140文字になんとか収めた小説感想文の行き先|2024年1〜2月のひとこと読書感想文
いつも小説を読み終えたらXに投稿する短い感想文と、読書感想文用に作ったブログやInstagramに投稿するちょっと長めの感想文、ふたつとも書いていた。
どちらも本筋や結末には配慮しつつ、小説を読みおえた人には共感や発見を、まだ読んでいない人には興味や関心を持ってもらえるような、そんな文章を意識しながら。
特にXは、不特定多数の人に届きうるうえに140文字にまとめないといけないので、本当に慎重に言葉を選ぶようにしている。もうどこも削る部分がないと、お手上げ状態になるときも往々にしてある。
それだけ吟味して書いているXの文章。
Xの投稿だけで終わらせるのはもったいないのではないか。
というか、noteに感想をまとめればいいのではないか。
noteとは別に読書感想文を書く場所があるので、こっちではあんまり本の感想を書いてこなかった。
ただ、noteには本が好きな人も多くいるので、せっかくなら新しい小説に出会うきっかけとして、短めの感想も残しておきたいなと思っている。noteを書くネタもできて一石二鳥。
そんなわけでとりあえず、今年の分を隔月でまとめていくことにする。気になる小説があれば、ぜひ手にとってみてくださいね。
レーエンデ国物語 月と太陽/多崎礼(講談社)
こんなにも早く続編を読むことになるとは。
それほど、レーエンデの行く末を案じていた。 ただ、物語はそんな想いとは裏腹に、あまりにも過酷で、容赦なく心をえぐる展開が続く。
それでも、レーエンデに夜明けが訪れるそのときまで、革命の物語は終わらない。ならば、見届けるまで。
リボルバー/原田マハ(幻冬社)
ゴッホとゴーギャン。2人のただならぬ関係を紐解くのは、錆びついた一丁のリボルバー。
歴史の空白を埋める回想は、まさしく真実を辿るミステリーだった。 原田マハさんの小説は、いつも最後の一文に心動かされる。
透明な夜の香り/千早茜(集英社)
どんな香りでも意のままに作りだすことのできる調香師に、最後まで翻弄された。
香りは記憶と対になって人々の心に棲みついて、良くも悪くも忘れることのできない思い出を植えつけていく。
タイトルも素敵。調香師ならば透明な夜の香りも作りだせるんだろうか。気になる。
ノウイットオール/森バジル(文藝春秋)
同じ街を舞台に描かれる5つの世界線。
その存在を知っているのは読者だけ。
角度を変えると景色が一変する物語は、くるくると回転して色鮮やかな世界を写す万華鏡のようだった。
のぞいてみて好きだったのは「青春小説」の章。熱量をたもったまま、とてつもない速度で青春が過ぎさっていく。
神楽坂スパイス・ボックス/長月天音(ハルキ文庫)
スパイスに詳しくなりたいと思っていたところ、たまたま本屋で見かけた作品。
世界各地のスパイス料理に魅了され、読みおわったあとは、路地の奥にある小さなスパイス料理屋さんを神楽坂まで探しに行きたくなった。
こんなお店が近くにあったら、全メニュー制覇するまで足繁く通うだろうな…。
電気じかけのクジラは歌う/逸木裕(講談社)
AIを駆使した作曲アプリが世の中を席巻する世界で、絶滅の一途をたどる作曲家たち。
新しい音楽を創る喜びも、まだ聴いたことのない音楽を見つける楽しみも、未来では当たり前のように存在すると思っていた。
いつか訪れるかもしれない音楽の末路に、必死で抗う人たちの声を聴いてほしい。
星降り山荘の殺人/倉知淳(講談社)
実は高校祭のころ図書室で借りたのに、冒頭読んだくらいで返却期限がきてしまい、消化不良のまま返すことになった作品。
10年越しのリベンジで読みはじめ、10年の時を経てまんまと騙された。悔しすぎ。
雪の山荘に閉じ込められたなら、そこはもう本格ミステリの独壇場だ。
こんな感じでまとめていこうかなと。
やっぱりnoteに転載すると短く感じるけど。