漢方逸話『すっぱくておいしいシソも生薬なの!?紫蘇(シソ)について』
今回は紫蘇(シソ)について説明しよう。
食物としては青シソは大葉、生薬としては赤紫蘇を紫蘇葉(ソヨウ)と呼ぶ。
中国から伝わったと言われ、縄文時代の遺跡から紫蘇の実が出土している。
紫蘇の名前の由来は食中毒で死にかけた人が、赤紫蘇を食べて回復したことから、"紫の蘇る草"ということからきていると言われているよようだ。
平安時代までは、食用だとか薬用というよりは、シソ油として灯火用として使われていた。
それ以前まで使われていたエゴマからとったエ油より明るさ輝きが優れていたと言われているそうだ。
現在では梅干し、しば漬け、調味料など広い範囲で食用として使われている。
防腐作用や魚による中毒の予防作用もあり、刺身のツマにも使われている。
生薬としては、精神安定作用で、のどのつかえ感に使う半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などに使われている。
発汗解熱作用もあり、香蘇散(こうそさん)にも配合されている。
民間療法としてかぜの時に、葉や種を煎じて飲むことも行われている。
今回はここまで。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思う。