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悩む中堅薬剤師たちのために

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記事の内容は中堅薬剤師(4年目以降くらい)以上の方に向けたものを、編集しました。 新しく書き加えたり更新したものが多いです。 内容的には少し難解かもしれません。なるべく根拠を用い…
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自分の「相棒」はだれなのか?

自分の「相棒」はだれなのか?

自分の体は一つしかない。
頭脳も一つしかない。
でも仕事は増え続ける。

薬剤師の数は限られているし、お互いに自分の仕事を増やしたくないので、指示やおねがいにはビクビクしている。

一人薬剤師で数人の事務員がいる薬局、複数薬剤師に複数の事務員がいる薬局。色々な形態があると思う。薬剤師一人だけの薬局もある。

その中で、自分がいかに、「良い仕事」が出来るかは、自分の右腕になる人がそばにいるかどうかだ

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クソ薬剤師の小言集(その1)

Twitterでは短すぎるし、

正しく伝えられないのでnoteに記録として残していこうと思います。

小言集の過去の記事は下書きに戻すか、有料にします(必要としない人が読まなくても済むように)のでお早めにお読みください。

noteでは記事は公開していないのに多くの方にフォローしていただきありがとうございます。

マニュアル化されてしまった薬局薬剤師の「社会」で、

・必要なのに教えてもらえない

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クソ薬剤師の小言集(その2)

薬学部では薬剤師になるために必死に勉強してきたのだろうと思うけど、結構、多くの部分が「試験のための勉強」だったのだろうね。

でも、試験とは全く関係ない部分が本当は重要だったのかもしれないよね。

だって、試験は結果的には「全員合格」するものであり、薬剤師になるための単なる入り口であるわけで、そこで躓く人はいるだろうけども諦めなければ最終的には合格するわけで。

だから、試験のための勉強以外の部分

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【更新】パイロットの仕事と管理薬剤師の仕事

【更新】パイロットの仕事と管理薬剤師の仕事

かなり昔、会社の管理者育成研修のために、自分が作ったスライドが出てきたので、その要素をまとめて、整理してみました。(大宮に向かう新幹線の中で時間があったので)

一般的に、薬局でも重大な過誤を防ぐためには「二重チェック」は今でも、基本中の基本だと、自分は思っています。

人の目がなければ機械を使ってでもいいから二重チェックが必要。

私が数年前まで、長いこと、「新規に管理者や責任者」になる薬剤師た

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調剤における薬剤師の生産性についての検討。(中小問わず薬局の管理薬剤師以上向け)

調剤における薬剤師の生産性についての検討。(中小問わず薬局の管理薬剤師以上向け)

バスタブ曲線を用いて、
従業員薬剤師への投資が与える限界生産性への影響について考えます。

バスタブ曲線とは、製品の故障率を表すグラフの一つで、文字通りバスタブ型の曲線を示す。

これは図の通り、初期はある程度の初期不良を含めた故障率があり、時間が経てばある程度機能は安定してくるため故障や不具合も少なくなる。

本当は「限界生産性曲線」で検索すると出てくるような、右上がりの効果逓減曲線が正しいと思

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薬局が行う定点観測に意味がある。

薬局が行う定点観測に意味がある。

定点観測して普段の正常範囲みたいなものからの逸脱を指摘できるのが薬局の強み

点と線。

連続したデータ。

松本清張の「点と線」という小説をご存知でしょうか。

いま、Amazonの薬局がどうのこうのと言われておりますが、実際これが脅威になるのでしょうか。

本来薬局というのは、薬歴を通じて患者さんの過去から現在までを観測しています。「異常がない」、「変わりない」ことも十分な観測です。

広義の

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薬剤師を動かしてきたもの

薬剤師を動かしてきたもの

負のモチベーションで動くのが薬剤師
正のモチベーションで動くのが医師

ではないかと最近思い始めた。

薬剤師は、その仕事内容から、「○○しなければいけない、そのために●●する」という思考を形成しやすいのではないかとおもう。

○○できるように頑張る!とか、患者さんの命を救おう!という形の、いわゆる正のモチベーションが働きにくいのではないか。

どうしても、「●●しなければいけない」「●●してはい

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薬剤師の価値は下がるのか。

薬剤師の価値は下がるのか。

薬剤師から薬を切り離すことで、薬を単なるモノとすることができる。モノとすることで、物流など、調剤にかかわる産業の裾野を広げる事ができる。
産業の強みを失った日本が、少しでも経済を活性化させるために調剤をターゲットにするのは分からないでもない。

事実、コロナ禍でも発熱外来での患者への直接の薬の手渡には全く評価をせず、配達や配送など、経費をかけることを評価した。

これは、薬剤師の職能よりも、薬を取

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在庫管理がクソな薬剤師

在庫管理がクソな薬剤師

腹圧性尿失禁や、気管支拡張剤として使う某薬剤が手に入らない。他の咳止めが効かない場合の選択肢な一つとして、うちのドクターが年に2度くらいは処方する。そう、「スピ◯ペント」。

卸からは全く入らないので、他の店舗に小分けしてもらう必要があるのだが、多くの店舗があるなか、在庫量に余裕がありそうで、なるべく近くの店舗へ依頼をかける。

その近隣店舗は現在、毎月150錠程度の出庫がある。そして現在庫量は約

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管理薬剤師の権限

管理薬剤師の権限

最近の某大手チェーン店の調剤過誤による死亡事故。
仕事が忙しくて大変なのは容易に想像がつく。
申し訳ないが、あえて汚い言葉を使わせてもらうと、当該企業は、大手のチェーンの社畜養成としての教育が完璧に機能しているのだろう。
そのことについては、以下の記事で書いているので、薬学生や若い薬剤師には先に読んで欲しい。

これを読んだ上で、次の問いかけをしようと思う。

何のための管理薬剤師なのだろうか?

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これからの薬剤師は「副業」を考えるべきなのか。

これからの薬剤師は「副業」を考えるべきなのか。

まずは、新卒薬剤師の給料の多さなどでの比較は無しに、
一般論で「副業」を考えてみよう。

「副業保有が労働者の就業姿勢に与える影響(門 美月,2022)」によると、社会的には、安定していると思われる正規雇用者が、副業で成功するには、まず、時間的な余裕があること、そして十分な賃金を得ていることが必要になると思われる。そうでなければ、副業はメリットもないと言われている。

(薬剤師とは限定せず)年収8

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ドラッグストアの薬剤師の仕事は「質より量」であるのか?

ドラッグストアの薬剤師の仕事は「質より量」であるのか?

給料の高さや、「今後の調剤薬局への漠然とした不安」などから、今人気となっている就職先であるドラッグストア調剤。そこではどんな薬剤師が求められているのだろう。本当に「大変」なのだろうか。数値を用いて考察したい。

ドラッグストアの薬剤師(本稿では主に調剤に配属された薬剤師を意味する)の仕事の量と給料とのバランスは、はたしてどうなのだろうか。
国内でこれらを研究した論文はないが、海外ではコミュニティー

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