漢方の事あれこれ 漢方療法推進会公式

漢方療法推進会がお届けする漢方のいろんな事。 「あんなこと、こんなこと・・・」 漢方療…

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漢方療法推進会がお届けする漢方のいろんな事。 「あんなこと、こんなこと・・・」 漢方療法推進会HP→ https://www.kracie.co.jp/ph/k-suisinkai/

最近の記事

漢方逸話『中高年世代は手離せない!?八味地黄丸のお話じゃ~』その①

今回から数回に分けて、八味地黄丸(はちみじおうがん)という漢方について説明するとしよう。 この漢方は「高齢者の尿トラブル(頻尿、夜間尿など)」に使うのう。また、老化一般の症状と言える腰痛、しびれ、かすみ目、高血圧、夜間尿などに対応できる漢方じゃ。特に現在ではおしっこのトラブルに繁用されておるのう。 この八味地黄丸は漢方的にいう腎虚(じんきょ)という状態に使う代表処方じゃ。この漢方用語の腎とは泌尿器系の機能や、さらに内分泌(ホルモン)系、生殖器系をも含めたものとされておる。

    • 漢方仙人による漢方逸話『辛いおなかにくる風邪には柴胡桂枝湯じゃ』の巻

      今回は柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)について説明するとしよう。 この処方は「胃腸型のかぜ」に使うのう。 秋から初冬にかけては胃腸型のかぜが流行する季節で、西洋医学的にもノロウイルスなどが活発になる時期と言われておる。 柴胡桂枝湯はかぜのひき始めのみではなく、こじれた状態にも使用できる便利な漢方薬じゃ。 そして、そのような状態で特に胃腸型のかぜに最適で、まさにもってこいの処方じゃ。 症状としては発熱、下痢、嘔吐、腹痛などが目安じゃのう。 ネーミングに出てくる柴胡はこじれたか

      • 漢方仙人による漢方逸話『激しい咳には神様"白虎"の出番じゃ』の巻

        今回は五虎湯(ごことう)について説明するとしよう。 五とか虎とか名前が変わっている漢方薬じゃ。 この処方は「せき」に使うのう。 秋は気温の寒暖の差が激しくなる季節で、それに伴い咳などの症状が多くなるのじゃが、かぜやぜんそくなどの幅広い咳全般に使われる処方じゃ。 漢方的には五虎湯のタイプは「肺熱の咳」という症状に該当するのう。 肺の熱、すなわち呼吸器系に熱があることによる咳じゃ。 特徴としては、比較的激しい咳、かぜの場合は発熱、体が温まると悪化する、痰が黄色く粘着性などが該

        • 漢方仙人による漢方逸話『夏場の常備薬に藿香正気散がおすすめじゃ~!』の巻

          今回は藿香正気散(かっこうしょうきさん)について説明するとしよう。 これは「夏かぜからくる胃腸障害」に使う処方じゃ。 夏かぜは西洋医学的には、アデノウイルスやエンテロウイルスなどにより発生し、のどの痛み、胃腸症状、発熱、咳、鼻水などの一般的な症状を呈するとされており、特に、腹痛、下痢などの胃腸系の障害が発現するとされておる。 そして、夏は脱水症状になることも頻繁で、夏かぜは治りにくく長引くことも多くみられるのじゃ。 そんな「胃腸型の夏かぜ」に対応するのが藿香正気散なのじゃ

        漢方逸話『中高年世代は手離せない!?八味地黄丸のお話じゃ~』その①

          漢方仙人による漢方逸話『お天気が悪くなりはじめると頭痛が・・そんな悩みにも漢方じゃ!』の巻

          皆さんは気象病という言葉を知っておるかのう。 気象病とは病名ではなく、気候や天気の変化が原因で起こる身体の不調の総称でのう。よくある症状としては、頭痛、疲労感、めまいなどの症状が発生するといわれておる。また、この症状は女性に多いというデータもあるのう。 気象病の漢方的な考え方としては、気圧の変化などで体の中に水分代謝異常が生じ、頭痛などが起こると考えておる。これは、湿邪(しつじゃ)という漢方用語で表現される状況じゃ。 この湿邪を改善し、頭痛を治す作用がある漢方薬が五苓散(

          漢方仙人による漢方逸話『お天気が悪くなりはじめると頭痛が・・そんな悩みにも漢方じゃ!』の巻

          漢方仙人による漢方逸話『眠れない、寝ても疲れが取れない…そんな時には加味帰脾湯じゃ』の巻

          ここ2回にわたりストレス、心の病の漢方処方をご紹介しておるのじゃが、今回もその流れで不眠に使う処方である加味帰脾湯について説明するとしよう。 この処方の対象は不眠でも、眠りが浅い、寝た気がしない、疲れが抜けないという、いわゆる熟眠障害の不眠に該当するのう。 一方、寝つきの悪い不眠、つまり入眠障害には前に説明した柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を使うのじゃ。 不眠に対する漢方的な考え方には、脳に熱がある場合は入眠障害、脳の栄養状態が悪い時は熟眠障害になると規

          漢方仙人による漢方逸話『眠れない、寝ても疲れが取れない…そんな時には加味帰脾湯じゃ』の巻

          漢方仙人による漢方逸話『胸のつかえ、種が詰まっているような違和感…これには半夏厚朴湯じゃ!』の巻

          今回は半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)について説明するとしよう。 5月頃は変化の季節じゃな。 新しい学校、会社、職場、環境などでストレスを受けることが多くなるのう。 そのような状況下で、風邪をひいたわけでもないのに、喉に不快感・異物感・異常感 ・喉がつまって息苦しいなどが起こることがある。 のどに何だか違和感がある、病院で検査をしても原因がわからない。このような症状があることを「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」と言うのじゃ。 また、ヒステリー球とも呼ば

          漢方仙人による漢方逸話『胸のつかえ、種が詰まっているような違和感…これには半夏厚朴湯じゃ!』の巻

          漢方仙人による漢方逸話『春はストレスの季節!柴胡加竜骨牡蛎湯の出番なのじゃ』の巻

           今回はちょっと長い名前なんじゃが、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)という漢方処方について説明しよう。  春は変化の季節じゃ。新しい学校、会社、職場、環境などでストレスを受けることが多くなるのう。その流れが五月病になって現れるのじゃが、その症状のうち、不眠は高い頻度で発生するのう。 その不眠に使われる代表処方が今回の漢方処方の柴胡加竜骨牡蛎湯じゃ。  この処方は、特に寝つきの悪い不眠(入眠困難)に使用されておる。ストレスを受けると様々な不定愁訴(うつ、イラ

          漢方仙人による漢方逸話『春はストレスの季節!柴胡加竜骨牡蛎湯の出番なのじゃ』の巻

          漢方仙人による漢方逸話『小青竜湯について』

          今回は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)について説明するとしよう。 この漢方薬はアレルギー性鼻炎に使われるものとしてとても有名じゃ。 日本のアレルギー性鼻炎の有病者率は約40%と言われておる。 春のスギ花粉症、秋にブタクサ、そして通年性のハウスダストなど原因もさまざまあるのう。 小青竜湯の作用としては、水分代謝を良くして、鼻水などを止めてくれるのじゃ。生薬では細辛や半夏などがよく使われるのじゃが、小青龍湯にも配合されておる。 さらには、体を温める作用もあり、冷えからくる水

          漢方仙人による漢方逸話『小青竜湯について』

          漢方仙人による漢方逸話『女性なら知っておきたい3大漢方処方 3つ目は加味逍遙散』

          今回は加味逍遙散(かみしょうようさん)について説明するとしよう。 前回までに説明した当帰芍薬散、桂枝茯苓丸と共に婦人科疾患に使われる3大漢方薬で、日本では人気のある処方じゃ。 他の2処方は体質(血虚や瘀血)を改善するものじゃが、このものは精神的な要因が婦人科疾患に影響を及ぼした場合に使う処方じゃ。 すなわち、ストレスからくる婦人科疾患(月経痛、月経不順、更年期障害など)に使ったりしておるのう。 特に、更年期障害に使用されることが多く、不定愁訴に良く対応する処方じゃ。 ちな

          漢方仙人による漢方逸話『女性なら知っておきたい3大漢方処方 3つ目は加味逍遙散』

          漢方仙人による漢方逸話『女性なら知っておきたい3大漢方処方のひとつ桂枝茯苓丸』

          今回は桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)という漢方ついて説明するとしよう。 この処方は、前回説明した当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と同様に婦人科疾患に使われる漢方薬で、日本では人気のあるものじゃ。 対象となる人は「瘀血(おけつ)」という漢方用語で表される体質の女性じゃ。 この「瘀血」は数ある漢方用語の中でも一番有名なものの一つで、体の血液が流れにくい、つまりドロドロ血液といった体質の人を指すのじゃ。 桂枝茯苓丸が合うとされる目安としては、比較的体力がありガッチリめの体

          漢方仙人による漢方逸話『女性なら知っておきたい3大漢方処方のひとつ桂枝茯苓丸』

          漢方仙人による漢方逸話『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。当帰芍薬散のおまけ話じゃ~』

          前回は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)に使われておる当帰について、ネーミングの由来などについて説明させてもらったのじゃが、 今回は芍薬(しゃくやく)について触れみるとしようかのう。 有名な『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』という言葉を聞いたことがあるかのう。 これは姿が艶やかで魅力的な女性を形容しておる。 七七七五の都々逸(どどいつ)の形式を備えており、実際に唄われておった言葉じゃ。 これは江戸時代の書物に原型がみられるのじゃが、今のところは作者は判明しておらん

          漢方仙人による漢方逸話『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。当帰芍薬散のおまけ話じゃ~』

          漢方仙人による漢方逸話『女性なら知っておきたい漢方ナンバー1!当帰芍薬散のお話じゃ』

          今回は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)についてご紹介しよう。 この漢方薬は体の虚弱な女性の月経痛、月経不順などの婦人科疾患、冷え症などに使う漢方薬じゃ。 基本的な作用は漢方用語の血(けつ)を補う作用なのじゃが、この血とは血液の濡養・栄養物質の事を指し、単純には血液を増やす作用と考えてもらって結構じゃ。 体質的に血液の少ない女性の婦人科疾患などに使う漢方薬として古来から人気があるのじゃ。 体力虚弱で、顔色は青白く、貧血傾向があり、冷え症の女性の婦人科疾患、めまい、頭痛、む

          漢方仙人による漢方逸話『女性なら知っておきたい漢方ナンバー1!当帰芍薬散のお話じゃ』

          漢方仙人による漢方逸話『知っておいてほしいもう一つの有名漢方かぜ薬 銀翹散についてじゃ~』

           風邪に使う葛根湯は、小学生の子供さんでも知っておる処方じゃろう。 同じく漢方系の薬で風邪に使う銀翹散(ぎんぎょうさん)は、大人でも知っている者は少ないじゃろう。 じゃが、この処方もぜひ知っておいてほしい処方であり、今回はその銀翹散を説明するとしよう。  葛根湯はかぜのひきはじめで寒気(さむけ)悪寒(おかん)が強い時に使用する処方じゃ。 一方、銀翹散はかぜのひきはじめで咽痛(のどの痛み)が強い時に使う処方じゃ。 どちらも中国で作られて日本に伝わったものなのじゃが、実は本場中

          漢方仙人による漢方逸話『知っておいてほしいもう一つの有名漢方かぜ薬 銀翹散についてじゃ~』

          漢方仙人による漢方逸話 『ご存じ防風通聖散が作られた本来の目的についてじゃ』

          食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋、行楽の秋…など秋とつく言葉はたくさんあるのう。 果物やお米が実る秋は、気温、気候的にも過ごしやすい季節で、食欲も旺盛になり、つい食べ過ぎてしまうことも多くなりがちな季節じゃ。 現代の標準体重の求め方じゃが、身長をメートル表示して求めておる。    「標準体重(Kg)=身長×身長×2.2」 さあ、標準体重と比べてどうだったかのう。  体重過多すなわち肥満の状態を改善する漢方薬として、近年有名になってきた防風通聖散(ぼうふうつうしょうさ

          漢方仙人による漢方逸話 『ご存じ防風通聖散が作られた本来の目的についてじゃ』

          暑い夏…。体の熱を取り去りたいときにおすすめの漢方のお話

           今年は熱いのう・・・。 猛暑日が続いたり、蒸し暑い日には熱中症が増えるものじゃ。本当に気を付けたいのう。  地球温暖化の影響じゃろうな。35℃を超える猛暑日が当たり前になってきておる。 気を付けたいのは、年配の方の熱中症は部屋でも発生しておるということじゃ。 人間の体の60%は水分であるというのは20歳前後の人の話であってのう、お年寄りは体の水分量が減少し50%近い人もいるといわれておる。 よって、クーラーが苦手で点けないといったお年寄りの方は、部屋でも熱中症になりがちじ

          暑い夏…。体の熱を取り去りたいときにおすすめの漢方のお話