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【GRIT】「やり抜く力」を内側から伸ばす4つのステップ

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 アンジェラ・ダックワースは、著書「GRIT やり抜く力」の中でこのように語ります。

人生でなにを成し遂げられるかは、「生まれ持った才能」よりも、「情熱」と「粘り強さ」によって決まる。
 みごとに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり、「GRIT(グリット)」(やり抜く力)が強かったのだ。

 僕たち、あるいは子どもたちが何か成し遂げたい夢や目標を掲げた時、それを達成できる人は「やり抜く力」が強い人だと、ダックワースは言います。

 では、「やり抜く力」は持って生まれた性質で、生まれつき決まってしまっているものなのでしょうか?

 ダックワースは、「『やり抜く力』は内側から伸ばすことができる」と言います。いったい、どのように伸ばすことができるのでしょうか?


➣「やり抜く力」を内側から伸ばす4つのステップ

 自分の決めたものごとを達成に導く人は、年月とともに、次の1~4の要素が順番に強くなっていきます。

1.興味
2.練習
3.目的
4.希望

 ひとつずつ見ていきましょう。

1.興味

 ビジネス界の多くの成功者は口をそろえて「この仕事が大好きだ」と言います。自分のやっていることを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれます。

 しかし、興味を持ったとしても、実際に試してみなければ長続きするかどうかはわかりませんし、最初のうちは、やりたいことや関心がころころと変わることもあります。

 「興味」というのは最初からあるものではありません。自分でははっきりと気づかずに抱いている場合も多いのです。

 この時期に大切なことは、最初の学びを楽しく、満足感の得られるものにすること。学ぶというよりゲームのようなもので楽しむことです。この段階は数年を要すると言われています。焦らずじっくりと興味を育てていく必要があります。


2.練習

 人と同じ時間、練習をしたからといって、同じだけスキルが上達するわけではありません。ただ何千時間もの練習を積み重ねているだけではなく、「意図的な練習」を行う必要があります。偉業を達成するようなエキスパートたちは、必ずみんな「意図的な練習」を行っています。

ー意図的な練習

①ある一点に絞って、高めの目標を設定する。
 すでに得意なところをさらに伸ばすのではなく、具体的な弱点の克服を目指します。やり抜く力の強い人は、あえて自分が達成していない困難な目標を選ぶのです。

 たとえばピアノなら、自分の好きな曲ばかり演奏しないで、難しい曲にチャレンジします。その曲の中でうまくできない部分があれば、そこばかりに絞って集中的に練習します。


②しっかりと集中して、努力を惜しまずに、目標の達成を目指す。
 多くのエキスパートは、人の見ていないところで努力をします。それは努力する姿を人に見られたくないからではありません。一つひとつのスキルを自分で調整しながら練習しているのです。自分で内省しながら、黙々と上達を目指して練習をします。

 そして、周りに人がいるときは、フィードバック(ふり返り)を求めにいきます。それも、うまくできた部分よりもうまくできなかった部分を知りたいのです。否定的なフィードバックをもらえた方が、自分が成長できることをよく知っているからです。


③改善すべき点がうまくできるまで何度も繰り返し練習する。
 
あとは、目標を完全に達成できるまで、できなかったことができるようになるまで、考えなくてもできるようになるまで、何度も繰り返し練習をします。


 この意図的な練習は、どんな人にも、どんな職業にもあてはめることができます。人間が集中して練習できる時間は、3~5時間が限界と言われています。時間の長さよりどう練習するか、「練習の質」がカギになります。


3.目的

 「やり抜く力」が強い人は、目標達成の目的を、他者に向けています。指導者であれば「子どもたちが」、選手であれば「応援してくれる人たちが」、アスリートは「この国が」「このスポーツが」、ビジネスの成功者は「社会が」「世界が」、といったように。このような人たちは、自分の努力が他の人々の役に立つということを感じています。それは、その人にとってとても意義のある生き方となります。人の役に立ちたいという「情熱」と自分の「興味」が大きな力を生み出すのです。


4.希望

 「やり抜く力」が強い人が抱く希望は、「自分の努力しだいで将来はよくなる」という信念に基づいています。「明日はきっといい日になる」という運任せではなく、「明日はもっといい日にしてみせる」という希望の抱き方です。

 目標達成の過程には、必ず「挫折」がおとずれるものですが、「やり抜く力」が強い人は、挫折をものともしません。ことごとく楽観的であり、「今回はうまくいかなかったけど、またがんばろうか」という解釈の仕方をしていきます。うまくいかなかったことを「失敗」ととらえずに、「努力が足りなかっただけ。まだ努力する必要があることだ」と解釈していくのです。これは「成長マインドセット」ともつながるものがあり、非常に興味深い心理状態だと思いました。


➣誰でも「天才」になれる

 みんなが「天才」と驚愕するような、とんでもない偉業も、実際にはこのような小さなことをひたすら積み上げた結果です。1つ1つの小さなことは、やればできることですが、その当たり前のことをひたすらにやり続ける職人のような人が、「天才」と呼ばれるようになるんですね。

 僕たちが「天才」と神格化してしまった方がラクだという理由がよくわかる気がします。

 しかし、「やり抜く力」の伸ばし方の4つのステップを学ぶと、誰にでも目標を達成する道が見えるような気がします。生まれつきの「天才」は本当にごくわずかで、多くの「天才」は自ら「やり抜く力」を伸ばし、小さなことをひたすら続けてきた職人なのです。

 この4つのステップは、子どもたちの成長にも大いに役立つと感じました。さらに「やり抜く力」は外側からも伸ばすことができます。それはまた、別の記事にまとめていきます。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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