四月十日 自由律短歌

掌を壁に
足首を曲げ腹が宙吊り
肩甲骨が浮かび上がって
空に届いた

膝が肘に
瞼が胸に
踵が宙に
背中が地面と語り合って
血が呼吸の目の前で止まる

梨状筋の
身体の重さから逃れたようなのが
美味い美味いと舌鼓を打つ

如何様にも腹を
据えていようとこの私の
神様はまだ喉仏におれり

尾骶骨
触ればその昔の母様を
思い出しもし
恨みもし

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