あっちは良くてこっちはだめなの、なんで?
仕事から帰ると母がうつむき加減で肩を落としていた。まるで目に見えない何かが母の肩に乗っているかのように。
私の「ただいま」の声に少し顔を上げ、神妙な面持ちで話し出した。
「お姉ちゃん(孫)には黙っててほしいんだけど、大変なことがおきたのよ。」
あまりにも口調が普段と違いすぎたために私の脳内では瞬間的に様々なことが巡り巡っていた。
(ついに詐欺にひっかかったか。)
(高齢者運転で軽トラックで事故したか。いや、軽トラックは無事だった。)
(親族で不幸があったか。)
(娘に言えな