鈴木久遠

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  • 記憶屋Amber まとめ

    記憶屋Amberという短編シナリオ作品のURL一覧ページです。 創作大賞に出品している作品ですが、書きたい話は3話で収まらないので その後もシリーズとして書き続けます。 あらすじ 人は誰しも消したい記憶を持っている。記憶屋Amberは他人の記憶を結晶化し、琥珀糖にする店。恥ずかしい記憶、トラウマ、嫌な記憶。ここに来れば頭の中からすべて消し去ることができる。Amberの店主・雨野亮一(32)は記憶を琥珀糖にする能力を持つ。琥珀糖を食べると、その記憶を手に入れることができる。雨野の目的は、5年前何者かによって記憶の大部分に鍵がかけられてしまっていたチカの記憶の鍵を手に入れることであった。  ある日、親友によって好きだった幼馴染を奪われた小森奈央(17)がAmberを訪れた。雨野は奈央の記憶に鍵がかかっていることに気付く。奈央によって記憶に鍵をかける人物に近づいていく。

最近の記事

奇麗<後編>

人物 紺野翠(17) 高校生 神崎渉(28) 車掌 紺野進(41) 翠の父親 紺野藍(10) 翠の弟 紺野梓(33) 翠の母親。写真 名越ゆかり(38) 生物教師兼、スクールカウンセラー 末永真(51) 翠の担任 杉岡勝(31) 神崎の先輩 下斗米(32) 紺野家の隣人 駅員1(26) 警察官1、2 生徒1(17) その他生徒 アナウンサー 〇住宅街  裸足で歩く翠。 翠「祥汪駅の近くだから……」 名越の声「……紺野さん?」  翠、バッと振り返る。スーパー帰りの名越の姿。

    • 奇麗<前編>

      人物 紺野翠(17) 高校生 神崎渉(28) 車掌 紺野進(41) 翠の父親 紺野藍(10) 翠の弟 紺野梓(33) 翠の母親。写真 名越ゆかり(38) 生物教師兼、スクールカウンセラー 末永真(51) 翠の担任 杉岡勝(31) 神崎の先輩 下斗米(32) 紺野家の隣人 駅員1(26) 警察官1、2 生徒1(17) その他生徒 アナウンサー 〇端偉駅・2番ホーム(朝)  片田舎。通勤、通学者の頭。あまり混雑はしていない。  白い息。制服姿の紺野翠(17)がイヤホンをし、しっ

      • 鈴木久遠とは

        シナリオセンター大阪校93期 SEをやりながらシナリオを描いている人。 色々なご縁に恵まれて、ただいま短編映画製作中。 主に過去作を載せる場としてnoteを使用しています。 作家ページ↓ 記憶屋Amberという作品を創作大賞2024に出品中。

        • 記憶屋Amber - 第三話「鍵屋は自分を琥珀に閉じ込める」-

          〇記憶屋Amber・店内(夕)  会話する奈央、奏多、前田。 前田「他に何か覚えて……」  前田の声をかき消すように開く扉の音。  チカが入ってくる。 チカ「ただーいま!」  扉の方を向く前田、奈央、奏多。 前田「お帰りなさい」  チカ、奈央を見て一目散に飛びつく。 チカ「お姉ちゃん! 久しぶり!」 奈央「チカちゃん! 久しぶり!」 奏多「この子が、あの絵の子?」 奈央「そう!」  店の外に出ていく前田。  考え込む雨野。 〇記憶屋Amber・店外(夕)  前田の手によって

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        • 記憶屋Amber まとめ
          3本

        記事

          記憶屋Amber - 第二話「オパールは自分の気持ちに気付く」 -

          〇記憶屋Amber・店外(夕)  店の外に立つ奏多の姿。奏多、店を見上げている。 前田の声「消したい記憶、ございませんか?」 奏多「消したい記憶?」  笑顔の前田が立っている。 前田「うちの前に居たということは、何か記憶でお悩みなのでは?」  奏多少し慌てて、 奏多「あ、いえ、俺はただ、幼馴染がここに入っていったので気になっただけで……」 前田「ああ、奈央さんの」 奏多「あ、そうです」  奏多、伺うように前田を見て、 奏多「あの、消したい記憶って?」 前田「ここは記憶屋。ここ

          記憶屋Amber - 第二話「オパールは自分の気持ちに気付く」 -

          記憶屋Amber - 第一話「サファイアは恋心よりも友情を選択する」 -

          あらすじ 人は誰しも消したい記憶を持っている。記憶屋Amberは他人の記憶を結晶化し、琥珀糖にする店。恥ずかしい記憶、トラウマ、嫌な記憶。ここに来れば頭の中からすべて消し去ることができる。Amberの店主・雨野亮一(32)は記憶を琥珀糖にする能力を持つ。琥珀糖を食べると、その記憶を手に入れることができる。雨野の目的は、5年前何者かによって記憶の大部分に鍵がかけられてしまっていたチカの記憶の鍵を手に入れることであった。  ある日、親友によって好きだった幼馴染を奪われた小森奈央(

          記憶屋Amber - 第一話「サファイアは恋心よりも友情を選択する」 -

          私の音世界は

          片耳難聴を題材にした10分シナリオです。 筆者自身が片耳難聴であり(左耳、感音性難聴)、今年社会人2年目です。 社会人1年目、学生時代は一人や自分のことを知っている人と過ごせていた人物が、片耳の音世界で他人とかかわりを持つ最初の物語です。 尚、主人公は片耳難聴にマイナスな感覚を持っておりません。 この物語は片耳難聴を周囲に開示することも、しないこともどちらを支持するものではありません。ご理解の程よろしくお願いいたします。 人物 高坂絵里(22) SE 堀家楓(22) 書店員

          私の音世界は

          彼岸花

          !注意事項! こちらは創作シナリオです。いじめや死を連想させる内容となっております。不快感を覚える方はご遠慮ください。 上記ご理解の上、お進みください。 人物 黒崎薫(17) 高校生 宮野聖歌(17) 高校生 浜田鈴音(17) 高校生 平野美緒(17) 高校生 黒崎香苗(47) 薫の母 黒崎奏人(3) 薫の弟。写真。 石黒幸喜(48) 医者 生徒 〇学校・教室(夕)    終礼中。窓際の席に黒崎薫(17)。 生徒の声「きりーつ」    ガタガタと音を立て、生徒が立つ。

          ラッキーセブン

          人物 小林隆文(27) 会社員 竜崎聡介(24) コンビニアルバイト 横川拓海(26) コンビニアルバイト 〇コンビニ前(深夜)    暗闇の中、歩く小林隆文(27)の足元。スーツ姿。    くたびれたカバンと靴。    劇団員募集と書かれたチラシがコンビニのガラス壁に貼られている。    その前で立ち止まる小林。ガラスに映った小林のくたびれた顔。    小林、コンビニの中に入っていく。    竜崎聡介(24)のやる気ない声が聞こえる。 竜崎の声「らっしゃいやせー」    

          ラッキーセブン