トラブル中に嫌な予感を感じた場合は、放置せずに対応すべし(『春秋左氏伝』荘公二十年)
今回取り上げるのは『春秋左氏伝』荘公二十年からの言葉。
災難に直面しているときに心配事を忘れてしまうと、その心配事は必ず後で禍いとなってやってくる、という意味。
つまり、トラブルの最中に感じた不安をそのままにしておくと、後で別のトラブルとして表面化してしまう、ということですね。
仕事でもプライベートでもそうですが、トラブルが起こると人は大なり小なり焦ってしまいます。
そもそもトラブル自体が嫌なものですし、急いで対処しないと被害が拡大してしまうかもしれないからです。
そのため、少しでも早く解決しようと頑張るのですが、そういうときに限って嫌な直感のようなものが働くことがあります。
「あれ?これってそのままで大丈夫かな・・・」
「もしかして別のところにも影響してくるんじゃ・・・」
「念の為、○○についても確認しておいたほうがいいかも・・・」
こういった感じの「不安の種」みたいなものです。
しかし、トラブルに見舞われているとそれだけでいっぱいいっぱいになってしまい、何となく見なかったことにしてしまうことはないでしょうか?
私は仕事でそういった経験があります。
自分が開発した機能で不具合が発生したときのことです。
修正中に何となく嫌な予感がした箇所があったのですが、焦りと不安から目の前の不具合修正で手一杯になってしまい、そのまま修正版をリリースしてしまいました。
「きっと大丈夫だろう」と油断していたんですね・・・。
その結果、最初のトラブルは直ったものの、今度は別の箇所で不具合が発生してしまったのです。
「あのときにきちんと確認して修正しておけば良かった」
そう後悔しても後の祭り。
周囲に平謝りしつつ、残業して夜中にもう一度修正版をリリースした、という苦い思い出です。
それ以来、トラブル中に何か別の不安を感じた場合は必ず確認するようにしています。
「きっと大丈夫」という油断は禁物だと学んだからです。
トラブルの最中に別件の確認をするのは大変なのですが、その一手間をかけるだけで二次被害を大幅に削減できるようになったと感じています。
「急がば回れ」とは、このことなのかもしれませんね。
トラブル中に感じた不安を放置しておくと、あとで別のトラブルになってしまいます。
今直面しているトラブルだけでも大変なのに、他の不安にも対応するなんてできないよ、と思うかもしれませんが、その一手間が未来の自分を救うことになるのです。
焦っているときだからこそ、落ち着いて冷静に不安を潰していきましょう。
私も改めて意識しなおそうと思います。