宇都海郷 

忘れられない一方で忘れっぽい 宇都海郷の日記です

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・ 今日の周辺 2024年『鬱の本』と『冬の本』春を待つ間に

○ 今日の周辺 年末年始に10日以上も休むのは学生ぶり。胃もたれを抱えながら、のんびり過ごすことができた。三ヶ日を過ぎてからは喫茶店にいて、祖父母にメールを送ったり、読みたかった本を読み進めた。 ○ 2024年 読みはじめ 点滅社『鬱の本』と 夏葉社『冬の本』 完成を楽しみにしていた点滅社『鬱の本』をようやく読む。 ページを捲るたび、「鬱」という個人的で閉鎖的な状態に対して一様でない異なる声が聞こえてくることがまず救いだと思った。自分の鬱にはいつも自分の声ばかりでうんざ

    • ・今日の周辺 2024年 『積ん読の本』と本棚整理中……

      ○ 今日の周辺 坂口恭平『cook』。最寄りの書店でいい本、見つける。鬱と並走する人のための料理本。 全編えんぴつの手書き文字、特別でない写真たち、いいな、と思って手に取る。私の納得、達成感によってOKになる日々の大切さ。日常のどこかに自治できる領域を持つこと。 坂口恭平さんの本は読んだことないけど、様々なアプローチを持って本を出版され、それぞれが身軽でありながら一人ひとりに向き合ってくれる、そんな印象。 ちょっと欲しいかも、と思いつつ今日は棚に戻す。 ○ 『積ん読の本』と

      • ・今日の周辺 2024年 幻視したひかり、3連休の読書会

        ○ 今日の周辺 松濤美術館「空の発見」観に行く。 展示室に入る前に、大きな革のソファに座って、昨日までの日記をまとめて、頭を整理したい。 ○ Podcast「夜ふかしの読み明かし」シークレット読書会 めちゃくちゃおもしろかった!楽しかった、感動した。 こんなに大勢の人がいる場所でこれほど居心地よくいられたのは初めてのことかもしれない。 私って人と話すのが好きだなあって、話を聞いている側なのにそう感じられる3時間だった。 アナウンサーの西川文野さん、哲学者の永野玲衣さん、芸

        • ・今日の周辺 2024年 名前のない仕事をする

          ○ 今日の周辺 葉擦れ音が乾燥してくると、耳にも目にも、さあ冬がやってくる、という感じがする。 ○ 9年目の10年日記 この8月で、19歳の頃に書き始めたこの日記は9年目に入った。 「10年日記」という商品があることを知って、15歳の頃から書き続けたく、けれど何度も途切れて続かなかった日記を書き続けることを工夫してみるようになった。 「10年日記」は10年間分の同じ日の記入欄が同じページに配されているところが魅力。「去年の今日は何をしていたのだろう」という思いが、書けそう

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        ・ 今日の周辺 2024年『鬱の本』と『冬の本』春を待つ間に

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          ・今日の周辺 2024年 後ろからの向かい風、上半期の本

          ○ 今日の周辺 風がやさしくなってきた。 会社からの帰り、最寄りの花屋さんでミモザの苗が500円で売られているのを見て、珍しいような気がして、それに3月に売られるミモザの生花はいつも結構高いよな、と衝動買い、する。ひとまずどんなもんか、様子を見るため空いていた植木鉢に植え替えて、玄関の日当たりのいいところに出しておく。順調にいけば次の3月に花が咲いたりするのだろうか。 夢の中で、さつまいもの天ぷらを揚げていて、途中で起きてしまったので焦げていないか、誰かが代わりに取り上げ

          ・今日の周辺 2024年 後ろからの向かい風、上半期の本

          ○ 『あらゆることは今起こる』、騒がしさと落ち着き、6月のトークイベント

           この夏は初めて、植物を風呂場に集めてシャワーでまとめて水やりをした。 水やりと同時に鉢の中の空気を循環させ新しい酸素を送り込むことで根も新鮮な空気を取り込むことができる、屋内での水やりでは受け皿から溢れるほどの水やりというのはやりにくいし、植物の成長は暖かい時期が肝心なので思い切ってやってみる。なにより、一挙に集めた植物にシャワーでザバっと水を与える光景が気持ちよさそうで。 モンステラとエバーフレッシュ、ボトルツリー、カポック。ついでに葉が重なっているところや傷んでいると

          ○ 『あらゆることは今起こる』、騒がしさと落ち着き、6月のトークイベント

          ・今日の周辺 2024年 いつも心に残るのはじっくりとした時間のほう

          (書ききれずにそのままにしていた、おそらく5月中のこと) ○ 今日の周辺 朝、もろもろ済ませていつもと違う図書館へ自転車で15分。 ベランダで倒れた植木鉢の掃除をして、猫のブラッシング。盛り上がって噛まれる。インナーヘアをごっそり回収して猫思いの外ほっそり、初夏らしい姿に。中心駅を離れて国道が走る郊外の方へ、高い建物は次第に減って、清掃工場の煙突や鉄塔だけが空にぽつぽつ。入り組んだ路地、木々に囲われた古い豪邸、忘れられた住居、空き地、午前授業を終えて帰る小学生、坂道を登る老

          ・今日の周辺 2024年 いつも心に残るのはじっくりとした時間のほう

          ・今日の周辺 2024年 やわらかくなった顔を見て

          ○ 今日の周辺 3年前に買ったエバーフレッシュが背丈をようやく1mほどにして「木」という感じの姿になってきた。今年は人のいない寒い部屋で冬を過ごさせてしまったので葉がたくさん落ちてしまったけれど、また暖かくなってきて新しい葉をめきめき伸ばしていて頼もしい。机に向かう自分の頭の上にパラソルのように覆い茂る姿を想像して土替え。モンステラもボトルツリーもそれぞれ元気にしている。センダック『かいじゅうたちのいるところ』みたいにする気なの?と母。 読もう書こうと思いながら2月3月4月

          ・今日の周辺 2024年 やわらかくなった顔を見て

          ・今日の周辺 2024年 その掌を頬を包むのに貸してください

          ○ 今日の周辺 お正月は家族で父方の実家に帰った、三家族が揃う久しぶりの元旦。 学生時代を楽しんでいる従兄弟たちが部活動や進学について盛り上がっているなか、祖父と話していた。私の仕事の話や、祖父が会社で仕事をしていた頃の話、退職してからのことなど、私も孫としてでなく少しは対等に話をできるようになってきただろうか、記憶がはっきりしているうちにこまめにいろいろ聞いておきたく、じっくり話を聞いて言葉を返す。 工芸品の図録を何冊か譲ってもらう約束をしていた、代わりに私は職場での仕事を

          ・今日の周辺 2024年 その掌を頬を包むのに貸してください

          ・今日の周辺 2023年 積んだ本に寄りかかりながら

          ○ 今日の周辺 仕事の帰り、乗り換えで10分だけ乗った電車がボックス席を備えた車両で、窓際に座る。桟に頬杖をついて旅行の帰りだと錯覚してみる。この疲れもいい具合に思えてくる。普通に疲れた。 師走の、年末の、雰囲気が苦手。どこにいっても人は忙しなく気が休まるときがない。様々なコミュニケーションのやり取り、キャッチボールは何倍速かにしたみたいに落ち着きがなくてまごまごしている間に目の前に起こっていたことは過ぎ去っていて、ただもう用の無いボールを持ったままの自分が静止しているところ

          ・今日の周辺 2023年 積んだ本に寄りかかりながら

          ・今日の周辺 2023年 その術をそれぞれに持っている人がいる

          ○ 今日の周辺 昨晩から雨風が強い。 季節の変わり目、これが過ぎ去ったらまた一段寒くなるだろう、と予感する日。喫茶店の大きな窓から見える街路樹が風に煽られているのを見る。 晴れの日ならより広い面積で効率的に太陽光を受けるために目一杯広げている枝葉も、今は風に大きく煽られながら、いやその反面、風を躱しながらこんな状況であっても適応できるような構造を持っているのだとわかる。受けたり躱わしたり、構造の両面性。幹はどっしりと構え、その下には土に踏ん張る根が広がっている。そうして明日は

          ・今日の周辺 2023年 その術をそれぞれに持っている人がいる

          ・今日の周辺 2023年 すっきりとして、吸い込みやすい空気

          ○ 今日の周辺 友人がこつこつ更新してくれている共有プレイリストを仕事への行きの電車で聴く。 プレイリストの最後の2、3曲目に追加された曲が爽やかで、秋晴れの日差しが反射で車内にぼおっと入ってくるのとその印象が自分の中に重なって、素晴らしく感じられた。そうLINEで伝える。聴き馴染みのある最後の曲は1番好きな曲。 大地を横切る青虫を見守る季節だ。 自分の楽しみのための料理とか、部屋の掃除、細々としたこと、平日にできなかったことをまとめて済ませる。 会社モードというか、そのま

          ・今日の周辺 2023年 すっきりとして、吸い込みやすい空気

          ・今日の周辺 2023年 香りの中で気分を分けてもらう帰途

          ○ 今日の周辺 大きな雲が鮮明。夏が立ち止まっているかのように連日の猛暑、34度、夏休み後半、このままずっと夏休みでいいと願ったのが実現してしまったかのように同じような暑い日が続いてる。 この出社前の、最寄り駅の喫茶店での300円の1時間半は、家にも、仕事にも、やりたいことにも関係のない唯一の時間。心落ち着く。 できることも限られているし、持ってきた本を読むか、日記を書くか、くらいで。それがよくて、脈絡のない空想をするのに最適。 ○ あれこれ 『スキップとローファー』9巻、

          ・今日の周辺 2023年 香りの中で気分を分けてもらう帰途

          ・今日の周辺 2023年 ひとつひとつが大切な食器 人との言葉の取り交わしの重み

          ○ 今日の周辺 夏バテっぽくもあり、食事に対するモチベーションが下がっていた。 今朝はひとまず、きゅうりを1本千切りにして、その間に麺を茹でて、トマトとカニカマとキムチを乗せて簡単に10分ほどで冷麺を作って食べた。 そのくらいのことでもいいのだと思う。自分が生きていくのに欠かせない、食事や睡眠や労働や活動にできるだけ自分が主体的に動くこと、些細な意識の違いだけれど大切に思える。 7月に残業が続いたのもあって、盆休みに疲れがどっとでた。 まだ引っ越せないけど、景気づけに(?)

          ・今日の周辺 2023年 ひとつひとつが大切な食器 人との言葉の取り交わしの重み

          ・今日の周辺 2023年 ドアの外に蒸し暑い夏

          ○ 今日の周辺 ヘッドフォン新調する。 前に使っていたのと同じメーカー、同じ価格帯だけれど、2年でノイキャンの性能も音質も大分変わっていて、前のは毎日使って、イヤーパッドも1回変えたし、もうボロではあって、買い替えてよかった。 仕事、撮影の合間、ペアでやっていた人が「最近アジカン聴いてるんですわ」とか言い始めるから、「今!?」となり、「サーフ ブンガク カマクラ」の完全版がリリースされたこと教えてもらい、「BEST HIT AKG」が出たとき私は中学生で、収録順に全曲カラオケ

          ・今日の周辺 2023年 ドアの外に蒸し暑い夏

          ・今日の周辺 2023年 ずっと自分のことを待ってる

          ◯ 今日の周辺 4月に勘違いをして浜離宮庭園に行ってから(勘違いだったとはいえ楽しかった)、しばらくしてようやく六義園に足を運んだ。 おそらくいつも季節の方がやってきているのだけれど、歩いていたらふと夏に着いていた、みたいな感覚だ。 あ、夏の駅だ、夏の道だ、季節が移れば目に映るものもがらっと変わって新鮮に感じられる。まるで場所ごと違うみたいに、その印象から自分の中に浮かび上がる過去の記憶の時代も異なる。夏ならよく祖父母と過ごした就学前の頃、春なら学生時代、秋なら20代に入っ

          ・今日の周辺 2023年 ずっと自分のことを待ってる