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『ノルマによる管理の深刻な副作用は、「上司」が育たないこと』 (「ノルマは逆効果」より ②)
藤田勝利さんの著書、「ノルマは逆効果」。
この本から、私の心に響いた言葉をご紹介しています。
最初の言葉に続き、今回は第2章、『ノルマに追われた人、組織はどう変わってしまうのか』からの言葉です。
“ノルマによる管理の深刻な副作用は、「上司」が育たないことです。”(p44)
つまりは中間管理職が育たない。
そしてその成れの果ては、そんな中間管理職がそのまま経営幹部に上がっていくことにより、経営者が育たない。
これは相当深刻な問題と感じます。
藤田さんの言葉を借りれば、
「自分自身の信念を込めた言葉で、ヴィジョンや戦略を語ることが出来ない」(p46)
リーダーが増え、そして
「部下が仕事の意義を理解し、共鳴し、自発的に動くための働きかけをすること」(p43)
といった、リーダーが本来身につけるべき大切な能力が身につかない、ということです。
私の個人的な経験からも、これは強く感じます。
数字を他の何よりも優先してしまうが為に、ビジネスマンとしての大切な能力どころか、人として大切な能力も忘れ去られてしまっています。
それは、人の気持ちを察する、他人を慮るという能力です。
その結果が、「パワハラするぐらいの勢いで部下をリードしろ」という信じられないような歪んだ発言に現れてきます。
現場は既にやらされ感満載で疲弊しきっているにも関わらず、です。もはやそれにすら気づかない。
もしくは気づいていても、気づかないふりをする。
なぜなら、プレッシャーを掛けてやらせる以外の方法を、知らないからです。
”人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。
そのかわり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。
自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない。”
これは、私の大好きな本田宗一郎の言葉です。
組織やチームをリードする立場の者は、仮に他人の気持ちがわからなくても、他人の気持ちをわかろうとする姿勢や努力は、最低限持っておくべき要素(能力)だと思います。
それを持たない者がリードする組織は、残念ながら
「数字へのコミットメントを除いたら何も残らない組織に成り下がってしまう」(p60)
のです。