の世界は人足りてない!
っていうのを目で見て実感しました。
ニュースで聞いてはいたけれど、
リアルで見ると、やっぱり緊迫感の伝わり方が半端ないです。


ご利用者の現状としては
体が悪い人だけでなく、
元気な方もいらっしゃったり様々です。

これ!っていう風には言えませんし、
一応誤解がないように言いますが、批判、差別する気は一切ありません。


しかし、現状を知らない人には知って欲しいなと思ったのでわかったことを共有しますと、

ご利用者さんの中には、
ご飯を手がうまく使えず、うまく喋れない方がいらっしゃるので
全てを察して、「こちらですかね?」と予想して、スプーンに食べ物入れてサポートしたり、

「どうぞ〜」と、口まで運んで食べてもらうサポートをしたり

一方、食べ物を一気に食べて、のどに詰まっちゃう人がいるから、「気をつけてくださいね〜」と、小分けにして配ったりする必要がありました。


途中、ご利用者が食器を落として割れるハプニングもありました。



また、ひたすら構ってほしい人もいるので、
不快な思いをさせずに丁寧に軽く対応して次々と他の仕事をしていかないといけませんでした。


認知症の人は本当に数秒前のことがわからないから、入れ歯を外した後、「歯取らななぁ」と、今何したか覚えてないこともありました。



トイレは、車椅子から立ってもらって、下を脱がして、汚物処理までスタッフがするんだ、すごいなと思いました。


衝撃だったのが、
一人のおじいちゃんがトイレをされていて、補助が終わった後
一旦スタッフの方と他の人の対応をして2人ですぐ帰ってきた時。

トイレの中から「うぅ」と唸り声が聞こえました。

「ええ!!!やばくない??」そう思いながら

トイレに駆け込むと、おじいちゃんが床で倒れていました。
勝手に立って転んでしまっていたんです。


命に別状がなかったので良かったのですが、
危ない状況に初日から出くわして怖かったです。


こんな風に今までの当たり前を壊されていっていきました。


それと同時に今までの自分って、
世の中で起こってる問題に対して
全く無関心で無知だったと気付きました。

確実に世の中で起こっているのに、
全然想像できていなかった。
考えていなかったんです。


僕が初日に知ったことは、
おそらく、見ていなくてもわかっている人はいるんだろうなと思いました。


でも、今まで向き合ってこなかったんですよね。

これは、社会の全体に言えるんだろうなと思いました。

世の中の問題はそのへんにいっぱい転がっているのに、

何かやりたいけど、社会の問題がわからない

っていうのは、
日常で発見しようという意識が低かったんだと気付きました。


また、思ったのが、
闇の中にも光はあるということです。


大変な業界ですが、
強く生きようと頑張っていらっしゃる
ご高齢者の方々、
そして、それを全力で支える職員の皆さんの姿がありました。
みんな必死に頑張っていたんだと思いました。
お互いが大変ですが、お互い支え合っているんだろうなと思いました。
職員の方々も、ご高齢者の方々に元気付けられているんですよね。


そんな姿を見て、スゴイなと思いましたし、
僕自身ももっと頑張って生きていこうと思えるきっかけになりました。
本当にありがたいです。



今後もたくさんの想像、経験を積んでいきながら、闇も光も見て、行動していきたいです。
そして、僕自身、生き方がカッコいいおじいちゃんでありたいと思います。



ありがとうございました。

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