染色体異常を伴う不妊症
こんにちは(^ ^)クマです!
今日は久しぶりに不妊に関するお話です。
染色体異常の関係で不妊症になってしまう方がいらっしゃるのはご存知の方も多いと思います。
では、どんな染色体異常が不妊に関わるのかみていきましょう。
◎ターナー症候群
*どんな疾患?*
細胞のX染色体の部分的または健全な欠失があり生じます。
ターナー症候群の方の特徴的所見は低身長、卵巣機能不全、心臓・血管・骨格系・腎臓などに特徴的な異常がみられます。
低身長は100%の方にみられる所見です。
*不妊症との関わり*
思春期に入るまでに卵子の数が著しく低下してしまうため原発性無月経であることが多いです。
生理がこないことを理由に気づくこともあるようです。
2%の女性では自然妊娠があると報告されているようです。
ただ、心臓や血管の異常をきたしていることが多く、妊娠中に大動脈解離や大動脈破裂により亡くなってしまう確率も2%ほど報告されています。
◎精巣機能不全
無精子症や精子減少症の3〜13%に染色体異常が認められると言われています。
染色体異常を伴う無精子症の70%が47XXYとそのモザイクであるようです。
それ以外の方はロバートソン転座や相互転座、Y染色体の構造異常が続きます。
染色体異常を伴う精子減少症ではロバートソン転座やY染色体の構造異常が認められます。
*クラインフェルター症候群*
高身長であることが多く、精巣は萎縮し線維化しており、テストステロン(男性ホルモン)の分泌が低下しています。
また、50%の方に女性化乳房が認められます。
モザイクの場合でも造精機能があることもあり、自然妊娠の例も報告されています。
47XXYでも、精巣内の精子を採取する手術を実施し、顕微授精を行えば妊娠も可能になります。
ちなみに精巣内の精子回収率は70%ほどと高く、妊娠率としては40〜50%ほどと言われています。
クラインフェルター症候群に関して以前まとめた記事があるので詳しくはそちらをご参照ください!
*転座保有者*
精子の発生は卵子発生より転座の影響を受けやすいと言われています。
対合していない常染色体がX染色体とY染色体の対合を阻害し減数分裂を妨げてしまうことや、転座染色体と正常染色体の対合不全が減数分裂を妨げてしまうことが精子形成中に起こりやすいことで影響を受けやすいと言われています。
転座に関してはこちらでまとめていますので是非ご覧ください。
今日は少し難しい内容になってしまいました、、、
心当たりがありそうなら調べてみてもいいと思います。
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