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映画館みたい
私は今イライラしている。
そう、イライラしていると過去の納得のいかない経験を思い出す。私あるあるだ。
父親の話。
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私の父は昔、気難しくてすぐ機嫌を悪くなって態度に出してくる。
私の幼少期時代、私と母がリビングで楽しく話をして盛り上がっていると、父はいきなりテレビの音量をアホみたいに上げる。普通は14くらいなのに、30くらいにする、みたいな。
"俺は怒ってる" "うるせえよ" "静かにしろ"
というのが一瞬で伝わる。
言葉で伝えれば良いものの、態度に出す。私は今思い出してもそれは気にくわない。
それ以降私はテレビの大きな音が大嫌いになった。いつもよりも少し大きい音で家族がテレビを見ていようものなら、あの時の感覚が蘇ってゾワっとする。怒られている気になる。大人になった今でも。そんな反射反応をするようになったこの経験が憎い。
だけどある時から、テレビを大音量にして態度に出すことがパタリとなくなった。
それはきっと、私の発言のおかげだと思う。
その日も、私と母はリビングでキャッキャ騒いでいた。その日も、父はテレビの音量をアホみたいに上げた。リビングに響き渡るニュースのアナウンサーの音声。静まり返る私と母。
ムカついた私はヘラヘラし続けてみる。私は言った。
「映画館みたーい」
いつもなら無口で態度を押し付ける父が口を開いた。「それいいねえ。それなら俺もイラっとしないかも」みたいなことをほざいてた。
その日を境に、"それ" をしなくなった。
長年続いていた嫌なことも、ひょんな一言、たった一言でパタリとなくなる経験をした。
これが言葉の力なのかもしれない。
父も、テレビの音量で態度を示すんじゃなくて、言葉の力を使うべきだった。
私は言葉を大切にしていきたい。