【2分読み】所有欲*夫とホームズ
🔸夫と石への造詣
私の夫は石についてめっちゃ詳しいです。
石の種類や名前をよく覚えていて、まるで辞典のようにスラスラと言い当てます。
「深成岩が‥火成岩が‥うんたら」
「これは流紋岩だね」
「この辺りは双晶が多く産出されるね」
趣味の範囲とはいえ、その記憶力には驚愕。
私は「どうしてそこまで覚えているの?」と尋ると、夫の答えは意外なもので、「所有欲かな」とのこと。
🔸所有欲とは?
所有欲とは、物や知識、人間関係を自分のものにしたいという欲求を指します。
単に物を持つだけでなく、知識や理解を深めることで、その対象とのつながりを感じ、心の中で「自分のもの」と思う感覚です。
夫にとって、石の知識は単なる情報ではなく、所有する感覚を得る手段の一つであるらしい‥。
🔸ホームズの知識観と私の考え
最近、シャーロック・ホームズの『緋色の研究』を読み直しました。(ていうか、Youtubeの朗読を聴いたので、受動的な摂取)
その作中でホームズは、あの博識のイメージからは信じられないのですが地動説を知らず、ワトソンが教えるとすぐに「忘れたい」と言います。
彼は「推理の邪魔になる知識は頭に入れておきたくない」と言い切るのです。
私も、極力無駄な情報は排除し、効率的に必要なものだけを残す方が好きです。
最短で答えを導出しないと、がっつり仕事して、主婦と育児を並行するには時間がいくらあっても足りないから、後天的に効率的になったかもしれないですね。
夫とは正反対のアプローチですが、それぞれの視点が面白い。
正反対だから、うまいこと夫婦をやっていけるのかもしれないなぁ‥などと秋の夜長に耽っていました。