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好奇心アンテナ
「好奇心アンテナ」と言うものをご存知だろうか。
知らなくても無理はない。
だって今、自分が考えたから。
実は、自分には「意識して習慣づけていること」がある。
それが、疑問に思ったことをほったらかしにせず、すぐに調べること。
普段生活していると、何の気無しに流してしまいそうな不思議なことや、分かった気になっていたけど実は知らないことが数多く存在する。
しかしながら、大体そういう時に気づいた疑問というのは「後で調べればいいか」と後回しにしてしまい、いつの間にやら忘却の彼方へと飛んでいってしまうのだ。
だからこそ「すぐに調べる」ということが凄く大切。
まぁ、それが一番難しいんだけども。
言葉は知っているけど、意味は知らない。
当然だと思ってたけど、改めて考えてみたことはない。
そういった頭の片隅にふと浮かんできた疑問を
思考の波に攫われて流されてしまう前に掴んでみたい。
そんな時こそ「好奇心アンテナ」の出番だ。
◇
ある日の休日。
カフェで涼もうと思い立ち、おもむろに店内に足を踏み入れ、「次のお客様どうぞ〜」の合図でカウンターの前に立つ。
シンプルなメニュー表にちらっと目を向けると、エスプレッソやカプチーノ、ブレンドコーヒーなどなど。
様々な種類のコーヒがある中で
それとなく気になった二つの名前。
「カフェオレ」と「カフェラテ」
どちらもコーヒーとミルクが入っている。
それは分かる。
じゃあ、この二つって何が違うんだろうか?
何となく気になってしまう。
ちょっとだけ、もやもやする。
そんな時「好奇心アンテナ」を働かせてみる。
何と言っても、今の時代はスマホで調べればどんな情報だって出てくる。
あのドラえもんもびっくり仰天してしまうほど
この小さな機械には四次元ポケット並に底知れぬ不思議が詰まっているのだ。
席に着いてコーヒーを机に置くや否や、浮かんだハテナを頭から消え失せてしまう前に回収するため、果敢にスマホで検索してみる。
どうやらカフェオレはフランス語、カフェラテはイタリア語という違いがあるものの、どちらも「コーヒー牛乳」を意味する言葉だそう。
ただ、カフェオレはドリップコーヒーを使うのに対して
カフェラテはエスプレッソコーヒーにミルクを入れるとも書いてあった。
とりあえず、疑問は有耶無耶になることなく
スッキリと自分の中で消化されていった。
◇
まぁ見ての通り、特に劇的な展開は存在しない。
突然、のび太君が「ひみつ道具」に泣きついてくることも、もちろんない。
ちなみに、その日頼んだメニューはコールドブリューだった。そこはカフェオレでもカフェラテでもどっちでも良いから頼んでおいてよ。
ただ、実際「好奇心アンテナ」を使って早速調べたことがすぐに役立つことなど、ほとんど無いに違いない。
だって本当に大事なことなら、そもそも意識してさっさと調べようと思うだろうから。
でも、普段の日々の中にある小さな発見というものは、些細なことだけども、毎日に何かしらの新鮮さをもたらしてくれるはずなのだ。
◇
ちなみに、そういった「好奇心アンテナ」の魅力に気づかせてくれたのが、森見登美彦さんのペンギン・ハイウェイという物語だった。
一日一日、ぼくは世界について学んで、昨日の自分よりえらくなる。(p.6)
主人公であるアオヤマ君は、小学四年生ながらたくさんの本を読んで勉強し、興味のあることにはとことん頭を突っ込んでいく。
今、読み返してみても、アオヤマ君の目標に向かってひたむきに進んでいく姿勢は是非とも見習わなければならないと思うし、歯科医のお姉さんへのまっすぐな想いには胸を打たれる。
ちなみに、以前にもnoteに書いたのだけど、この作品に登場するアオヤマ君の父親は自分にとって理想の父親像だ。
この「浅くて広い知識が欲しい」という想いも
「好奇心アンテナ」に通ずるものがあるんだろうな。
◇
人は大人になっていくにつれて、好奇心は少しづつ丸く小さくなって、自らの手の届く範囲のことにしか耳を傾けなくなってしまうのもしれない。
息をつく暇も無いほど忙しい毎日は、自分にとって必要不可欠な情報以外を受け付けず、道に落ちている不思議に目を向ける余裕を奪っていくのかもしれない。
ただ、自分はこれからも世の中の不思議に対して見知らぬふりをせずに、好奇心の赴くままに拾ってきたいと思っている。
不可思議なペンギンたちとお姉さんの謎を
必死に解き明かそうとする、アオヤマ君のように。
何となく同じような気持ちを持っている人がいるのなら
「好奇心アンテナ」を探してみても良いかもしれない。
もしかしたら
実家にでも置き忘れてるかもしれないから。