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想いを伝えるとき、言葉は千金の価値を持つ(李白『寄遠』其十)

今回取り上げるのは李白の『寄遠』其十からの言葉。

相思千万里、一書千金に直たる
(読み:ソウシセンバンリ、イッショセンキンにアたる)

李白『寄遠』其十

思い人は遥か遠くの地。私の思いを届けようとするこの一通の手紙は、千金にも値する大切なものなのだ、という意味。

西域に出征している夫に宛てて送る妻の手紙を詠っています。

今は指先一つで世界中の人とリアルタイムで繋がることができますが、当時は違います。

送った手紙がそもそも届くのか、相手は今も無事なのか、それすらわからない時代です。

最愛の人の無事を一心に祈る、送り手の切ない気持ちがよく伝わってきます。

私たちはネットで気軽にメッセージをやり取りできますが、その結果、言葉に思いを載せる機会が減ったように感じます。

メールでもつぶやきでも、言葉の一つ一つをもっと大事にしてみても良いかもしれません。

相思千万里、一書千金に直たる
(読み:ソウシセンバンリ、イッショセンキンにアたる)

李白『寄遠』其十

遥か遠くの地にいる大切な人に送る手紙は、何物にも変え難い特別な価値があります。

最近はめっきり書く機会も減りましたが、たまには手紙や葉書を書いてみたり、普段連絡をとっていない人にメールを送ってみたりしてみようかなと思います。


あなたの言葉は誰に届けますか?


中国古典が初めてという方には、分かりやすい現代語訳・原文・解説で楽しく読める「ビギナーズ・クラシックス」シリーズがおすすめです。


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凪平コウ@古典・歴史愛好家
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