【瓜を破る】いちいち確認するな!恥ずかしいだろ!
『瓜を破る』9巻が発売された。
去年の11月頃にXの広告でこのマンガを見かけて、たしか「無料で読めるよ~」っていうキャンペーン中だった。
そのキャンペーンでこの作品を読んでみて、「人の心理描写が細かく描かれていておもしろい!」と思い、それから単行本で追いかけている作品である。
最近知ったのだけど、このマンガって「女性コミック」に分類されるのね。
僕、野郎だけど読んで大丈夫?
まぁ「男は読んじゃダメ」と言われても、「わかりました~」と言いつつ、こっそり追いかけると思う。
それくらいおもしろい作品だ。
新刊が発売されたマンガを買った時にやる”恒例行事”がある。
それが「前までどんな話をしてたっけ?」の確認作業。
要は前巻、なんなら1巻から振り返る作業である。
そのくらい僕は記憶力が無い。
というよりも、作品の「ノリ」を思い出しつつ新刊を楽しみたいのである。
『瓜を破る』も例に漏れず、9巻が発売されたこのタイミングで6巻から振り返る。
6巻では、いよいよ!
いよいよ「初体験をする」っていう話である。
ぎこちなくデートをして、ぎこちないままお別れする。
「こんな感じでこの先も続くのかな」
そんな不安から「鍵谷さん家に行きたい」とつぶやくまい子。
鍵谷宅に付き、少しお話しし「そろそろ帰ります」「駅まで送ります」。
そうやって思いだけが交わる、かと思いきやキス!
イチャイチャチュッチュが始まる。
かと思いきや、ちゃんと告白してから行くんだよね。
何と言うか、しっかりしてるよな。
大人だし、信頼し合ってるしで、言葉の約束がないまま交際が始まることもある中で、ちゃんと言葉にしてお互いの気持ちを表現し合う。
当人としても安心するだろうし、読者から見てもわかりやすい。
と、ここからなんやかんやあって行為が始まるのである。
そのことさえ知ってもらえれば、このnoteは読んでもらえる。
どういう描写があって、どういう成り行きで事に至るのかは、是非マンガを読んでください。(実写ドラマもあるよ)
今日言いたいのは「いちいち確認するな!恥ずかしいだろ!」である。
この物語が「32歳で性体験がないことをコンプレックスに思うまい子」という話で始まる。
そして今回初体験に至るのだが、相手の鍵谷も初体験。
だから「初めて同士で探り合いながら進んで行く」っていうのが6巻で描かれるテーマなので、これから僕が言うことは”野暮”ってやつ。
服を脱がす、体に触れる、一つになる。
一つ一つが初めてのことであり、「これで合っているのか?」と心配になる気持ちはよくわかる。
でもさ、「脱がしていいですか?」に「はい・・・」と答えさせるのは恥ずかしいよ。
性行為って基本的に女性が上位というか、「あなたが求めるならしてあげてもいいわ」って感じの、「御恩と奉公」で言うなら「御恩側」、鎌倉幕府の立ち位置だと思う。
鎌倉幕府が「土地が欲しいんでしょ?戦って成果を上げればあげてもいいわ」と言うように、「脱がしたいんでしょ?認めてあげてもいいわ」と言うのが女性である。
つまりね、「脱がしていいですか?」に「はい・・・」という”同意”を言わせるんじゃなくて、「脱がすね」で「はい・・・」と言う”承認”が適切だと言いたいのである。
ね?野暮でしょ。
違うんだよくろださん。
初めてで、でも楽しみで、だけど相手も大事にしたいからと同意を求める。
そんな鍵谷がかわいいんじゃないかと。
このマンガが「女性コミック」に分類される所以が感じられる。
でもさ、まい子側に立ってこれを見ると、服を脱がされる、体を触られる、一つになるって、「楽しみ」でありつつも「不安」は男性より大きいと思うんだよね。
初めてって痛いらしい。
僕は男なので「らしい」という認識で一生を終える。
しかし女性は「痛かった」という事実を持つ可能性がある。
もちろん男性にも「痛い思いをさせたらどうしよう」という不安な気持ちはある。
だけどそれ以上に不安を感じるのが女性だ。
そんな一杯一杯の人に対して、これ以上不安が迫る「カウントダウン」みたいなことはやめた方がいい。
例えるなら注射をする時に、「服脱いでもらっていいですか?」「腕出してもらっていいですか?」「注射しますけどいいですか?」といちいち聞かれてるようなもの。
「注射は痛くて嫌だ」という前提で話を進めるけど、こういう質問して同意を求める行為って余計な怖さを与えかねない。
そういうことを振り返って読んでみて感じた。
まい子も「触ってもいいですか」という問いに「どうぞ」と答えた自分にハテナを浮かべている。
それを見て「確かにな」と思ったのだ。
このnoteはあくまで『瓜を破る』6巻を読んでの”野暮な”感想である。
「女性は受け身でいたいんだよ」
そんな主張にも捉えられる発言だけど、別に積極的に求める女性がいてもいい。
いや、むしろ求めてください!
男性に対しても「男が引っ張っていくべきだ」という、プレッシャーになりそうな発言をしてしまった。
だけど実際僕は、鍵谷のような人間だと思う。
自分に自信なんて無いし、でも好きな人は大切にしたいし、それゆえの同意を求めるような質問をしてしまうような人だ。
だからこれは、鍵谷を見て僕が僕自身に活を入れる。
それだけの話である。
こうやって一つの描写でいろんな見方、いろんな解釈ができるから、この作品はおもしろい。
『瓜を破る』おすすめ!
以上!くろだでした。
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【過去の『瓜を破る』note】