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「コロナ禍における飲食店のありかたって?」弱小中華居酒屋の娘のひとりごとnote始めます。

こんにちはくるみです。
普段は会社員、たまの週末に実家の中華屋(都内)で接客と占い師とをたしなんでおります。

このnoteは店の宣伝のためというよりかは、
いつまで続くかわからない、祖父が始めた大好きなお店のシルシをほんのすこしだけ残したくて始めます。(両親からも店名は出さない条件でOKもらってnote始めてます🤣)

これから書くことが読者にとって超有益なのかどうかでいうと、そうじゃないと思います。しいていうなら、飲食店のリアルをちょっとだけ知られること?くらいかな、、
ただ、現場のリアルな発信を続けることが小さな飲食店の応援につながったらいいなと思って続けていこうと思います。

第一弾は、コロナ禍における飲食店のありかたって結局何なんだろうってことに対して、今考えてることについて話していきます。

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コロナで変化してしまった周りの環境

いわずもがな、飲食店も大きな変化を求められました。

①店内の徹底換気・消毒・座席を離す工夫。(幸いこれに関してはやろうと思えばすぐできるものでした。)
②デリバリーやお持ち帰りや通販を始める。(こいつが難易度高い・・・)

時短要請・外出自粛などで、リアル店舗だけでは正直経営が成り立たない。

知り合いのお店もいくつか閉まってしまいました。

そんな周りを見ていると自分も不安になります。
改めて、実家の中華居酒屋は、亡き祖父がはじめて今年で50年。定義で言えば、老舗に仲間入りできるそう。
今は、父が店主、母が切り盛り、たまに娘たちが手伝いつつ、なんとかお客様に支えられてやってきました。

とはいえ、コロナの影響で売り上げはガクンと落ちます。例年の半分とかじゃないです、もうとんでもないものです。今でも売り上げを見ていると胃が痛くなります。

本業のほうで、正社員として働いて安定したお給料をいただけてたので、心の平穏はぎりぎり保たれていますが、やっぱり家計を支えていたのは店の収入なので、店もうからない=破産ってこともあり得ます。ほんときちい、、自営業おそるべし・・・

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弱小店舗にとって事業を変革するのは至難の業

生き残るためにこの一年あれやこれやとやってきました。

ありがたいことにたくさんの方からアドバイスもいただきました。
通販始めたら?とか、お持ち帰り対応したら?とか、心配してくださって本当にありがとうございました・・・

ただごめんなさい!オンラインへのシフトって意外と障壁低くないです、一応デジタル世代?というんでしょうか、そこそこインターネットを知っているはずの娘もおりますが、この一年はだいたい失敗に終わりました。

何回も検討したし、やろうとしたりもしました。
なんですが、食べ物・お酒っていうのは体に入るものなので、いろいろと法律が厳しいのです。免許が必要です販売には。

たとえば通販でお酒を売るなら、
「通信販売酒類小売業免許」取得費用30,000円
ネットショップ開業して、その手数料があって、手間賃も考えたときに、
問屋から仕入れたお酒を売るってなるとこの30,000円分の利益を稼ぐのは至難の業です。

うちの店で出してるお酒はインターネットでも売られているんですが、ケース買いとかしたらネットのほうが明らかに安いんです、、業者つょぃ…
元の単価も数百円台と安いお酒が多いので、仮に手数料とか送料とか人件費とか諸々ひいて1本30円の利益が出るとしたら1,000本売って初めてpayです。

居酒屋は場所・空間代を含めての料金設定、そこでぎりぎりの利益出せる価格でやっているのでネット通販は分が悪いです。やるなら付加価値をつけて高い金額でも満足してもらえる仕組みが必要。

じゃあたとえば、店内で作った食べ物を売るなら、
保健所の施設基準をクリアする必要があります。営業販売とは別の基準が必要です。ちなみにうちの店でやるには、あともう一つ手洗い場を追加する必要があって、座席数がせいぜい30くらいしかないのに、水道なんて作ったら座席数がだいぶ減ってしまいます。。。
つまりそれをやるということは、もうほぼ完全に通販という事業体へのシフト。

いただいたアドバイスはしっかり受け止めて検討したものの、費用対効果が見合わないということで現時点ではお見送りになりました。

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飲食店を支援する様々な形と父と母の想い

飲食業をどうにか成り立たせたいと、飲食店を支援してくださる人たち・サービスもたくさん登場しました。

・クラウドファンディングで資金調達をサポートする「CAMPFIRE」
・食事代を先払いして飲食店を応援する「さきめしプロジェクト」
・デリバリーサービスの参入・運用を支援する「Uber Eatsコンサルティング」などなど

クラファンやさきめしも、父と母に、何度も提案しました。大変ありがたいことに、知人が、新しく始める飲食店支援型プログラムにも参画のお声がけもいただきました。

でも結局、父と母に言われたのは、

「正直マンパワーもないし、この店がいつまで続けられるかわからない、だから未来にお金を払ってもらうということは、どうしても信念的に賛成できない。悪い気がしちゃって・・・
通販の件もあなたが頑張ってくれたのは知ってるけど、投資して回収するのには数年単位でかかる、それまで結局お店を続けられるかわからない。
私たちは、お店に来てくれたお客さんにゆっくりお酒とご飯を楽しんでもらうために一生懸命働くだけ。
というわけで私はいったん、この道での提案はあきらめました。

父と母にとって大事なのは、このお店・ここに来てくれたお客さんの笑顔。誠実にサービスを提供しようと一生懸命やること。

もちろんいたらないこともたくさんあります、ビルも老朽化してるし、オシャレなインスタ映えには程遠いです。料理もめっちゃ出すの遅いです、お父さんひとりで作ってるので。席もちっちゃくて、ガタイがいい人にはなかなかにつらめなこともあります。笑

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うちの店のあり方

表面的にはなんもしてないように見えてるんですが、実はこの一年あくせくいろいろやってました。世の中の流れに沿った変革が必要だと思ってました。

私はオンラインシフトできる、事業をピボットできるお店やそういうやり方はありだと思ってますし、生き残るための努力をしてらっしゃる方を尊敬してます。大手チェーンも大好きだけど(好きすぎて学生時代はサイゼリヤでバイトしてました。)、多様性あってこその社会だと思うので、ちっちゃいお店もたくさん残ってほしいです。

うちはうちの信条で、
「やれるところまで、ただ誠実に、ひとつずつやっていくだけ」
を突き進めようと思います。

とはいえ、いまいまの生き残る工夫もしなきゃいけないので、資産を活用しようと思って。うちの店の資産って、立地とおいしいお酒とおいしいご飯と常連さん、あと娘(働き手)だと思うんです。

心配して連絡をくれた常連さんや知人、合間を縫って飲みに来てくれた一人一人とお話して思ったのは財産はヒト。

このひとりひとりの笑顔に出会いたくて商売してたんだと思い出しました。

だからまずは新しい企画を一個スタートしようと。

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知り合い限定・月数回のみ・お昼貸し切り企画始めます!

その名の通りではあるんですが、土日祝(不定期)のお昼にお店をオープンしようと思います。完全予約&知り合い1組のみの貸し切り限定。
いまもまだ緊急事態宣言出てますので、強くは宣伝しないですが、
たまーに人と対面で話すと幸福度めちゃくちゃ上がるなと思ってて。

リアルでのコミュニケーションの温度がすっごい好きで。
おいしいお酒とご飯と、この時間は穏やかに過ごせるという安心感。

そういった場をうちのお店から提供させてもらえませんか?というご提案です。

おまけで、希望あれば私の占い付きです(笑)

もちろん、感染予防は超十分に!!!徹底!!!をしながらまずはできることをひとつずつ進めたいなあと思います。
なにせうちの両親も高齢になってきたんで、両親のためにも感染対策は常に徹底してます。

そしてありがたいことに、知り合いから2/11に新年会をしたい!といただいたので、みんなとも話しつつどんな風にすすめていったらいいのかを模索していきます。

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おわりに

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
みなさんの健康を心から願ってます、そして余力があるときに皆さんの大好きなお店を応援してもらえたらこれ以上に嬉しいことはないです。

メディアを見ると、オンライン!配達!ネット通販!!!新しい形!!ってもう見過ぎて、わたしはちょっと疲れてしまいました・・・。もちろんそれで便利になったり、嬉しいこともたくさんあったりします。

社会が変わればまたそれにあわせた生業が生まれてくるんですが、、いくら断っても営業してくるネット通販推進の会社とか、コンサル料ばか高いDX推進の会社とか、(100万円って、今コロナで一日の売り上げ2,000円しかない日もあるんやぞ・・・。協力金なかったら本当にきつかったなあ。。ありがたや。)振り回されないように一歩ずつ一歩ずつ。


正解がないと、あたかも正解っぽいものに飛びついてしまいそうになりますが、両親を見習ってうちの店は、うちの店としての信条や原則を突き詰めるだけだなあと。一年いろいろやって落ち着いたのは原点回帰でした。

でもビジネスだし生き残る必要もあるので、やりたいこと・できること・やらなきゃいけないことの折り合いを今後どうつけていくのかを発信していきます。

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月に一回か二回、続けていけたらとおもいます。またお会いできたら🐼

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くるみ
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