新たな変化を求める時に読みたい7冊
「そろそろ次のステージへ進みたい」なんて思う時って、ありませんか?
進学や就職、起業や結婚に限らず、人生にはさまざまな「節目」があって、そういう時に人は新しいことを学ぼうとします。
ただ、現代には情報がありすぎて、考えてもよくわからない時があります。
「何から手をつければいい?」
「結局何がしたいんだろう?」
「これに何の意味があるの?」
そんな時に動き出すきっかけとして、読書はオススメです。必ず答えが見つかるわけじゃないし、中途半端になる方が多いかもしれない。それでも、確実に「考えを広げるヒント」にはなります。
ここで取り上げる本も、全部を読む必要はありません。軽く調べてみたり、書店や図書館で読んでみたりして、気付きがあれば十分です。その中で特に興味を惹かれるものがあれば、その時にじっくり読んでみればいいと思います。
まずは「知ってみる」ことから。考えるためのヒントとして、ここに挙げる本があなたの役に立てば嬉しいです。
(いずれも「難読度」「ジャンル」「メッセージ」を表記しています)
『新一分間リーダーシップ』
仕事や勉強における人の成長プロセスがシンプルにまとまっていて、次のチャレンジが見えやすくなる本です。今の自分の成長段階や、今の自分に必要なサポートを、大きく4つのステージに分けて解説してくれています。
モチベーションと実行能力、コーチングとティーチング、それぞれアプローチの組み合わせによって関わり方はまったく異なります。タイミングや状況によって変化するリーダーシップなので、「Situational Leadership(状況に応じたリーダーシップ)」と呼ばれています。
自分自身をリードするヒントとして、まず読んでみるのにオススメです。物語風に書かれていて読みやすい上に、要点は奥が深い。(著者のケン=ブランチャードさんの「1分間」シリーズは、『星野リゾートの教科書』にも取り上げられていて、こちらも勉強になります)
『言葉にして伝える技術』
「伝える技術」とあるのでコミュニケーションの本のようですが、表現力や言語化能力に重点を置いた内容になっています。おそらく読んだ後は、「人に伝えてみよう」ってなるより、「まずはノートや日記で練習しよう」ってなるはずです。
まずは、いかに自分が普段「あいまいな言葉」を使っているか気付くことから。「言葉にできないモヤモヤ」を乗り越えた先で、やりたいことは見つかり、人に伝わるようになっていくんだと思います。
『他者と働く − 「わかりあえなさ」から始める組織論』
「自分の中の常識」と向き合いたい時に読むといい本です。表向きは「他者との関わり方」について書かれていますが、本質的には内省に向いています。他者との関わりの中で見えてくる、「自分の態度や心構え」に気付くことがポイントだと思います。
この本の中では、「解釈の枠組み」という表現で自分と他者との「考え方・ものの見方」の違いを解説してくれています。世界的名著『7つの習慣』における「パラダイムシフト」と同じ意味なので、こちらも参照すると一層考えが深まります。(ただし、『7つの習慣』の方が難しめです)
『ニュータイプの時代』
これまでの正解が正解じゃなくなる時、どのように働き方や生き方を考えていけばいいか? 態度や思考を養うための一冊です。
社会が不安定・不確実・複雑・曖昧になっていく中では、これまでの社会で常識とされてきた考え方が通用しません。特に「経験・予測・最適化」の価値が急速になくなっていく流れが示されています。
行動様式を「オールドタイプ」と「ニュータイプ」に分け、思考法やワークスタイルの変化をわかりやすい流れで書いてくれているので、内容の割に比較的読みやすい本です。まずは「勉強のしかた」を知ることから、少しずつ行動や習慣を進化させていくといいと思います。
『Humankind 希望の歴史』
「人間は根本的には、善なのか、悪なのか」を問う一冊。
世間では悲惨な事件や戦争がたくさん報道されているため、人間の「悪」の部分が強調されがちです。しかし、「実はそうではない!」というのがこの本の主張です。
人間は、圧倒的に善である。そして善ゆえに、事件や戦争に進んでしまう。その洞察やメカニズムはとても鮮やかで、人間に対する捉え方がガラッと変わってしまうほど。
しかも、この主張には明確な根拠があり、単なる著者の見解や願望ではありません。過去の心理学の実験やメディアの情報を検証し、エビデンスを明らかにした上で反証や結論を述べています。
なぜ、世の中ではこんなにも人間の「悪」の部分が取り沙汰されるのか?
陰謀論ではありませんが、「人間は悪である」と主張した方が都合の良い人たちが存在しているのは確かなようです。(だからこそ、惑わされないようにしたい!)
どのようなメカニズムで、人は残虐な事件を引き起こしてしまうのか。なぜ善の部分はほとんどクローズアップされないのか。根本から人間や社会を見直してみると、これから考えるための視野がグンと広がると思います。
(じゅくちょうが選ぶ、2021年に強く影響を受けた本、堂々の第一位!)
『「型を破る人」の時代』
「アート(自己表現)」を題材にした本です。マーケティングを想定してのタイトルだと思いますが、せっかくアートを題材にしたなら、もう少し美的センスも働かせてほしい気もしますね。笑 原書のタイトルは『The Icarus Deception』(イカロスの過ち)です。
「イカロス」は神話の人物です。ろうで固めた翼を使って空を飛ぶのですが、太陽に近づきすぎてろうが溶け、墜落してしまいます。それで後世には「高望みをしてはいけない」「思い上がるな」というメッセージが遺されているのですが、この話にはもう一つ裏があります。
イカロスに翼を授けた父ダイダロスは、「低く飛んで海に近づくな」という警告も発していたのです。高いところを飛ぶより、低いところを飛ぶ方が危険だ、と。これは「低レベルに甘んじて身を滅ぼすな」というメッセージなのですが、残念ながらこちらは言い伝えとして遺されなかった。「出る杭は打たれる」を強調した方が、権力者には都合が良かったのでしょうね。
こうした前置きをもとに、「アートとイノベーション(=破壊と再生)」のための考え方や観点をたくさん書いてくれているので、新しいことを考える上でとても参考になります。ページ数は多いものの、小見出しの区切りが短いので、スキマ時間を利用して少しずつ読み進められます。
世間に押し付けられた「常識の枠」にとらわれず、自由に空を舞う生き方へと羽ばたいていきましょう。
『Your Life as Art 自分の人生を創り出すレッスン』
帯を見てもわかる通り、「アーティストが作品を生み出すように、人生を創造する」というのがこの本のコンセプト。「創造」という行動を、どのように考え、どのように取り組めばいいのか、アーティストの思考回路を覗き見しているような気分で読めます。
勉強を教えない塾としては、毎月実施している「メンテナンスセッション」や「workin' talkin'」が、この流れに沿ってデザインされていると確認できて嬉しかったです。
一口に「頭を使う」といっても、どこに意識を向けて何から考えていくか、順序立てて考えるのは意外と難しいものです。それを分解して論理的に組み立てくれているので、考え方から取り組み方まで「思考のメカニズム」が見えてくると思います。
ただし、相談やコンサル、コーチング等で「深い対話」を経験したことがない人には、イメージがつかめず内容が入ってこない可能性があります。頭で考えるよりもう少し深い「心で考える」能力が求められるので、自信がない人は一度プロに頼って深い対話を経験しておくといいかもしれません。
……以上、勉強を教えない塾で参考にしている7冊をご紹介しました。
参考になりそうな本、興味が持てそうな本はありましたか?
新たな変化を求める時には、「今までと違う行動」が一番の勉強になります。普段は読書をしない人も、別のジャンルばかり読んでいる人も、考えるきっかけとしてお役立ていただけたら嬉しいです。
最後までご覧くださいまして、ありがとうございました!
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