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二十四節気の養生法【2024 立冬】


 11月7日~11月21日(小寒の前日)までの2週間が「立冬」です。
暦便覧には「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也」とあります。いよいよ冬の気が立ち厳しい冬のはじまりますね。旧暦ではまだ9/25ということで本格的な冬の寒さはもう少し先です。日中はまだまだ20℃以上のところも多く、直射日光の下にいると暑いぐらいです。これから錦繍の秋が深まり山が紅葉に色づく頃なのですが、今年はどうなんでしょうね?
 冬になると、植物は葉を落としてエネルギーを春まで幹に蓄え、動物たちもムダなエネルギーを使わないように冬眠するなど、すべてのものがじっとしてエネルギーを浪費せず蓄えておく季節です。中医学では、冬は気持ちを外に出さずひそかに暮らすことが大切と考え、新しいことを始めるのも控えて、春に向けて陽気を蓄えることが大切と教えます。 

今月の癒しの庭園 醍醐寺「無量寿園」

 今回は、醍醐寺「無量寿園」をご案内します。
 醍醐寺は京都山科から宇治に向かう奈良街道沿いにあり、平安時代の初期、聖宝理源大師によって開山され、200万坪におよぶ広大な境内に多くの国宝や重要文化財を有し、千年以上にわたって大切に伝承されている密教寺院です。平成6年(1994)には、「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されています。

醍醐寺 無量寿苑

 伺ったのは10/31でしたので、もみじはまだ青く紅葉はもう少し先ですね。辨天池の周りにはもみじがたくさん植えられてあるので、紅葉していると本当に見応えがあって綺麗でしょうね。でもたぶんその頃は紅葉より人の方が多いかもしれませんね。紅葉のシーズンになると本当にどこもいっぱいです。
 総門を入って桜馬場を進むと両側に仁王さんが睨んでいる西大門(仁王門)があります。

西大門(仁王門)

 豊臣秀頼が再建した西大門をくぐり、受付を済ませて通路を進むと立派な五重塔が現れます。この周りにも桜がいっぱい植わっているので桜の頃は本当にきれいでしょうね。
 38メートルの高さの五重塔〈国宝〉は951年に完成したそうで、1,100年以上の時の流れを語り伝えており、京都府で最古の木造建造物とされ、内部には日本密教の壁画が施されているそうです。

国宝 五重塔

 さらに進むと広い敷地の奥に金堂があります。醍醐寺の本堂で醍醐天皇の御願によりこちらも926年に創建されましたが、二度消失し現在のものは豊臣秀吉の命で紀州から移築され、なかには優しいお顔の薬師如来がご本尊として祀られています。

国宝 金堂

 さらに東に進むと不動堂があります。中には不動明王が祀られ、堂前の丸い石で作られた護摩道場では、柴燈護摩が焚かれ、世界平和などの祈願が行われます。

不動堂

 さらに進むと朱に塗られた趣のある日月門があります。門の向こうにももみじが見えますがここも紅葉するととても綺麗になるでしょうね。

趣のある日月門

 日月門をくぐり先に進むと観音堂があり、その向こうに大きな池があります。池の周り一帯は「林泉(りんせん)」と呼ばれ、下醍醐で最もあでやかな紅葉のスポットで、紅葉やイチョウが色づく季節には、朱塗りの弁天堂が水面とよく合う紅葉の名所となっています。堂内には、音楽などの学芸や知識の女神である弁才天が祀られています。
伺ったときはまだちょっと紅葉には早かったですが、木の先のほうは少しずつ色づいているものもありました。

大きな鯉が遊ぶ弁天池

 ちなみにお寺の公式サイトに紅葉した弁天堂が掲載されているので拝借しました。青モミジも綺麗ですが、やはり紅葉すると綺麗に映えますね。
ベンチに座って池の鯉を眺めていると、となりの観音堂からお経をあげる声と鐘の音が聞こえて来て、何となく心が穏やかになります。

紅葉に彩られた弁天堂

 朱塗りの橋を渡って弁天堂を右手に進むと、奥に無量寿苑が広がっています。奥の滝から水が流れ落ち、清らかな水が結構な勢いで流れています。
この水は一時間ほどかけて険しい山道を登ったところにある、醍醐寺発祥の地、上醍醐さんから湧き出る「醍醐水」と呼ばれる、開山にまつわる名水で、現在も枯れることなく湧き続けています。水は生命の源であり、醍醐水は醍醐寺の源でもあり醍醐寺創建以来多くの人々を潤しています。

苔に覆われた無量寿苑

 無量寿苑の奥から流れてきた小川が滝になって弁天池に流れ落ちます。滝に流れ落ちる水音が森の中に響いています。

 醍醐寺は後ろの笠取山の上まで広大な敷地で、山の上にも上醍醐と呼ばれる開山堂などがあります。また、平安時代から「花の醍醐」と呼ばれるほどの桜の名所で、豊臣秀吉が行った「醍醐の花見」が有名で、慶長3年(1598)の春に、秀吉は700本の桜を植え、三宝院の庭園を造り、盛大な宴を開きました。
秀吉は「醍醐の花見」のあと、秋の「醍醐のモミジ狩り」も楽しみにしていたそうですが、その年の夏に62歳の生涯を閉じ、残念ながら醍醐寺の紅葉は、見られなかったようです。

 枝の先がほんのりと色づき始めていますね。どんどん秋が深まり季節の気は巡っています。前回【2024 霜降】にも書きましたが、気温が8℃を下回るようになると紅葉が進みます。京都市内では、8℃ぐらいになるのはやはり例年では11月末から12月初めごろになります。
11月中旬から、普段一般公開していない寺院なども特別公開やライトアップが始まります。

 京都の冬は、底冷えがして本当に寒いですが、日中の気温はまだそれほど低くないので、紅葉の観光にはオススメですね。ただし、どこに行っても超満員ですので、移動などの時間は十分余裕をもってお越しください。
皆さまの地元でもそろそろ紅葉が始まりましたか?本格的な冬が来る前に、ポカポカ暖かい日を選んで紅葉狩りに出かけましょうね。

立冬の養生法


 さてさて今日から冬の始まり「立冬」です。去年も、『今年は本当に異常で11月に入っても25℃を上回るところも多く「夏日」が続いています。』と書いていますが、今年も変わりませんね。11月に入って台風が来たり夏日があったりと異常気象が続いていますので、各地の気候や自分の体調に合わせた養生法が大切です。
 とは言え、北から寒気が降りてくるとアッと言う間に冬の気候に変わりますから毎日の天気予報などに注意してその日その日に対応した衣服など体温調整をしましょう。小まめな対応が必要です。
冬の養生法全般については【2023 立冬】で詳しく解説しています。そちらもぜひご参考にしてください。

亥の子餅の日

 甘い物も辛い物も好きなわたくし、そして自分の干支が亥なので、なんとなく亥の子餅が好きで、毎年、亥の子餅の日のことを書いています。
干支の「亥」は五行ではに配され、火を防ぐという願いを込め、その年の最初の亥の月(新暦10月)の亥の日(節が変わってからが旧10月になるので今年は今日11/7)に炉開きやこたつ開きをする風習があります。たびたび大火に襲われた江戸では、火事を出さないという願いを込めてこの日に火を使うこたつなどを出して火を入れたそうです。
 また、平安時代の昔からこの日の亥の刻(21~23時)に亥の子餅を食べると無病息災や子孫繁栄になるとの願いを込め、家族揃って亥の子餅を食べられてきました。亥の子の日は冬が始まる季節の行事ですね。
京都の和菓子店でもさまざまな亥の子餅が並びます。またまた今年はどこの亥の子餅にしようか?悩ましいところです。

今日は亥の子餅の日

冬とは…

 冬って何?ですが、ウィキペディアでは秋と春の間の季節…と書かれています。私たちが住む日本では、太陽の南中高度が最も低くなり、太陽の照射時間も弱く短くなり、さらにロシア東部のシベリアで発生した寒気団が降りて来て日本を覆うため、一年で最も気温が低くなる時期です。またこの寒気団の影響で西高東低の気圧配置となり北西の季節風(北風)が吹き、日本海側では湿った空気が雪を降らせ、太平洋側では冷たく乾燥して晴れの日が多くなるのが特徴です。空気が乾燥して澄むので星空がもっとも美しい季節ですね。
 気象学的には12月、1月、2月の3ヶ月間を冬と言い、二十四節気では立冬から立春の前日(節分)までを言いますが、旧暦では十月、十一月、十二月の3ヶ月となり、やはりここでも旧暦でみる方が現実的かなぁと思いますね。
 また初雪は、北海道では10月に降ることもあるようですが、地方や年によってかなりばらつきがあり、関東・東海・近畿、山陽、四国、九州などの平野部では、だいたい12月中旬ごろになると初雪が降るようです。最も遅い終雪は網走で6/8という記録があるようですが、最近では温暖化やヒートアイランド現象の影響か平年では3月の中旬ごろには終雪となるようで「暑さ寒さも彼岸まで」のようですね。でも年によっては桜に雪が積もる雪見桜花見雪というのもあるようで、これはまたこれで風流ですがやっぱり早く暖かくなって欲しいですね。
 最低気温が0℃を超えない日を冬日(ふゆび)と言い、最高気温が0℃を超えない日は真冬日(まふゆび)と呼ばれます。日中の気温が10℃ぐらいあるとそれほど寒くありませんが、ひと桁台になるとかなり冷えます。
 「冬」
という漢字は、夂(ふゆがらし)冫(にすい)から成り立っています。「夂」は糸の両端を結びとめて「ものごとのおわり」を表し、「にすい」の部分はを意味します。このことから、春夏秋冬の最後の季節で終わりを意味し、万物は枯れて大地から緑が消え、動物は冬ごもりをして、新しい生命の始まりとなる春まで待つ期間です。

冬という漢字

冬三月…

 立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の六節気をと捉えます。冬の気候は厳しい寒さで、自然界では陽気が消え陰気に覆われ万物が閉ざされ、動植物も休眠する季節です。
私たち人間も、この自然界の気に合わせ、活動的にならず静かに過ごし、カラダの陽気を蓄え漏らさないように心掛け、温陽を補い、春になって再び元気に活動できるように気血をしっかり蓄えておくことが大切です。

冬三月…此謂閉蔵。水冰地坼、無擾乎陽。早臥晩起、必待日光、使志若伏若匿、若有私意、若已有得。去寒就温、無泄皮膚、使気亟奪。此冬気之応、養蔵之道也。逆之則傷腎、春為痿厥、奉生者少。 
                   (黄帝内経素問・四気調神大論)
 2000年以上前に書かれた最古の医学書「黄帝内経」には、『冬の3ヶ月、これを閉蔵という。大河の水は冰り、大地も凍って裂ける。人は陽気を搔き乱してはいけない。早く寝てゆっくり起き十分な睡眠をとり、太陽が出てから働き始める。そして感情を伏せて心を隠すようにして静かに過ごし、厳寒を避けカラダの中の温陽を保ち、皮膚を引き締め、陽気を奪われないようにする。これが冬の気に応じた養生の道である。これに逆らえば腎を傷め、春に痿厥の病になり、手足が冷えて動かなくなり、春の発生を受ける者は少ない。』と書かれています。

冬の養生法については、【2023 立冬】にて詳しく解説していますので、そちらも併せてご覧ください。

冬の五行色体表

冷え症について

 今回は、「寒さ」からくる冷え症について中医学的な考え方を見ていきましょう。
自然界は「寒気」が覆い気温が下がり、万物は閉蔵といって固く閉ざされる状態になります。上に書いた黄帝内経にあるように大河も大地も凍りつき裂けてしまうほどです。寒さを防ぎカラダの中の陽気を漏らさないように過ごすことが大切だと教えています。
 冷えは万病の元とも言われ、冷えるとさまざまな病気を引き起こす原因になります。しかし、現代医学では「冷え症」は病名ではなく疾患として認識されていません。なので冷え症そのものに対する現代医学的な治療(手術や処方薬)はなく、(冷えが原因で起こる)頭痛やしもやけ、関節痛など循環器系、神経系、耳鼻科系、胃腸内科系、婦人科系症状など頭のてっぺんから足の先までのさまざまな諸症状に対する対症療法として治療が行われます。 

温補腎陽を心掛けよう

中医学からみた冷え症

 一方、中医学では、冷え症は病態とは捉えますが、それぞれの証(体質)として、陰陽・寒熱・虚実・表裏の八網を弁証して今のカラダの状態を把握し、その歪みやバランスの乱れを調えて症状の改善とともに体質(冷え症)そのものも改善しようとします。
 主にその体質は、1.熱をつくる働きが弱い体質、2.熱を巡らせる働きが弱い体質、3.熱を蓄える働きが弱い体質に分けられます。
 たとえば今、貴女が冷え症でツライ症状があるとすると、それは、
1.熱をつくる働きが弱い体質だからなのか、
2.熱を巡らせる働きが弱い体質だからなのか、
3.熱を蓄える働きが弱い体質だからなのか、
に分類し、
1.熱をつくる働きが弱い体質を、中焦(脾胃)虚寒証
2.熱を巡らせる働きが弱い体質を寒凝血瘀証、血虚血瘀証、肝気鬱結証
3.熱を蓄える働きが弱い体質を腎陽虚証
のどれかに当てはめて、その歪みやバランスの乱れを調える治療が行われます。
中焦(脾胃)虚寒証は、お腹(脾胃)が弱く、冷たい物の飲み過ぎや食べ過ぎ、サラダや果物を含めた生ものの食べ過ぎ、寒涼性の食材や薬物の摂り過ぎなどにより脾胃が損傷し、腹痛、膨満感、食欲不振、嘔吐、下痢などを発症します。

寒凝血瘀証は、寒い日に外で長時間立ち話をしたり、夏場でもクーラーの効いた部屋で長時間過ごしたりすると起こります。外感寒邪で冷えにより血の巡りが滞って、手足の冷えや四肢体幹の痛み、関節痛、神経痛などが起こります。血虚血瘀証は、もともと血そのものが不足している状態で、ちょっとした寒さで血が巡らなくなり寒凝血瘀と同様の症状が起こります。

肝気鬱結証は、ストレスやイライラなどにより肝気が鬱結し、心身が緊張して陽気が巡らなくなり全身に血が行き渡らない状態で胸や脇の脹痛、憂うつ感、イライラ、怒りっぽい、頭痛、手足の冷え、めまい、口渇、倦怠感、食欲不振、生理不順、疲れ目、かすみ目など目の症状、下痢、不眠などが起こります。

腎陽虚証は、腎陽が虚衰し腎の働きが弱って温煦や気化作用が低下している状態で、生まれつきの陽虚体質、多産や房事過、大病や慢性疾患、飲食不摂生や過労、老化などにより、陽気が不足し下半身の冷え、腰や膝のだるさや痛み、頻尿や排尿困難、むくみ、下痢、勃起不全や早漏などが起こりやすくなります。

冷え症の養生法

 まず自分の冷え症がどこから来ているのか?なぜ冷え症になっているのかを把握することが大切です。

中焦(脾胃)虚寒証の養生法
 温中虚寒と言って、今あるお腹(脾胃)の寒邪(冷え)を取り除き、脾胃を補って高めることが大切です。
暴飲暴食を避け、サラダや果物などの生ものやビールやハイボール、炭酸飲料など冷たいものはしばらく控えます。
 臍下丹田(関元穴)にカイロを貼ったり腹巻をしてお腹を外側から温めます。

寒凝血瘀証、血虚血瘀証の養生法
 
陽気が衰弱し陰血が虚損しているところへ外感寒邪を受け血の巡りが滞っている状態です。温経散寒と言って寒邪(冷え)を取り除き、養血通脈と言い血をたっぷり補い、血脈の流れを調えます。
 カイロや腹巻、レッグウォーマーなどでカラダを外から温めることも大切ですが、ヨガやストレッチ、ウォーキングなどで身体を動かして血を巡らせて全身に熱を送り届けることも必要です。また血虚タイプは、血を補う食材(温性)を多めに摂ってしっかり血を補うことが大切です。
 また血を浪費する夜更かしは避けることが大切です。せっかく補っても浪費してては貯まりません。夜遅くにスマホやPCでネットサーフィンなどは目を酷使し陰血を損傷します。血虚タイプの人は極力避けましょう。

肝気鬱結証の養生法
 ストレスは心身を緊張させ気血の巡りを悪くします。疏肝理気解鬱と言い、ストレスによる肝気の鬱結を開放し気の巡りを調えることで気血同源となる血の巡りの滞りを開通させます。また、出来るだけ穏やかな気分で過ごせるよう工夫し、楽しいことや気が晴れることを意識して過ごしましょう。
自分の五感(目・耳・鼻・舌・肌)を喜ばせることを、一日の中で出来るだけ多くとるようにしましょう。

腎陽虚証の養生法
 腎陽が虚衰し命門火衰という状態になっています。温補腎陽と言い、腎陽を温めて温煦作用や気化作用を高めます。普段から出来るだけカラダを冷やさないようにして丈夫なカラダづくりを心掛けましょう。房事は控え精気を漏らさないようにして蓄えることが大切です。

 冬至に向かってどんどん日の出が遅くなり、逆に日の入りは早くなって日中の時間が短くなっていきます。黄帝内経では早臥晩起、必待日光と書かれ冬の間は早く寝てゆっくり起き、日の出を待って空気が暖かくなってから活動するのが良いと教えています。
 寒いところで長話をしたり、冷たい冬の雨に濡れるのを避け常に全身の補温を考えます。足湯温浴温かいお風呂にゆっくり浸かってしっかり温まることも有効ですが、お風呂から上がるとすぐに冷えると言う人は、ぬるめのお湯で芯までじっくり温まって、上がったら温まっているうちにお布団に入るようにしましょう。

温を補う経絡とツボ

冷え症改善のおすすめ薬膳

冬の薬膳については、【2023 立冬】に詳しく解説しています。ぜひご参考にしてください。

中焦(脾胃)虚寒証におすすめの薬膳
 
温中散寒調経の食材を多めに摂り、お腹をしっかり温めて冷たい物や生の物で冷えたお腹を温めます。
おすすめの食材は、ねぎ、しょうが、にんにく、香菜、紫蘇の葉、ニラ、よもぎ、らっきょう、紫蘇の実、なた豆、ししとう、鶏肉、羊肉、クローブ、胡椒、山椒、唐辛子、肉桂、八角、お酒など。
薬膳食材では、なつめ、蓮の実、竜眼、松の実、はと麦など。

寒凝血瘀証、血虚血瘀証におすすめの薬膳
 
養血益気、活血化瘀の食材を多めに摂り、身体をしっかりと温め冷えて固まったカラダを解します。血虚証は血を補う食材を多めに摂って血そのものを補うようにしましょう。
おすすめの食材は、穀類、かぼちゃ、いも類、玉ねぎ、ライチ、ぶどう、落花生、くるみ、しょうが、ニラ、ねぎ、よもぎ、らっきょう、からし、クミン、クローブ、胡椒、山椒、肉桂、八角、陳皮、羊肉など。
薬膳食材では、紅花、マイカイ花、はと麦、黒きくらげ、白きくらげ、金針菜、竜眼、なつめ、枸杞の実、さんざし、松の実など。

肝気鬱結証におすすめの薬膳
 疏肝理気、活血通絡の食材を摂り、肝気の鬱結を開放して気の巡りを調え、気血の巡りを良くします。
おすすめの食材は、そば、大根、ねぎ、しょうが、香菜、玉ねぎ、キャベツ、紫蘇の葉、にら、にんにく、バジル、よもぎ、らっきょう、紫蘇の実、なた豆、発芽玄米、だいだい、みかん、オレンジ、レモン、仏手柑、やまもも、りんご、コリアンダーシードなど。
薬膳食材では、菊花、桑の実、金針菜、百合根、さんざし、竜眼、かぼちゃの種、マイカイ花、ジャスミン、枸杞の実、陳皮など。

腎陽虚証におすすめの薬膳
 温補腎陽、温陽散寒の食材を摂り、腎陽を補い働きを高めることが大切です。おすすめの食材は、ねぎ、しょうが、にんにく、唐辛子、香菜、ニラ、栗、クルミ、アーモンド、桃、さくらんぼ、ライチ、鹿肉、鶏肉、羊肉、うなぎ、えび、ナマコ、鱒、お酒など。
薬膳食材では、かぼちゃの種、蓮の実、松の実など。

 冬の薬膳的養生法においても、自分の今のカラダの寒熱虚実をきちんと把握して、その偏りを中庸に戻す温熱性、平性、寒涼性や自分の弱い五臓帰経の食材を選んで摂取することが大切です。マスコミやネットの情報などで盲目的に「特定の食材」だけや「補給」だけを行っていてはかえって体調を壊す場合もあります。

京都伝統中医学研究所の"立冬”におすすめの薬膳茶&薬膳食材"

1.「温補腎陽」腎陽を補い温める薬膳茶&食材

 カラダを温め寒邪を侵入させないことが大切。だんだん空気が冷たくなってくると長時間外気に触れているとカラダはジンジン冷えていきます。長時間外に出かけるときや、帰宅が遅くなる時は寒邪の侵入を防ぐ防備をして出かけましょう。そして温かい飲み物で「」を補給しましょう。
また腎陽温煦と言ってカラダを温める作用があります。腎の気血を補い、全身に「」を運ぶ巡りを良くすることも大切です。  
温陽を補い巡らせるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、からだを温める黒のお茶、なつめと生姜のチャイ、黒薔薇茶、気血巡茶などがオススメ。
薬膳食材では、新彊なつめ、枸杞の実、竜眼、蓮の実、松の実、マイカイ花、桂花、茉莉花、紅花などがオススメ。 

2.「補腎」腎を補うための薬膳茶&薬膳食材!

 腎を補う食材は、黒い食材鹹味食材。黒きくらげ、黒豆、黒米、黒ゴマ、黒酢、黒砂糖など黒い食材は腎を補う食材。鹹味は塩辛いという意味ですが精製塩ではなく、魚介類、海藻類など天然の鹹味で補給。牡蠣、ホタテ、アワビ、ナマコ、イカ、エビなどは平性または温性ですが、タコやカニ、アサリ、シジミは寒涼性で冷やす作用があるので生で食べ過ぎないように。 昆布、わかめ、ひじき、海苔などの海藻類も寒涼性なので冷え性の人は必ず温かく調理して食べましょう。 
自分の今の体質に合わせて、それぞれの食材が持つ性味・帰経を選んで食べることが大切です。
腎を補い働きを高めるオススメの薬膳茶&薬膳食材は、
薬膳茶では、肝腎かなめ茶、なつめ薬膳茶、なつめ竜眼茶、からだを温める黒のお茶、なつめと生姜のチャイなど、
薬膳食材では、黒きくらげ、新彊なつめ、枸杞の実、竜眼、金針菜、、百合、松の実、紅花、マイカイ花などがオススメ。

薬膳鍋セット薬膳火鍋紅白セット、手足冰凍改善鍋セット、冬の美薬膳鍋セット、四物湯セットは、いずれも薬膳食材もセットになってお得です。

3.漢方入浴剤 

ヨモギがたっぷり入った「ポカポカあたため乃湯」も効果的です。

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次回は、11月22日「小雪」ですね。
どんどん冬至に近づき陰気が旺盛になります。日中は暖かくても日がかげると急に寒くなってきますので、出かける時はくれぐれも冷えに気をつけましょう。

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