漢方仙人による漢方逸話 『ご存じ防風通聖散が作られた本来の目的についてじゃ』
食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋、行楽の秋…など秋とつく言葉はたくさんあるのう。
果物やお米が実る秋は、気温、気候的にも過ごしやすい季節で、食欲も旺盛になり、つい食べ過ぎてしまうことも多くなりがちな季節じゃ。
現代の標準体重の求め方じゃが、身長をメートル表示して求めておる。
「標準体重(Kg)=身長×身長×2.2」
さあ、標準体重と比べてどうだったかのう。
体重過多すなわち肥満の状態を改善する漢方薬として、近年有名になってきた防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)について今回は紹介しょう。
実はこの処方、作用の中心は発汗作用(麻黄など)、利尿作用(桔梗など)、瀉下作用(大黄など)なのじゃ。
この3つの作用は人間の三大排泄作用と表現されているものであり、体から不要なものを外に出す3つのルートといいえるのじゃ。
さらに、体の代謝を高めて脂肪を分解燃焼する作用も持ち合わせている生薬も配合されておる。
また、胃に働き、食欲を抑える作用もあり、ついつい食べ過ぎてしまう状態を改善もしてくれるのじゃ。
過去の臨床研究では3か月服用した場合、約65%の人が1Kg以上やせたというデータも存在しておる。
ただ燃焼するだけではなく、排泄作用、食べ過ぎを抑える作用も合わさっている処方なのじゃな。
処方の使用と併せて行いたい食養生としては、最初は野菜などを食べ、次に炭水化物(ごはん)やたんぱく質(お肉系)を食べるのがコツといえよう。
今回はここまでじゃ。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思うのう。