暮田真名

「川柳句会こんとん」主宰。「当たり」、短詩集団「砕氷船」メンバー。

暮田真名

「川柳句会こんとん」主宰。「当たり」、短詩集団「砕氷船」メンバー。

マガジン

  • 「川柳句会こんとん」第二期

  • 題詠マラソン2003

    「題詠マラソン2003」(http://www.sweetswan.com/daiei-2003/)に21年越しに挑戦します。お題の使用および短歌だけではなく川柳も作ってnoteで発表すること、主催の五十嵐きよみさまに許可をいただきました。

  • NHK文化センター青山教室「現代川柳ことはじめ」

  • 「川柳句会こんとん」第一期

  • 『時実新子全句集』を1年分ずつ読むnote・他

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暮田真名の活動と制作物、やってみたいお仕事

○暮田真名のプロフィール暮田真名(くれだ・まな) 1997年9月20日生。西東京市出身。 「川柳句会こんとん」主宰。歌人の大橋なぎ咲さんとのユニット「当たり」。「川柳スパイラル」会員。 ○暮田真名の活動・2017年5月6日(土) 「瀬戸夏子は川柳を荒らすな」イベント内ミニ句会にてはじめて川柳を作る →ササキリユウイチさんがこの句をもとに柳論を書いてくださいました。 10月 「川柳スープレックス」に「モアレ現象について」を寄稿 →飯島章友さんが鑑賞文を書いてくださいました

    • 「月報こんとん」3月分

      栫伸太郎「呈色」従兄弟のなかで一番しりとり 着地する 毀れるよりもやや早く ながい目でみればごううのえかきうた くちびるに似てないものを聴いている 点滅と遠投だけが好きだった ちょっとやわらかい壇上 階段だけで桜をつくる はちみつか双子素数になっていく 祝前日は耳から落ちる 大きくなったら呈色しよう 今田健太郎「おもえないんだわたし」アーケード街とはおもえないくらい ぬすまれた自転車だった(んだわたし) 変装を解いたいちごのタルト べしゃ 茶運びの人

      • 「題詠マラソン2003」1〜25

        001:月 短歌 月の塗装のお金が足りなかったせい 真ん中らへん薄くなってる 川柳 飲み干したあとは月からいなくなれ 002:輪 短歌 輪になって踊らなければ カマドウマ 呼吸をやめるしかないでしょう 川柳 年輪を重ねて四国まで行こう 003:さよなら 短歌 プリントを剥がしたあとが線状になっているからさよならなんだ 川柳 さよならも言わずに 言うね 瓶の底 004:木曜 短歌 木曜がごみの日なのはニッケルが金属なのと同じ仕組みね 川柳

        • 「月報こんとん」2月分

          栫伸太郎「nn」発芽したので代入しよう 粉々にされて整列させられる 相転移するなら言ってほしかった はぐれないようにたまには足しにいく 完答してから倒幕したい 四角くてつぶれるようにうつくしい ぴかぴかうだるぴかぴかうねる 図案化したら明るくなった またがれるようになっててふりしきる 群生するより着替えておいで 今田健太郎「こんにちは三流」悲しみよこんにちは(はいこんにちは) 三流のさくらの下ではなそうか スペースと名づけてそこにずっといる ろうにん

        • 固定された記事

        暮田真名の活動と制作物、やってみたいお仕事

        マガジン

        • 「川柳句会こんとん」第二期
          12本
        • 題詠マラソン2003
          2本
        • NHK文化センター青山教室「現代川柳ことはじめ」
          2本
        • 「川柳句会こんとん」第一期
          15本
        • 『時実新子全句集』を1年分ずつ読むnote・他
          45本

        記事

          「現代川柳ことはじめ」4月の振り返り

          ミニ講義「言葉遊びと日本語遊び」背景 4月期の1回目。新しい受講生の「現代川柳」との距離感がわからないということもあり、SNSで広く注目を集めている淀川テクニック『コラージュ川柳』(宝島社)を読んだ。 わたしは、川柳は「言葉遊び」ではないが「日本語遊び」ではあると思っている。著者本人が「言葉遊び」という「コラージュ川柳」にも「日本語遊び」の要素はある。以下の鑑賞で示していきたい。 鑑賞 【良いと思った句】 北海道 広がっています のびのびに(34頁) 土地が広がる。そ

          「現代川柳ことはじめ」4月の振り返り

          「月報こんとん」24年1月分

          栫伸太郎「くち」輪唱のように寝るのが遅くなる まっすぐなスープにして返す 水糊は理解をこえていればいい 閾下刺激になった飼い主 一休全体 洗濯に再利用する送り仮名 齧られる回数をよくまちがえる 板ガムが復活したら起こしてね 箱馬がすこしすすんでいる地域 口に入れた瞬間夜になっている 今田健太郎「スキロー vol.1」東京のさくらいちまいずつくばる 自治体にたこ or いかをわりあてる 別次元からもできるねお見送り ひんやりとつめたい背中 入学式

          「月報こんとん」24年1月分

          「現代川柳ことはじめ」3月の振り返り

          ミニ講義 「川柳の連作、川柳の句会」背景 高円寺パンディットで行われた我妻俊樹さん、平岡直子さんとのトークイベントや、「おかじょうき」4月号誌上句会の選を通して、「川柳の連作」と「川柳の句会」を並べて喋ってみたらおもしろいかもしれないという思いつきが生まれた。 たくさんの句の中から自分が良いと思うものを選び、いいかんじに並べるという選者制の句会で選者が行う作業は、川柳が「連作」に接近するシーンの一つなのではないか。 これまでに語られたことのないルートから、つまり石田柊馬

          「現代川柳ことはじめ」3月の振り返り

          参加させていただきます。ふだんは川柳を書いています、暮田真名といいます。よろしくお願いします。 http://www.sweetswan.com/daiei-2003/

          参加させていただきます。ふだんは川柳を書いています、暮田真名といいます。よろしくお願いします。 http://www.sweetswan.com/daiei-2003/

          「月報こんとん」23年12月分

          栫伸太郎「きどうのおわり」トイレットペーパーによるハムレット 題名もコーンポタージュの一部 凹んだらうつわにされるからあるく 二つにわれて伸びるしろくま 石けんに昏さをきいていたいけど 360と365のちがい 両岸にショートケーキが置いてある 円周率としては大きめ ぺたぺたに依拠しているかわからない 太陽と太陽暦のぬいぐるみ 今田健太郎「『君は放課後インソムニア』1話」12時に水道管がのびていく 音がして光がしたら朝がする 墓石のなかみとしての曲線美

          「月報こんとん」23年12月分

          「月報こんとん」2023年11月号

          栫伸太郎「窓の窓」ある程度鱧になるのは仕方ない x切片がやることかね 窓枠のかたちになって考える おおきなまるにあっぱくされて昼ごはん 粉末の終わりの方に鴨を置く 誰が見ても柿というものだけ食べる 入れ替わり立ち替わり胃をだまらせる 切り口が夕日になって仕方ない 来年度予算がきっと満ちてくる パスタソースになって立ち去る 今田健太郎「音がきて人がコーヒー」音がきて人がくるその逆はない もともとの甘いコーヒーに、もどせ うつくしきあれどうしてよなんでなの

          「月報こんとん」2023年11月号

          「月報こんとん」2023年10月号

          栫伸太郎「先」根菜のたちいちだけがあきらかだ 昼になっても長方形だ 自己診断結果に満ちた間奏だ 気を抜くと聳えちゃうので浴びていた  虹に連んでいる肉鰭類 水蛸かボールプールの約束だ 台風がまた皺々に隠れてる ハムカツのバックヤードが現れる 夕闇のハウスダストは重ね合う 右肘は二、三歩先を行っている 今田健太郎「金子とはきみの人質」金子とはきみの話をよくしたな 人質になってだれかが会いに来る キンキンに冷えるぼくらの冷蔵庫 先生はべんり だいたい先生

          「月報こんとん」2023年10月号

          「月報こんとん」2023年9月号

          栫伸太郎「しくみ」4ピースパズルのような朝の風 計算力をなでてしまった 笹かまは滑りやすくてかっこいい 立方体がまたがっている 自動で無料のバネが落ちてる 歯型になっても睦みあいたい 半チャーハンの地下鉄のとこ 皺をあつめてたばねた夜空 リバーブしちゃう」「あたためますか? 八十回に一回は土 今田健太郎「呪われお寺」呪われる時間がながくなっていく お寺にはそのときだれもいなかった ビルの窓、なにか映っている。あれは 骨つぼの底になにかがかいてある

          「月報こんとん」2023年9月号

          暮田真名が講師をつとめる句会における講評システムについて

          2023年10月現在、暮田が講師をつとめている句会は以下の二つです。 ・毎月第三水曜日、荻窪・鱗にて「水曜日のこんとん」 ・毎月第四火曜日、NHK文化センター青山教室にて「現代川柳ことはじめ」 どちらの句会でもご提出いただいた句についてわたしがコメントを返しています。 ただし、二つの句会で料金や句数が違うので本noteにまとめます。最後に評のサンプルもあります。 🐟水曜日のこんとん(希望者のみ)日時 毎月第三水曜日/19時開場、20時出句締切    年内は10月18日、

          暮田真名が講師をつとめる句会における講評システムについて

          「月報こんとん」2023年8月号

          栫伸太郎「正体」中はかすかなカルピスなのに あるいは重機として降り立つ 花火を見ると整列しちゃう はなびらのひとつひとつが救急車 吐く息の中に混じって眠ってる ネクタイを見れば海老だとわかるはず 豚肉は色違いだといってみる 「いや、違うよ? 等脚台形等脚台形」 そういえば恥骨も一個余ってる 外向きにはトマト内向きにはrhino 今田健太郎「処方せんだ捕」処方せんだったら棒にまいている だ捕したりされたりパスタつくったり ひも状になっているけどドラえもん

          「月報こんとん」2023年8月号

          「月報こんとん」2023年7月号

          栫伸太郎「牛乳の余白」生命力に慣れてしまった 吊革の揺れに合わせて森になる スピーチバルーンを、鉄塔で、埋め尽くす 稜線の続きになって横たわる とんかつのギザギザのとこマークする コッペパンの空洞だけをコピーする はちみつがサマルカンドを帯びてくる 二言目にはトリニダード・トバゴ 画面いっぱいのバスクリンだけ 豆腐から発掘される夏になる 今田健太郎「ラッコ水車」めちゃくちゃなラッコになんて言えばいい それからというものまわらない水車 雨はまだやんでい

          「月報こんとん」2023年7月号

          11月19日(日)「川柳を見つけてー『ふりょの星』『馬場にオムライス』合同批評会ー」

          2023年11月19日(日)、「川柳を見つけてー『ふりょの星』『馬場にオムライス』合同批評会ー」を行います。 『ふりょの星』のパネラーには穂村弘さん、平岡直子さんをお迎えします。 中学生の時分に図書館で『世界音痴』を手にとらなければ私が短詩に興味を持つことはなかったでしょうし、2020年の『補遺』批評会で平岡さんが「OD寿司」を言葉を尽くして評価してくれなければ『ふりょの星』はこのようなかたちでは存在しなかったでしょう。 いまのわたしのあり方に深い次元でかかわっているお二人

          11月19日(日)「川柳を見つけてー『ふりょの星』『馬場にオムライス』合同批評会ー」