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やっぱり漢方はやさしい おなかに優しい二つの生薬のお話

今回はタイトル通り、まさに漢方の優しさの主役ともいえる2つの生薬。
甘草(かんぞう)、大棗(たいそう)について紹介しよう。


甘草という名前は一般的に有名ではないが、漢方薬の約7割に含まれている生薬である。
大変重要な存在のため、「国老(こくろう:国の老臣のこと)」と称されている生薬である。

中国、シベリア原産で、マメ科のウラルカンゾウの根が基原である。
成分のグリチルリチンは砂糖の50~100倍の甘さと言われ、漢方薬や醤油などの甘味料として使われている。

鎮痛、健胃作用があるとあされており、その歴史は古く、エジプトのツタンカーメン王の墓からも発掘されたそう。
日本へは唐から伝えられ、正倉院の宝物として現在も保管されている。
現在、甘草は年間2,000トン輸入されおり、ほぼ全量輸入に依存している。

「偽アルドステロン症」という副作用が有名で、高血圧、むくみ、脱力感など示すことがある。
漢方薬も副作用はある医薬品なのである。


最後に、もうひとつの生薬の大棗について紹介する。

大棗はナツメのことで、名前は「夏に入ってから芽が出る」ことに由来しているという。
日本ではよく食べられる果物ではないが、韓国料理のサムゲタンなどに使われている。
作用としては、健胃整腸、精神安定作用があるとされている。


甘草も、大棗も葛根湯に配合されている。
漢方をかじっている人が、葛根湯は発汗を促すなど強い薬であると訴える人がいるが、この2つの生薬が入っているので、葛根湯はおなかに優しい漢方薬でもあると言える。

今回はここまで。

読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思う。

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