かぜかなっと思ったら葛根湯 葛根湯のご紹介
これから寒くなり、カゼの季節がやってくる。
最近では葛根湯を飲むという人も年々増えてきていて、嬉しく思う。
葛根湯は数ある漢方薬の中で、日本では一番有名で人気があるといえる。
葛根湯の歴史は古く、今から約2,000年前に中国で作られた処方とされている。
漢方の古典である傷寒論(しょうかんろん)に記載されているのである。
そこには「カゼの引き初めで、うなじから背中にかけてこわばるように痛く、発汗もなく、風に当たると寒気がする」時に効くと書かれている。
現在では、カゼの引き初めで、悪寒が強いときに広く使われている。
体を温める作用が有名で、さらには発汗作用もあるとされている。
そして、眠くなる成分が入っていないので、勉強中、勤務中、車の運転前にも服用できるのも特徴である。
江戸時代にはすでにかなり有名な漢方薬として周知されており、落語に「葛根湯医者」という小話もあるくらいだ。
この小話はどのような症状にも葛根湯が使えるので、誰にでも葛根湯を使う医者の話なのだが、当時は万能薬的な存在だったと想像できるエピソードだ。
葛根湯の中心生薬はマメ科の葛(くず)の根である。
葛は都市部でも線路の土手、荒れ地などに見られる蔓(つる)性の植物で、茎は10m以上に伸び、初秋に紫色の花をたくさんつける。
根にはデンプンをたくさん含み、葛餅、葛切り、葛菓子、葛湯(かぜの時の民間療法、離乳食など)等に使われる。
薬効的には、発汗解熱作用、肩こり改善作用などがあるとされている。
まだ葛根湯を使ったことが無いという方には、ぜひ一度かぜのひきはじめに葛根湯を試してみてほしい。
今回はここまで。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思う。
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