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「川柳句会こんとん」第二期

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記事一覧

「月報こんとん」3月分

栫伸太郎「呈色」従兄弟のなかで一番しりとり

着地する 毀れるよりもやや早く

ながい目でみればごううのえかきうた

くちびるに似てないものを聴いている

点滅と遠投だけが好きだった

ちょっとやわらかい壇上

階段だけで桜をつくる

はちみつか双子素数になっていく

祝前日は耳から落ちる

大きくなったら呈色しよう

今田健太郎「おもえないんだわたし」アーケード街とはおもえないくらい

ぬすまれ

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「月報こんとん」2月分

栫伸太郎「nn」発芽したので代入しよう

粉々にされて整列させられる

相転移するなら言ってほしかった

はぐれないようにたまには足しにいく

完答してから倒幕したい

四角くてつぶれるようにうつくしい

ぴかぴかうだるぴかぴかうねる

図案化したら明るくなった

またがれるようになっててふりしきる

群生するより着替えておいで

今田健太郎「こんにちは三流」悲しみよこんにちは(はいこんにちは)

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「月報こんとん」24年1月分


栫伸太郎「くち」輪唱のように寝るのが遅くなる

まっすぐなスープにして返す

水糊は理解をこえていればいい

閾下刺激になった飼い主

一休全体

洗濯に再利用する送り仮名

齧られる回数をよくまちがえる

板ガムが復活したら起こしてね

箱馬がすこしすすんでいる地域

口に入れた瞬間夜になっている

今田健太郎「スキロー vol.1」東京のさくらいちまいずつくばる

自治体にたこ or いかを

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「月報こんとん」23年12月分


栫伸太郎「きどうのおわり」トイレットペーパーによるハムレット

題名もコーンポタージュの一部

凹んだらうつわにされるからあるく

二つにわれて伸びるしろくま

石けんに昏さをきいていたいけど

360と365のちがい

両岸にショートケーキが置いてある

円周率としては大きめ

ぺたぺたに依拠しているかわからない

太陽と太陽暦のぬいぐるみ

今田健太郎「『君は放課後インソムニア』1話」12時

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「月報こんとん」2023年11月号

栫伸太郎「窓の窓」ある程度鱧になるのは仕方ない

x切片がやることかね

窓枠のかたちになって考える

おおきなまるにあっぱくされて昼ごはん

粉末の終わりの方に鴨を置く

誰が見ても柿というものだけ食べる

入れ替わり立ち替わり胃をだまらせる

切り口が夕日になって仕方ない

来年度予算がきっと満ちてくる

パスタソースになって立ち去る

今田健太郎「音がきて人がコーヒー」音がきて人がくるその逆

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「月報こんとん」2023年10月号

栫伸太郎「先」根菜のたちいちだけがあきらかだ

昼になっても長方形だ

自己診断結果に満ちた間奏だ

気を抜くと聳えちゃうので浴びていた 

虹に連んでいる肉鰭類

水蛸かボールプールの約束だ

台風がまた皺々に隠れてる

ハムカツのバックヤードが現れる

夕闇のハウスダストは重ね合う

右肘は二、三歩先を行っている

今田健太郎「金子とはきみの人質」金子とはきみの話をよくしたな

人質になってだ

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「月報こんとん」2023年8月号

栫伸太郎「正体」中はかすかなカルピスなのに

あるいは重機として降り立つ

花火を見ると整列しちゃう

はなびらのひとつひとつが救急車

吐く息の中に混じって眠ってる

ネクタイを見れば海老だとわかるはず

豚肉は色違いだといってみる

「いや、違うよ? 等脚台形等脚台形」

そういえば恥骨も一個余ってる

外向きにはトマト内向きにはrhino

今田健太郎「処方せんだ捕」処方せんだったら棒にまい

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「月報こんとん」2023年9月号

栫伸太郎「しくみ」4ピースパズルのような朝の風

計算力をなでてしまった

笹かまは滑りやすくてかっこいい

立方体がまたがっている

自動で無料のバネが落ちてる

歯型になっても睦みあいたい

半チャーハンの地下鉄のとこ

皺をあつめてたばねた夜空

リバーブしちゃう」「あたためますか?

八十回に一回は土

今田健太郎「呪われお寺」呪われる時間がながくなっていく

お寺にはそのときだれもいなか

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「月報こんとん」2023年7月号


栫伸太郎「牛乳の余白」生命力に慣れてしまった

吊革の揺れに合わせて森になる

スピーチバルーンを、鉄塔で、埋め尽くす

稜線の続きになって横たわる

とんかつのギザギザのとこマークする

コッペパンの空洞だけをコピーする

はちみつがサマルカンドを帯びてくる

二言目にはトリニダード・トバゴ

画面いっぱいのバスクリンだけ

豆腐から発掘される夏になる

今田健太郎「ラッコ水車」めちゃくちゃな

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「月報こんとん」2023年6月号

栫伸太郎「うばう/ドリル」ガスパール、代わりに夏になってあげる

当人はたちこめているつもりだが

水色の水は飲めないからうばう

きみたちが音楽室だったなんてね

観覧車ドリルのように迫ってくる

あれはまだ剥きえびだった頃のこと

お面をえらぶ隙をあたえる

目薬と鯛中鯛を入れ替える

可算名詞には辛い季節

無聊に耐えかねてフエラムネをくぐる

今田健太郎「おとうふたしかめる」おとうふがあっ

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「月報こんとん」2023年5月号

栫伸太郎「あるきのみ」ハトムギが大きな桃になっていく

イールドカーブコントロールのラテアート

踏切支障報知装置のあるきのみ

カテキンが消防吏員だとしたら?

地平線につぶされて手紙になる蚊

内面に白く付着するしじま

マルチーズ自体が少し糸電話

点線でお茶のなかみが描いてある

医学書の中に明るい登下校

最期まで優しい湯桶読みでいて

今田健太郎「ビート板うつくしい」ビート板だったころ

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「月報こんとん」2023年4月号

栫伸太郎「Chunk」「こし餡で旅籠つくれ」はすべて詐欺

檄文だけどサムネでもある

矢も盾もたまらず蛍光色でした

言ってくれれば出土したのに

チャンク化される農水大臣

終わってみれば色鬼でした

サロメ、サロメ、プラレール

昇順でヤングコーンを列挙する

緊張で変体仮名が生まれそう

はちみつがこわれていくの何度でも

今田健太郎「すこしおとな」あとすこし湖がなくなっていく

首がない

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