あの葛根湯にも入っている自然のチカラ。生薬の「生姜」や「芍薬」についてのお話
葛根湯を使用したことがある方がだいぶ増えたと実感する今日この頃。
「寒くなると葛根湯を準備しよう。」
これが毎年の秋冬の習慣になると良いなと願っているところであります。
さて、その葛根湯には7種類の生薬が使われているのだが、その中で日々の生活の中で、とても身近にある「生姜(しょうが)」がある。
そうなのだ、この生姜のように生薬には皆が日頃からよく食しているものがけっこう含まれていたりするのである。
「生姜」は一般的には「ショウガ」、薬関連としては「ショウキョウ」と呼ばれる。
ショウガとしては、生のままで味噌をつけて食べたり、漬物、香辛料など、大変用途が広いことはご存じのとおりである。
筆者も豚のショウガ焼き、牛丼の紅ショウガ、お寿司屋さんで食べるすし生姜などは大好物である。
原産国はインド辺りと言われており、中国を経て、3世紀ごろには日本に伝わっていたとされている。
薬としてのショウキョウは、体を温める作用、胃腸を整える作用、抗菌作用などがあるとされている。
あの辛みはジンゲロールといわれる成分である。
他にもうひとつ有名な生薬「芍薬(シャクヤク)」を紹介したいと思う。
芍薬はボタン科の多年草で、初夏、大形の赤、白色などの牡丹(ボタン)に似た花を開く植物で、生薬はその根を使用する。
生薬としてシャクヤクには鎮痛鎮痙作用、造血作用などが報告されている。
芍薬は草、牡丹は木に分類される。
芍薬は冬になると地上部の茎葉が枯れて、根の状態で休眠するため草に分類されるのである。
ちなみに、竹は一般的には木に分類されておるが、これは専門家の間でも意見が分かれるところだという。
最近では、園芸店にもよく見ることがある身近な植物となっている芍薬。
「立てば芍薬、座れば牡丹」という言葉があるが、これは女性を花の美しさに擬した言葉である。
今回はここまで。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思う。