翻訳不能。サイキック、その2(フィールドノーツ2025Feb03)
さて、1で、サイキックとは、精神性に関するタームだと述べたのだけれど、この精神性とは、スピリチュアルの訳。
ここでの問題点は、心理学の心と、心霊の心は、同じ漢字でも、意味が違うこと。
心霊の心は、スピリチュアルであり、精神性みたいな訳にしやすいと思うのだけれど、心と精神って、日本語的には、結構微妙な関係な気がする。つまり、付置図を描くのがそれなりに難しそう。哲学問題になってしまい。
一方、心理学の心は、マインド。
しかし、である。英語には、マインドフルネスという単語がある。自分の意識に意識的であること、なんだけれど、日本語にすると精神性、に関連するタームだし、意味もかなり近しいと思う。
なんだけれど、心霊と、自分の意識に意識的であること、というのは、日本語話者の感覚としては、かなり遠い関係にあるように感じると思う。
オバケ、と、ビューティフルマインド、というときの人の持つ清らかさ、くらいの遠さ。
しかし、英語だと、語彙の付置関係的には近しい。
一方、心霊と日本語で言うときに、英語の語彙で近いのは、エクソシストだと思う。しかしさ、英語のエクソシストって、日本の具体的な例で言うと、神社系のやつ。お祓い、とか。
なんだけれど、日本で神社関連行事って、ものすごい親しみのあるものなので、この感覚が共有しづらい。日本文化的には、神社と悪魔は結びつけにくい。
そういう感じに、サイキック関連用語の翻訳は難しい。
しかも、日本語的にイメージと直結した語彙類で、そのことが混乱を招きやすいく、このこと自体が、スピリチュアルな何かと日本文化が近しいことを示していると思う。しかし、この自体を精神性という言葉を使って訳すと、???って感じにならない?
アタシだけ?
一体何なんだ、って感じかもしれないんだけれど、いつものカテゴリーオタク。アイデンティティカテゴリーだって、タームだし。
なので、私の英語でのインタビュープロジェクトの名前は、トランスプラス(トランスジェンダー関連の)アイデンティティ・ワーズ(ワードの複数形ね)だったわけなんだけれど、日本語的に、タイトルにすること自体ムズいし、タイトルの説明もムズすぎて、タイトルとして機能しない。
カテゴリー関連の話は、日本語で考えるより英語で考えた方がやり易い。その理由は、そもそも語彙というものへの分析枠組みが、日本的でないから、なのかもしれない。ターミノロジーに相当する、日本語の語彙自体、ないかも。
そんなわけで、私のトランスジェンダーやジェンダー研究関連は、難しすぎて意味がわからないと、読んでも理解が難しいと思われてしまい易いのかも、しれない。