この子がうちにやってきた
先日この子がうちにやってきた。
生後約1か月の黒猫のぼくちゃんなのだが、よくよく見るとこげ茶にも見えなくもない。甘えん坊でとても元気がよいのだ。
さぁ、これから大きくなった時にどんなぼくちゃんになるのかが楽しみである。
娘がまだ大学生だったころ、よく話していたのが、
「定年退職したら、柴犬を飼うんだ。散歩にでかけ穏やかに過ごす!」
と、口癖のように話していた。柴犬に癒してもらうのだと。
そう言いながらはまっていた番組は”やぎと大悟”
ほのぼのと散歩するポポとモロコシに癒されていたのだ。
だが、いざ就職し仕事が始まるとすぐに
「癒しがほしい」
と言い出した。日に日にその言葉の出てくる回数は増えてくる。
休日にはやぎを求めて私と二人でドライブに出かけた。
そう、我が家には庭も畑もある。やぎを飼うにはもってこいの敷地の広さと草がある。
やぎがいたのなら、草刈という作業も負担が軽くなるのではないかと考えた。(敷地的に1頭では食べきれないだろうと思われるのだ)
やぎがうちに来たのなら、小屋はここに置き、この位の範囲でロープでの仕切がいるかもなどと考えも夢も広がった。
実際にやぎを譲っていただけるところにも伺ったのだが、子やぎが生まれるのは来年で、生まれる確証もないと言われ次第にトーンダウンしていった。
やぎの話をするうちに娘のTikTokのおすすめに子やぎが出てくるようになり
当面はTikTokで癒されていたのだが、そうもいかなくなってきた。
毎日のように「癒しがほしい・・・」と言い出したのだ。
娘の推しはSnowMan、それは私も一緒だ。娘の推しは岩本君。
少しでも娘の癒しになればと思い、私が岩本君のグッズを作ってみたのだが、1週間ももたない。(娘が気に入ってくれていないのだと思われる)
それでも夏は岩本君のミュージカル”catch me if you can"を観劇にいくことができ、暑い夏を乗り切れた。(私が当選したんですよね。A席でしたけど、娘孝行できました)
暦の上で秋を迎えた頃、ドームツアーRAYSの抽選があった、娘と二人、申し込んだのだが、娘は全て落選したのだが、私が当選したのだ。Labo以来の参戦で参戦までの間、娘のモチベーションも保たれる。参戦後は余韻に浸れると考えていた。
当面の癒しはいらないかもしれないと思っていた所に、私の友人から子猫をもらってくれないかと話がきた。どうやら、職場の同僚の家で生まれた子猫らしい。これは!と思った。やぎでもSnowManでもないのだが、家族の癒しになるのは間違いない!
娘に確認すると、即答で「もらう!」と返ってきた。
そしてやってきたのが写真のぼくちゃんである。
さぁ、名前はどうしよう。という事になった。
黒猫だから、ジジ(魔女の宅急便)かヤマト(クロネコヤマト)かはたまたルナ(セーラームーン)か諭吉(デキる猫は今日も憂鬱)か、だがどれもよくある名前だ。推しの名前だと永遠に平行線だ。
私と娘二人だと全く決まる気がしない。
そこで、私たちは息子に意見をうかがうことにした。
写真を送り、ぼくちゃんだと伝え、
”何かいい名前ない?”
と聞いてみた。
息子から返ってきた名前は
”正義”
おい、それは死んだおじぃの名前だよ。死んだおじぃは豪快な人だった。
このぼくちゃんにはその豪快さは求めていない。
すぐさま息子に返信した。
”他には?”
だいぶ時間をおいてから息子から返信があった。
”信行”
あっ、これは、息子が小学校に入学するかしないかの頃、近所の用水路で拾ってきて家で飼っていた亀の名前だった。信行はほんの少しの間いたのだが、病気であっけなく亡くなってしまったのだ。
息子は朝に夕に餌をやり面倒をみていたのだが、ある朝、甲羅から顔や手足が出てきていなかった。息子も寝ているだけだとその後も餌を与えていたのだが、食べた様子も無く数日が過ぎた頃、息子が名前を呼びながら信行を持ち上げると、”カラン”と音がした。息子は泣きながら信行を庭の隅に埋めていた。息子としては忘れられなかったのだろう。
だがしかし、信行は少し呼びにくい。
息子にもう一度聞いてみた。
”他には?”
すぐに返事がきた。
”もうないです”
ですよね。では娘と二人で考えた。
娘は”デキる猫は今日も憂鬱”の諭吉の様に家事をしてくれる猫になって欲しいと(無理ですよ!)息子は亀の信行が忘れられないと。
娘と私の意見は一致した。この2つの名前の共通項は・・・”ゆき”だ。
そしてうちにやってきたこの子は「ゆき」と命名したのです。
義姉の名前と一緒なものだから、母は、ついつい「ゆきさぁん」と呼ぶ。
これもよくある名前だとは思うのだけど、この可愛さは「ゆき」なのです。
頑張ってデキる猫に育てようと思います(笑)
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