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かいごの基本 歯磨きの意味②

■①では、口腔衛生管理、口腔ケア、歯磨きの大切さについて、介護職員のみなさんが理解してその上で習慣的にやっていってもらえればと思います。

▶私の経験談
ユニットリーダーとなり、入所者の一人の方が、歯が動くということで、歯科受診となり診断は、歯を抜きましょうとの事でしたが、歯が抜くためには色々と難題がありました。
この方の飲まれている薬の中に、血液をサラサラにする薬がありました。

その当時は、手続きとして、先ず、歯科医が外科医と情報共有し、その薬を一定期間止め、それから歯を抜くということでした。
血液が止まりにくいため、ばい菌が入り感染症にならないためだと思います。

しかし、歯科医からの提案があり、血のサラサラにする薬を止めるのも入所者にはリスクなので、毎日3回口腔ケアをやって歯槽膿漏を改善し土台である歯茎をしっかしさせることで歯のグラつきをなくすということでした。

早速、ご家族に連絡して口腔ケアを、職員たちと実施しました。

■マニュアル作成
ケアをする職員が全員できるためにマニュアルが必要です。歯科医師からのアドバイス通りポイントを押さえた資料を作り早速始めました。

▶準備品
歯間ブラシ
希釈タイプの洗口液
柔らかい歯ブラシ
▶手順とポイント
・食後洗面台の前へ誘導
・うがい 口の中の残渣物を取り出す
・歯間ブラシ 歯の間をきれいにします
・歯磨き 歯垢を落とす 
・歯と歯茎の境、歯周ポケットの残渣物を 取り除きます
・希釈した洗口液でうがいをします。

▶毎日3回やってみました。
※認知症があるため歯磨きチューブは使用せず。
※時間ない時は無理をしない、本人が嫌がれば無理にしないこと。
※不用意に指を口の中に入れないこと。

■その結果
最初は歯磨きをするたびに出血が確認されていましたが、徐々に無くなり、口腔内が綺麗になりました。歯のぐらつきも改善され歯科に行くこともなくなりました。

■二人目の事案も発生し、同様の取り組みを行い成功しました。
■口腔ケアの大切さを実感
ここからユニットの利用者全員の歯磨きを開始しました。

介護職員からすれば、負担が増えた。
時間がないと感じたかもしれません。でも、時間が過ぎれば、習慣化されたようで、感想を聞くと毎日やっていることなので何も思いません、と回答が返ってきました。

無理に、絶対に、居室内で、等のルールを、厳しくしなかったために生活の流れ、ケアの流れに落とし込め、道具の準備や後片付けも楽にできたことが良かったと思ってます。

★何より職員の思いや、優しさ、真面目さでしょうね。★★

■口腔ケアの成果
・舌垢がなくなって、舌が綺麗になった利用者がいました。この方は歯磨きでなくうがいを続けただけ。総入れ歯だから。
・職員全員が歯磨きをポイントを押さえて行えるようになった。

■課題
・移動してきた職員が、オリジナルで口腔ケアを行ってしまう。
・慣れてきてマニュアルを見なくなり、ポイントが伝わらない。



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