夢はやっぱり商業出版へ! 書籍化を確約している文学賞をリストアップ!
文学賞を受賞して、憧れの商業出版へ!
大手出版社が主催する文学賞では、受賞すると単行本デビューできる可能性が高い!
特に長編の賞ではその可能性が高いが、今回は応募要項の中で書籍化を確約しているもの、またはそれに近い表現をしている文学賞をピックアップした。
※掲載している情報は過去のものの場合があります。今年度の開催状況は、主催者サイトを随時ご確認ください。
小説現代長編新人賞:エンタメ小説にして文学!
エンタメ小説誌の老舗、小説現代が実施する長編新人賞。自作未発表の小説(現代、時代、恋愛、推理、サスペンス、SFなどジャンルを問わず)を募集。新人賞とタイトルにあることからもわかるように小説を商業出版したことのない新人が対象。また、他の賞に応募した作品は改稿しても対象外なのでご注意を。出版化については応募要項の中で「受賞作単行本は2025年5~8月刊行予定、受賞作以外にも「奨励賞」や「審査員特別賞」として単行本化する場合もございます」と書かれている。
メフィスト賞:面白ければなんでもあり!
講談社が発行する文芸雑誌、メフィストが母体。京極夏彦が持ち込みをしたことをきっかけに創設され、森博嗣、西尾維新を発掘したことからミステリー色が強いという印象があるが、対象はエンターテインメント作品(ミステリー、ファンタジー、SF、伝奇など)。小説家が選考するのではなく、予選から編集者が選ぶ。出版化については「優秀作品はメフィスト賞とし、treeおよびメフィストでの発表ののち講談社より、単行本、講談社ノベルス等で刊行します」とある。
松本清張賞:のちの直木賞作家がごろごろ!
松本清張の名を冠した賞ということでミステリーの賞と勘違いする人もいそうだが、ジャンルを問わない広義のエンターテインメント小説の賞。第1回受賞者の横山秀夫を皮切りに、葉室麟、青山文平、阿部智里、額賀澪、川越宗一といった作家を発掘してきた。新人賞ではなく、プロ・アマ不問の賞。2024年の募集はまだ始まっていない(2024年4月現在)が、例年であれば締切は10月31日。出版化については「受賞作は文藝春秋から単行本として刊行!」と大きく書かれている。
日本ファンタジーノベル大賞:懐は深い、異色の作品も受賞の可能性あり!
必ずしも中世ヨーロッパを舞台としたファンタジーや異世界転生ものではなく、幅広く空想的な小説と思っていい。レベルは高い。応募要項にある「応募作には深い懐を用意しながらも、最終候補作のレベルの高さに各選考委員を唸らせ」はそうした意味だ。また、「『既存の文学新人賞では、自分の作品は評価されないだろう』と諦めかけている、志ある書き手の皆さん。次はあなたの番です」とあるように異色の作品も受賞する可能性が高い。出版化については「受賞作品は新潮社から単行本として刊行する」とある。
小説野性時代新人賞:希代のストーリーテラーの登場を期待
「野性時代フロンティア文学賞」のタイトルで創設され、第11回募集時から「小説 野性時代 新人賞」に改称。これまでにない新ジャンルを築きあげるエンターテインメント作品を広く募集している。選考委員も冲方丁、辻村深月、道尾秀介、森見登美彦といったエンタメ小説家が勢揃い。出版化については「受賞作品は2025年に株式会社KADOKAWAから刊行予定」と明記されている。
角川春樹小説賞:第二の今村翔吾を目指して!
新人賞ではなく、プロ・アマ不問の賞。対象は、エンターテインメント全般(ミステリー、時代小説、ホラー、ファンタジー、SF、ほか)。応募数や有名プロ作家の輩出率はやや劣るところはあるが、それだけにチャンスも大きい。文庫を持っていることも受賞者にはメリット。2018年の受賞者、今村翔吾が直木賞を受賞して話題に。出版化については「受賞作品の出版化権、二次的使用権は角川春樹事務所に帰属し、作品は角川春樹事務所より刊行されます」とある。
女による女のためのR-18文学賞:性自認が女性! 今やプロの登竜門
第11回から官能小説をやめ、書き手の感性を生かした小説を募集。応募資格は性自認が女性の人。山内マリコ、窪美澄、彩瀬まる、町田そのこなどの有名作家が輩出。出版化については、規定枚数が400字詰原稿用紙換算30~50枚だから、このままでは単行本にならないが、「受賞作は新潮社から出版されるチャンスがあります」となっている。確約ではないが、短編集や単行本を出版するOBもいる。 宮島未奈も受賞作は「ありがとう西武大津店」であり、これを収録した単行本『成瀬は天下を取りにいく』は2024年度の本屋大賞を受賞した。
ハヤカワSFコンテスト:SF作家になりたければここ!
日本では唯一といっていいSFのコンテスト。応募要項には「中篇から長篇までを対象とし、長さにかかわらずもっとも優れた作品に大賞を与え、受賞作品は、日本国内では小社より単行本及び電子書籍で刊行するとともに、英語、中国語に翻訳し、世界へ向けた電子配信をします」とある。さらに出版化については「大賞は、長篇の場合は小社より単行本として刊行、中篇の場合はSFマガジンに掲載したのち、他の作品も加えて単行本として刊行する」と書かれている。
他にもまだまだたくさんあります!
ミステリーやライト文芸からデビュー目指す方はこちらをご覧ください!