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二十四節気の養生法【2024 大暑】



 夏の最後の節気です。今年は7/22~8/6(立秋の前日)までの2週間が「大暑」です。まだ始まってもいないのに夏も終わりなんて…という感じですね。暦便覧には「暑気いたりつまりたるゆえんなれば也 」とあります。
いよいよこれからが夏本番ですよね。一年で一番暑い季節なので心気を損なわないように注意するとともに、7/19から夏の土用に入っていますので脾気も損なわないように気をつけてお過ごしくださいね。今年は7/24と8/5の2回丑の日があるので、鰻好きさんにはたまりませんね。 
 これからは、灼熱の日光が降り注ぎ、連日35℃を超える殺人レベルの猛暑日が続きますので暑邪や熱邪を避けることが大切です。
 学校も夏休みに入り川や海、山などへの行楽に行く機会も増えますが、ムリをせずしっかり体調管理を調えていくようにしましょう。

 昨日は綺麗な満月でしたね。サッカーJ1の鹿島アントラーズの名前の由来にもなっているオス鹿(バック)の角(アントラー)は毎年この時期に生え変わります。それ故にアメリカ先住民の農暦では7月の満月を「バックムーン」とも呼ばれます。仲が悪い人同士を「角を突き合わせる」と言いますが、角を持った動物が縄張りや子孫を残すための勢力争いの姿が語源だそうですね。漢方薬では、新しく生えてきた袋状の角を鹿茸(ロクジョウ)と言います。神農本草経(後漢の頃に成立した最古の薬書)には、「寒・腎を補い、真陽不足、腎陽虚、瘀血、四肢の冷え、陽萎遺精、早漏、頻尿、不妊を改善し元気を益し、気力を強くし、骨歯の強化、老化を防止する。」と書かれています。古代から生命力の根本である腎精を補う滋養強壮薬として飲まれてきました。昔の人々は、鹿の角に生命力に対する神秘のパワーを感じていたのでしょうか。

今月の癒しの庭園 「石山寺」

 今回は滋賀県にある「石山寺」です。台湾から来客があり、台湾でも「光る君へ」がネット動画で見られるそうで、ぜひ石山寺に行ってみたいというご要望で、一緒に「石山詣」をしてきましたので石山寺をご案内します。

 石山寺は、747年に聖武天皇の勅願で良弁僧正が建立されました。747年と言うとなんと奈良時代なんですね。すごい歴史を感じますね。
 瀬田川に面して東大門と言う立派な山門があります。何度も消失を繰り返したそうですが、今の門は淀殿の寄進だそうで、左右の仁王像は鎌倉時代の運慶・湛慶の作と伝わっています。

東大門

 山門をくぐると石畳のなだらかな上り坂が続き、この季節はやはり青紅葉が鮮やかです。受付までの左右には平安貴族が乗っていた牛車が置かれた公園などがあり雰囲気を醸し出しています。雨に濡れた青紅葉がとても綺麗です。

平安貴族の庭園

 塀の向こうの古い灯篭には苔が生えて綺麗です。風情がありますね。中門をくぐって庫裏に続きますが、ここも苔に覆われた庭が広がっています。

苔生した灯篭
この季節に珍しいグラデーションのモミジ

 大日如来の化身、龍族の長で除災招福を司り石山寺の守神である金龍竜王が棲むと言われる池。苔生した大きな手水が置かれています。

金龍竜王が棲む池

 さらに石畳を進むと志納所がありそこを通ると龍の姿をした手水から聖水が流れていて手を浄めます。岩肌には大きな太刀を持った不動明王がこちらを睨んでいます。邪気を寄せ付けない圧があります。

 手水舎の横に大坂と呼ばれる階段が現れます。百段ほどの石段ですが上ると結構堪えます。息がぜぇぜぇ、蒸し蒸しと蒸し暑くて一気に汗が噴き出してきます。

暑さにこたえる大坂の階段

 そして階段を上りきると目の前に大きな岩が現れます。天然記念物の硅灰石で、石山寺の名前の由来にもなった石で、巨石信仰のパワースポットとなっています。写真では伝わりにくいですが、本当に大きくて荒々しく石と言うより岩の様相です。硅灰石から上を見上げると多宝塔が望め神々しい景色が望めます。

パワースポットの硅灰石

 硅灰石の前を通って左側に進むと本堂があります。現在の本堂は1096年に再建され、滋賀県最古の木造見物でご本尊の如意輪観世音菩薩が祀られています。この本堂の相の間に紫式部が籠って源氏物語を起筆したとされる「源氏の間」があり、紫式部像と後冷泉天皇の乳母にもなった娘の賢子の有職人形が置かれ火灯窓から再現された当時の参籠の様子が見られます。

有職紫式部像

 本堂を出て通路を進むと、正面に源頼朝が寄進したと伝わる鐘楼があります。入母屋造の美しい形をした鐘楼の中には、重要文化財に指定された平安時代の梵鐘が吊り下げられています。そして手前の階段を左に上ると国宝の多宝塔が聳えます。多宝塔も源頼朝の寄進で1195年に建立され、上下二層で優美な軒の曲線が最も美しい多宝塔として知られています。

優美な姿の多宝塔(左)と鐘楼(右)

 多宝塔の東側の瀬田川を見下ろす高台に月見亭があります。歌川広重の近江八景に「石山秋月」として月見亭や瀬田唐橋が描かれています。毎年「中秋の名月」の時には「秋月祭」が行われ名月を愉しまれます。

比良山系まで見渡せる月見亭
江戸時代と今の景色

 月見亭からさらに山を登ると「東風の苑」と名付けられた庭が広がり、桜並木や梅園が続き、花が咲く季節にはとても綺麗な風景が見られます。
一番高い所に光堂があり、そこから少しずつ山を下ります。途中には落差3mほどの滝があり水音が暑さを癒してくれます。

滝から流れ落ちる水が涼しげ
源氏苑にある紫式部像

 1004年に、紫式部が道長の娘で一条天皇の中宮になった彰子から、新しい物語を読みたいと要望され、七日間石山寺に参籠して琵琶湖に映える十五夜の名月を眺めて源氏物語を構想したと伝えられています。

 月のいとはなやかにさし出でたるに、「今宵は十五夜なりけり」と思し出でて、殿上の御遊び恋しく、「所々眺めたまふらむかし」と思ひやりたまふにつけても、月の顔のみまもられたまふ。

琵琶湖を眺める紫式部(石山寺縁起絵巻)

 緑豊かな「無憂園」と名付けられた庭園にはあちこちに注連縄が掛けられたかれた硅灰石の神石や千年杉の神木、くぐると願いが叶う石などのパワースポットのオンパレード。たくさん正気のエネルギーがいただけますね。

硅灰石の神石や千年過ぎの神木
穴をくぐると願い事が叶うくぐり石

 『蜻蛉日記』や『更級日記』などを書いた平安時代の女流文学者たちには石山詣が人気だったそうですが、当時の人たちは京を明け方に出発して、逢坂の関を越えて打出浜から船に乗って石山寺には夕方に着いたそうです。12時間ぐらいかかったのでしょうかね。今では車で約30分ほどで行けます。
千年前の紫式部たちが見たらなんと思うでしょうね。
 さて、今から千年後にはどんな乗り物で何分で行けるようになってるのでしょうね? 見てみたいような気がします。

千年前の牛車に揺られて石山詣の姿

大暑の養生法

 大暑は、晩夏ですが前回もお話ししました、一年で最も暑い時期になり、すでに7/15から三伏天の初伏が始まり、そして7/19からは土用に入っており、7/20ごろから多くの学校も夏休みになって、体調管理の面でもややこしい時期になりますね。養生としては、何よりも殺人レベルの暑邪を避けることが大切になります。
昔のように太陽の下で活発に遊びたいところですが、今の暑さは本当に異常なので注意が必要です。まぁ考えようにっては危険だからと言って屋内で過ごしてばかりいることで、ますます暑さへの耐性が低下して熱中症にかかりやすい体質になっていくのかも知れませんね。
 夏の養生法は安神養心がテーマです。とにかく暑邪にやられないように気をつけることですが、イライラしたりカッカしたりすると自分のカラダの内側からも熱を生み心(しん)を傷めてしまうので、精神を安寧(穏やか)にし、心(しん)を養うことが大切なのです。土用にも入り高温多湿な日本では湿邪にも注意が必要で健脾利湿の養生も併せて行いましょう。 
 中暑(熱中症)については前回【2024 小暑】にも詳しく記載していますのでそちらもご覧くださいネ。

脳梗塞の主な中医学的体質(証)

 前回は「暑に中る」中暑と書いて暑邪に中る熱中症のことと説明いたしましたが、今回は風に中ると書いて風邪に中る中風についての中医学的養生法などをお話しします。
脳卒中は、現代医学の脳血管障害のことで、脳の血管が詰まる脳梗塞や血管が破裂する脳出血、血管から出血して脳表が血液で覆われるくも膜下出血などがあります。いずれも脳の神経細胞に血液が送られなくなり脳神経が壊死し、運動麻痺や言葉障害などの後遺症が残ります。

 中医学では、中風と言い、風邪、火邪、湿邪(痰)、瘀血などの邪気が脳の血流を阻害して起こりますが、発病が急で、症状がいろんなところに現れ、変化も迅速なので「風」と同じような特徴のため中風と言います。

 中医蔵象学説では、生命活動を営むのは五臓が互いに協調して働いていると考えますが、は骨、髄、脈、胆、女子胞の六者を合わせて奇恒の腑と言います。
 脳はまた「髄の海」とも言われ、素問 脈要精微論では「頭者,精明之府」と書かれ、清代の医学書『医林改錯』には「夫腦為元神之府,諸髓之海,脳隙細小,惟氣血流通,則神靈智明」とあり、「脳は元神の府であり、髄の海である。脳の隙間は細かく、ただ気血が流通することで、神が明晰で知恵も冴える』と書かれています。
 脳は、「神志を主る」心(しん)の影響を強く受け、「髄を主る」腎の影響や感情の起伏やその感情に影響を受ける自律神経は「疏泄を主る」肝が関係しているので、心(しん)、腎、肝が協調して活動していると考えます。

 ゆえに、中風を予防するには、心(しん)・肝・腎の働きを補い、湿邪瘀血を溜めないように養生することが大切です。
 『医林改錯』には、「若氣血不和,或瘀血內阻,則腦隙閉塞,諸髓不行,元神失守,則有昏愦之症。」とあり「もし気血が不和になり、瘀血(血の滞り)により血の流れが阻害されると、脳の隙間が閉塞し、髄が流れなくなり、元神が失われるため、意識障害の症状が現れる。」と書かれています。

1.痰迷心竅(たんめいしんきょう)証

 中医学では心(しん)とは、心臓と言う臓器のことではなく「血脈を主る」、「神志を主る」と言う働き(作用)のことを言います。つまり血液を全身に送る循環器系の働きと人間の意識や判断、思惟など高次の精神活動に関する働きを担っていると考えるのです。(※主(つかさど)るとは主導するとかコントロールするの意味です)
 体内で、水の流れが滞り長期滞留すると痰湿痰飲と呼ばれる粘稠な湿邪になり、心(しん)の経絡に阻滞して働きを低下させ血脈や神志をコントロールできなくなります。この状態を「痰迷心竅(たんめいしんきょう)」証と言いますが、ブツブツと独り言を言う、痰が多い、胸部の圧迫感、顔色が青白い、情緒が不安定、冷や汗が出る、知覚麻痺、舌が震える、ろれつが回りにくい(言語不明瞭)、意識混濁、精神錯乱といった症状などが現れます。粘稠質の痰飲は、血中脂肪や血糖なども含まれ代謝異常、ホルモン異常、高カロリー食や糖分の摂り過ぎなど食事の不摂生や精神的なストレスなどで生じます。

2.気虚血瘀(ききょけつお)証

 血の流れが悪くなってドロドロした血の塊を瘀血と言います。昔は針を刺したり剃刀などで切開してそのドロドロした血の塊を取り除いたりしましたが、今では血液感染症を防ぐため家庭でもそんなことはしません。
 以前、吸玉(カッピング)の施術をやっていた頃、ある日大工さんが飛び込んできて、肩が凝ってツライから吸玉をやって欲しいと言われましたが、その大工さん「昔は肩が凝ったらノミで肩を切って血を出したもんやけどなぁ」と言ってました。いま思うと昔は恐ろしいことをしていたものですね。

 瘀血特徴は、特に固定した場所に疼痛があり、痛みは針で刺されるようなキリキリと鋭い痛みが特徴で、腫れやしこりが生じることもあり肩こりなどもこの状態と考えます。また血流が悪くなり瘀血になると皮膚が暗紫色や黒っぽくなり、またシミ(肝斑)やクマが出来たり、舌が暗紫色になり、舌の裏側に舌下静脈の色が濃くくっきりと太く見えるようになります。

 瘀血になる主な原因は、打撲や局所の圧迫などの外傷で青アザが出来たり、寒さや冷えで血流が滞ったり、過労、睡眠不足(夜更かし)、生活の不摂生などにより気虚になり、気虚になると血を運ぶ力も弱まり血虚にもなり気血両虚証に進み、気血が不足することで血の流れが悪くなり瘀血が生じます。また汗をかき過ぎても血液中の水分が減り血が粘稠質になり血流が悪くなります。気虚血瘀証になると疲労感や疲れやすい、顔色が青白い、めまいや立ちくらみ、手足の冷えや力が入らない、不眠、唇や爪の色が暗い、生理不順、舌のこわばりなどの症状が現れます。

 中医学では、瘀血には活血化瘀という治法を用い、当帰、川芎、丹参などの血流を良くする生薬を配合した漢方薬や血流を改善する経穴に鍼や灸を施治したり、揉んだり叩いたりなど推拿(マッサージ)をして経絡や血の滞りを取り除いて気血の巡りを調えます。また、カラダを温めたり動かしたりするのも血流が良くなるので、温浴や食事、運動なども血瘀を改善するのに効果的です。
 また瘀血の解消や予防のために最も大切なこととしてストレス管理があります。なかなかストレスを完全になくすことは難しく、いま目の前の一番大きなストレスが解消したとしても、二番目のストレスが頭を持ち上げ一番のストレスになりを繰り返すものですが、ストレス源に意識を向けず出来るだけ自分の五感を癒し喜ばすことに意識を向けるべきです。

生活習慣を見直し気血の巡りを調える

3.肝腎陰虚(かんじんいんきょ)証

 とは、これも肝臓と言う臓器のことではなく中医学では「蔵血を主る」、「疏泄を主る」働きのことを肝と言います。つまり血を貯蔵し必要な個所に必要な量の血を送り届けたり、気の巡りを調え自律神経の働きを調節したり情緒を安定させたりする働きを担っています。
 もう一つのは、「蔵精を主る」、「水を主る」働きのことで、精を蓄え生長、発育、生殖作用を担い、また水液の貯蔵、分布、排泄作用を担ってカラダの中の水分調整を行っています。
 肝腎陰虚証とは、過労、夜型生活、房事過多、加齢などにより腎陰が不足したり、過度なストレスやイライラ、怒りっぽいなどの感情が過剰になると肝陰が不足するカラダの状態で、そういった状態が続くとやがて肝腎両方の陰液が減り、目の疲れや乾燥、耳鳴りや調力低下、喉の渇き、特に午後から夜にほてりやのぼせ、寝汗、足腰に力が入らない、手足がしびれ、不眠、物忘れが多いなどの症状が現れます。

兆しを見逃さないことが大切

 突然死などと呼ばれて、今まで元気だった人がある日突然脳卒中や心筋梗塞などになると考えられていますが、きっと本人はなんらかのサインを感じていたはずではないでしょうか。でもその時は大事に至らず通常の日常生活に戻れたから忙しい毎日でそのまま放置されてしまっていたのが…「ある日突然」今度はもっと強い症状に現れたのかも知れません。大切なことは「兆し」を見逃さないことです。
 易経は、占いの書とも言われていますが、実は『時と兆しの専門書』とも言われ、「いま何をすべきか」を教え、禍を避け福を得るには「兆し」を読むことが大切だと書かれているのです。あらゆる物事には必ず「兆し」があります。この兆しを見逃さないことが大切です。
健康診断では異常ナシと診断されても、実は正常範囲のギリギリセーフで1ポイント増えたり減ったりしたらアウトの場合も多々あります。日常のカラダのサインを見逃さず、早め早めに日常の生活習慣や食生活を見直してに対処することが最も大切な予防法です。

兆しを見逃さない

中風を予防する薬膳食材

1.痰迷心竅証を改善する食材

痰を溶かして取り除き、脾を健やかにして消化を扶け、気の巡りを良くし利尿・利湿作用がある食材
ごぼう、生姜、セロリ、大根、みょうが、黒ゴマ、黒豆、冬瓜、ニンニク、玉ねぎ、唐辛子、オクラ、レモン、リンゴ、梨、トマト、ピーマン、きゅうり、とうもろこし、ミント、ターメリック、しいたけ、パイナップル、バナナ、小松菜、桃、マッシュルーム、かぼちゃなど。
薬膳食材では、なつめ、枸杞の実、緑豆、はと麦、桑の実、陳皮など。

2.気虚血瘀証を改善する食材

気血を補い、血瘀を改善し、気血の巡りを調える食材。
鶏肉、豚肉、牛肉、大豆、やま芋、ほうれん草、にんじん、黒豆、大豆、はちみつ、ごま、アーモンド、鰻、ヒジキ、豆乳、ごぼう、青梗菜など。
薬膳食材では、なつめ、枸杞の実、黒きくらげ、さんざし、紅花、マイカイ花など。

3.肝腎陰虚証を改善する食材

気血を補い、肝腎を養い滋養強壮作用のある食材。
ほうれん草、にんじん、タラの芽、ニラ、ニンニク、鶏肉、烏骨鶏、羊肉、卵、黒豆、黒ごま、黒米、牛乳、栗、くるみ、やま芋、銀杏、うなぎ、えび、イカ、タウナギ、太刀魚、なまこ、マグロ、フグ、ぶどう、バナナなど。
薬膳食材では、なつめ、枸杞の実、黒きくらげ、桑の実、蓮の実、白きくらげ、菊花など。

心(しん)・腎・肝を健やかに

 夏は猛暑でイライラしたり怒ったりしやすい季節です。そんな精神状態は心(しん)を傷めます。出来るだけ穏やかな精神状態を保ち、体内に余分な熱を生まないことが心(しん)を健やかに保つ秘訣です。
 また腎は冷えや過労、房事過多などで働きが弱ります。暑い季節ですが冷やし過ぎには注意が必要。適度な空調管理を心掛け、過労に気をつけや房事の節度を保ち腎に負担がかからないようにして過ごしましょう。
 肝はストレスが最も傷める原因です。ストレスのない人はいませんが、必要以上にストレスを抱えてしまうと肝が傷み、心身ともに傷んでしまいます。上手なストレス解消法を見つけることがとても大切です。ある人に「山よりでかい猪は出ん」と教わってちょっと気が楽になったり、易経では「窮則変、変則通、通則久。」と教えます。
 日々いろんなストレスなどが襲い掛かってきますが、とにかく自分の心(しん)・腎・肝を守り、健やかに保つことが大切です。
 また7/19からは早いもので夏土用に入ります。今年は二の丑があるので鰻好きにはたまりませんね。でもお腹を壊しやすい時期になるのでくれぐれも健脾利湿の養生を守り、食べ過ぎには気をつけて健やかにお過ごしくださいネ。

土用なので健脾利湿の養生も!

京都伝統中医学研究所の"大暑におすすめの薬膳茶&薬膳食材"

1.夏バテ予防に桂花酸梅湯がおすすめ

 この季節特に中暑(熱中症)や暑気あたりの予防にオススメなのが、桂花酸梅湯。台湾や中国で伝統的な夏のドリンクです。熱々の火鍋を食べて熱が籠り過ぎないようにと火鍋店では必ず見かけます。青梅の実を真っ黒に燻製にした烏梅(ウバイ)と呼ばれる漢方生薬が含まれています。梅は平安時代に薬として日本に伝わり、燻製にした梅の実を煮込んだ飲み物は、古来皇帝の暑気あたりや消化不良など夏バテ治療としても使われていたようです。
 烏梅の他に洛神(ハイビスカス)、山楂子、陳皮、甘草などが配合され、店ごとにブレンドや味が異なります。桂花酸梅湯は、桂花(キンモクセイ)をブレンドしとても華やかな香りで美味しく飲みやすい酸梅湯にしています。台湾などでは3㍑ぐらいたっぷり作って冷蔵庫で冷やし、家族みんなで飲まれます。

2.熱邪を避ける薬膳茶&薬膳食材

 薬膳茶では、麗香龍珠茶、ダイエット応援 爽快茶、水巡茶、五望茶、カラダ潤し茶、理気明目茶など。
全部食べる薬膳茶 桑の実茶も余分な熱を冷ましてくれるのでおすすめです。
薬膳食材では、菊花、殻とり生はと麦、皮去り炒りはと麦、桑の実、緑豆、金針菜など。これらの食材でスープやお粥がオススメです。

3.湿邪を予防する薬膳茶&食材

脾を健やかにする薬膳茶&薬膳スープ・薬膳スィーツ
■「湿邪」対策にオススメは
とうもろこしの毛やはと麦など利湿作用のある食材にお腹を温め香ばしい香りでリラックスする「水巡茶」
「四神湯」スープセット 
芡実、蓮の実、はと麦、山薬、茯苓など健脾利湿食材を豊富にブレンドした夏の定番スープ。さらに緑豆や小豆などを加えても利湿効果アップ。1袋で5~6杯分出来るので、小分けして冷凍保存出来、食べる時に1椀分ずつ温め直して食べるのもOKです。
五行周流の5種のお豆をセットにしたお豆のお汁粉セットでダイエット中も食べれるスィーツを作ったりいろいろお豆のお粥にしたり、どちらもOK!
全部食べる薬膳茶 健脾利湿茶 意棗紅豆茶 なつめ、小豆、苡仁(はと麦) お湯を注いでそのまま放置(長めに抽出)。脾(お腹)を調え、特に水の巡りを良くし、湿邪を出し肥満やむくみを改善。 
スィーツのような薬膳茶で全部食べられて美味しくてとってもお得。
お腹の冷え対策にオススメは
からだを温める黒のお茶、黒薔薇茶、そろそろダイエット茶
などでお腹を温め脾の働きを高めよう。ほかにマイカイ花、桂花、なつめ、竜眼なども
全部食べる薬膳茶 調補気血茶 桂棗黒豆茶 なつめ、黒豆、竜眼をブレンド、お湯を注いでそのまま放置(長めに抽出)。脾(お腹)を調え、気血を補う。黒豆が香ばしく、なつめや竜眼の自然な甘味があり、とても美味しい薬膳茶。
胃腸の不調にオススメは
なつめ薬膳茶(なつめ竜眼茶)、なつめ、竜眼、蓮の実、はと麦など。

4.入浴時におすすめ漢方入浴剤

寒湿タイプにオススメ
 一日中冷房の効いた部屋で仕事をしている人や乗り物などでカラダが冷えた人は、カラダをしっかり温めることが大切です。
 ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」もカラダが温まりココロの緊張もほぐれ気の巡りを促進。
 ヨモギは漢方で艾葉(ガイヨウ)と言い、古来から擦り傷や切り傷など出血時に止血薬などとして使われたり、浄血や造血、デトックス作用(むく みの改善)、冷え性改善、美容効果があり、最近では「よもぎ蒸し」なども流行っていますね。

湿熱タイプにオススメ 
 仕事やスポーツなど屋外の活動で汗をかいたりカラダが火照っている人にオススメ。エキゾチックでオリエンタルな香りの 「すっきりさっぱり乃湯」暑気あたりの体調不調やストレス、気鬱などを解消してくれます。
 藿香(かつこう)は、お腹を温め、湿を追い出冷たい物の飲みすぎ食べ過ぎで傷めた脾胃を補ったり夏カゼの予防など。漢方薬の「藿香正気散」でよく使われます。アロマではパチョリと呼ばれオリエンタルでエキゾチックな香りで人気があります。藿香に生姜や陳皮をブレンドして冷房などで冷えたカラダを温め、爽やかな香りでリラックス。
☆どちらも、漢方の香りが浴室全体に広がり、ココロもカラダも癒されリラックス♪

ぬるめの温浴がオススメ

薬膳茶や薬膳食材などの商品は各ショップでお買い求めいただけます。

薬膳茶&薬膳食材専門店 京都 楽楽堂  本店公式サイト

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次回は、8月7日「立秋」ですね。ようやく梅雨が明けていよいよ夏本番の真っ最中というのに、暦の上ではもう秋の気が立ちます。とは言っても現実はまだまだ三伏天の中伏です。しっかりと熱邪や湿邪、暑邪への対策をして中暑や中風を予防しましょう。

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