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#444 経産省「未来人材ビジョン」を読んで(その1)
今年5月に経済産業省がまとめた「未来人材ビジョン」。100ページを超えるレポートをみて思ったことを、メモ。
1、「未来人材ビジョン」って?
経済産業省のHPから。
経済産業省は、2030年、2050年の産業構造の転換を見据えた、今後の人材政策について検討するため、「未来人材会議」を設置し、雇用・人材育成から教育システムに至る政策課題について一体的に議論をしてきました。
その内容を踏まえ、未来を支える人材を育成・確保するための大きな方向性と、今後取り組むべき具体策を示すものとして、「未来人材ビジョン」を公表します。
つまり、これまでいろいろと議論してきた「人材政策」についてまとめたもの、と言えます。
副題にもなっているのですが、結論(提言?)は以下のようです。
2030年、2050年の未来を見据え、「旧来の日本型雇用システムからの転換」と「好きなことに夢中になれる教育への転換」を!
個人的には興味が尽きない中身だったのですが、今回はその中からあるデータをご紹介します。
2、2050年に求められる能力とは?
同レポートの中にはAIや産業構造の変化に伴って将来、どのような人材が求められるか、というのを示した「労働需要の推計」という章があります。
いくつもデータが示されているのですが、結論としては以下の通り、今(2015年ですが)と2050年に求められる能力とでは大きく異なる、ということです。
![](https://assets.st-note.com/img/1656813945126-TbhfKHXGdH.jpg?width=1200)
2050年時点の上位3つ。
☑️ 「問題発見力」
☑️ 「的確な予測」
☑️ 「革新性」
まぁ、散々言われていることですので、驚きはないかと思います。
3、2015年にコレなの?
「驚きはない」のになぜ取り上げたのか?
それは、2015年という、たった7年前に求められている能力の上位3つが、こんなもの、だったのか!ということに「驚いた」からです。
もう一度上位3つの能力をみてみましょう。
☑️ 「注意深さ・ミスがないこと」
☑️ 「責任感・まじめさ」
☑️ 「信頼感・誠実さ」
これらが求められる職場を想像してください。
そもそもVUCAという言葉がビジネス界で使われるようになったのは2010年代に入ってから、です。
ということは2015年より前、です。
もちろん、日本において急速に広まる前、かもしれませんが、言葉はともかく社会情勢としては変化が激しくなっているという認識はあるタイミングです。
にもかかわらず、求められる能力の上位3つが、コレ、なのです。
もしかしたら、今改めてアンケートとっても、上位3つは、コレ、かもしれません。
4、まとめ(所感)
いかがでしたでしょうか?
個人的には今の日本がよく見えるなぁ、というのが所感です。
聞かれれば将来必要なこと、やるべきことは分かっている。
が、結局、管理者にとって都合が良いのは、指示したことをミスなく責任感を持ってこなしてくれる人材。おまけに信頼感がある=自分好み、の人材。
もちろん、将来的には全然別の能力が必要だ、と、ずっと差がある状態で、「人材が不足している」「できる人がいない」と言い続けているだけ、ということが、「未来人材」的には最大の課題では?と、思ってしまいました…
まぁ、そんな管理者がいる企業であれば、従業員は皆逃げ出すから生き残れない、というところですが、そうはコトは簡単ではない、というデータも同報告書にはあって、絶望的な気分になったのですが、それはまた次回。
最後までお読みいただきありがとうございます。
データの超個人的解釈ですが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。