「それ書かなくてよくね?」という感性を磨くと文章は上手くなる。
僕はnoteを書くとき、あまり熟考しない。
と言うと「何も考えずに書いてる」と思われるか。
考えてはいる。
その場でね。
これはタイプが出る話だが、僕はnoteの「下書き」というものをあまりしない。
もちろんストックはあるので「下書き」と言われれば下書きなのだけど、投稿前に誤字脱字や語感をチェックするだけで、例え書いた時と投稿する時に考えの相違があろうとも内容の変更はしない。
僕のnoteには今のリアルが書かれている。
この書き方を聞いて「一か八か過ぎる」と、オロオロする人もいるだろう。
きちんと構成を練って、テーマに沿った展開をしていき、ある程度定まったところで清書していく。
一時期は僕もそれをしようとしたことがあった。
だけど下書きを書いているうちに「これでいいのに、これをもう一回書かなきゃいけないの?」となっていく。
そして清書をしようとするも、違う発想が浮かんできて、「これいいな」と思えば採用する。
結果、下書きとは違ったものが清書される。
悪く言えば「一貫性がない」であり、良く言えば「柔軟性がある」というこの気質には、ぶっつけ本番がお似合いだと思う。
とは言っても、そこまでおかしなものを書いて来たつもりはない。
話が逸れることはあっても、ちゃんと軌道修正を図るし、関係のない逸れはしない。
すべて関係があって逸れているし、ちゃんとそれを書いた意味を後に付ける。
自分で言うのもなんだけど「器用なことするな~」と感心する。
「何でかな?」と考えてみる。
出た仮説は「捨てるのが上手いから」。
ぶっつけ本番でnoteを書くと言っても、すべてがその場のノリというわけじゃない。(マジで「ネタが無い」って時はあるけど…)
「書きたいこと」とか「結論」はだいたい決まっていて、そこまでの道筋は成り行きに任せるという感じである。
で、「成り行き」という宙ぶらりんの中でも「いらないもの」は認識できていると思う。
例えば「確定申告のやり方」という内容でnoteを書くとする。
控除がどうの、必要な資料がどうの、書類の書き方がどうの等々、やることを時系列順に書いていくと自分も読者もわかりやすいだろう。
そうしたら「そもそも確定申告ってなんでするの?」という疑問も湧いてくる。
それに関しては「税の歴史」的な話が役に立つ。
「飛鳥~奈良時代に『租・庸・調』がどうの」とか、「織田信長の『楽市楽座』がどうの」とか。
「じゃあ現代の税制度はどうなってるのかな?」
そんな疑問が出てきたら「現代の税金は富の再分配のため」という結論になるだろうか。(他にもいろいろあるけどね)
こうして「税」に対して、ありとあらゆることが書かれた最強のnoteが完成する。
本当にそうだろうか?
書きたいテーマは「確定申告のやり方」だったはず。
それなのに「税の歴史」やら「現代の税の意味」やら、よくわからない逸れた話が続いていく。
そして読者はこう思う。
「納税ってめんどくさいな。自分で稼ぐのやめよ。」
当然「これわかりづらいから他のサイト見よ」とか「どれも意味わからんから専門家に聞こ」とかっていう別の方法を取れる人もいるよ。
だけどそれは確定申告がすでに必要な人に限られる。
そして多くの人は「自分で稼ぐのに興味あるからどんなもんだろう」と、覗きにくる人だ。
そういう人に対して「租・庸・調」なんてノイズでしかなく、多くの人はノイズを聞きたくない。
結果、納税の敷居が高くなり、「会社に任せればいいや」となる人が増える。
これは決して「サラリーマンなんか辞めた方がいい」という話じゃない。
働くということは素晴らしいことである。
しかし同時に「働き方」は多様にある。
サラリーマンだけが正解ではない。
そしてその選択肢は、多いに越したことはない。
選択肢を広げるためにも「確定申告のやり方」は役に立つ。
んでその記事の中に「税の歴史」や「税の使われ方」は捨てるべきものだ。
どうしても書きたいなら、改めて別の記事に書くべきである。
さて「捨てるのが上手い」ということを言うための例え話に半分以上の文字数を使ったこのnoteは、果たして「捨てるのが上手い」と言えるのだろうか。
言えるはず。
だって「捨てるのが上手い」と「『確定申告のやり方』に税のあれこれはいらない」という話がしたかったのだから。
言うなれば、序盤の「僕はこういう書き方でnoteを書いている」という話がいらない。
だけど「僕って捨てるの上手いよね」から始まるnoteなんて違和感しかないだろ。
だからこその序盤である。
「上手い」というよりは「上手くなってきた」という感じ。
note活動をし始めた時よりは、書くことの取捨選択が上手くなった。
で、「何を付け足すか」よりも「何を捨てるか」の方が大事だと思う。
書こうと思えばいくらでも書ける。
だけど読み手の時間と集中力には限界がある。
僕に使ってもらえる少ない時間で、どう言いたいことを届けるのか。
そのためには「捨てる」という思考が大切になる。
まぁ「立場を変える」という策もあるけど、ここではさすがに逸れる話なので、またの機会にしよう。
以上!くろだでした。
読んでくれてありがとうございました。
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