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V・ファーレン長崎 補強診断〜チーム別補強診断#37〜

こんにちは。
J2リーグは、すでにレギュラーシーズンの全日程を終了しました。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第36回となる今回は、V・ファーレン長崎編です。
なお、すべての情報は11月4日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフのV・ファーレン長崎の補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#38 ~V・ファーレン長崎~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
 カイケ ←パルメイラスU20(完全移籍)
 菊地脩太 ←清水エスパルス(期限付き移籍)
 クレイソン ←アリ・ファイサリーFC(完全移籍)

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J2リーグ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①原田岳(←横浜Fマリノス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 プロ入りしたのは、横浜Fマリノスですが、マリノスでも期限付き移籍先の相模原でも安定した出場機会を掴むことはできず、昨季より継続して長崎でプレーしています。
 あまり、多くの試合に出場してきたわけではないので、貴重なバックアッパーとしての意味合いでしょう。

考察

 開幕よりセカンドGKとして多くの試合にベンチ入りしました。天皇杯などで出場機会を得ていると、8月の琉球戦で、チャンスを得ます。しかし、そこで3失点を喫してしまうと、その後は全試合でベンチ外と序列が低下しました。

評価

評価は『B』としました。
 元々、多くの出場機会を掴むための獲得ではなかったということもあり、現状の成績であっても評価はBにしました。

②浅沼優瑠(←カマタマーレ讃岐)

試合スタッツ

・Jリーグ

ベンチ入りなし

・天皇杯

ベンチ入りなし

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 YSCC横浜でもカマタマーレ讃岐でもいずれも契約満了による退団でしたので、長崎への加入を言い方は悪いですが、「数合わせ的」側面が大きいでしょう。

考察

 当初の想定通り、ベンチ入りはありません。一年での退団もあり得そうです。

評価

評価は『C』としました。
 試合への関わり方は、当初の想定通りですが、プロである以上、もう少し関わってほしいとも思います。

③笠原昂史(←大宮アルディージャ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 大宮からレンタルで加入した笠原選手ですが、大宮でも一時はレギュラーであったなど、J2で200試合近い出場数を誇っている選手で経験値はあります。
 経験もある選手ですので、控えに甘んじるのではなく、積極的にレギュラー争いに関与することが求められているでしょう。

考察

 シーズンを通じて、レギュラー、ベンチ入り、ベンチ外の全てを経験しました。
 終盤戦はレギュラーに定着しましたが、それまでは争いに敗れベンチ外となることが多く、当初の期待値は下回っているでしょう。

評価

評価は『C』としました。
 経験値豊富な選手であることを踏まえても、もう少し試合に絡んで欲しかったというのが本音でしょう。

④村松航太(←ギラヴァンツ北九州)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季は、ギラヴァンツ北九州でプレーしており、守備の要として多くの試合に出場しました。個人残留が噂された中で、J1復帰を目指す長崎が獲得しました。
 フレイレ選手や新里選手などセンターバックの選手が複数名退団したということも獲得の要因の一つでしょう。

考察

 開幕からセンターバックとしてレギュラーを掴むと、サイドバックなどでもプレーしました。
 しかしながら、終盤戦はスタメン出場の機会を失うと、ベンチ入りできない試合も増えており、序列の低下が見て取れます

評価

評価は『C』としました。
 前半戦は非常によい成績でしたが、後半戦になるにつれ序列が低下しておりC評価にしました。

⑤奥井諒(←清水エスパルス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 J1の清水エスパルスより加入した攻撃的なサイドバックです。昨季は、半分程度の出場に留まっており、主力に慣れていなかったということもあり、J2の長崎へ移籍しました。
 同じく、攻撃的なサイドバックである毎熊選手が退団していることもあり、タイプを見てもその後釜というのが自然でしょう。

考察

 前半戦は、レギュラーとして試合に出場していましたが、アシストなどを記録できずにいると、徐々に出場機会を失ってきました。
 J1でも普通に試合に絡んでいたということを考えると、決して期待値通りとは言えないでしょう。

評価

評価は『C』としました。
 J1でも試合に絡んでいた中での移籍でしたが、後半戦になるにつれ試合出場が少なくなっており、期待値を下回っているでしょう。

⑥高橋峻希(←柏レイソル)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 本職はサイドバックの選手ですが、柏レイソルでは3バックシステムを採用しているため、ウイングバックとなってしまい、なかなかポジションを掴めずにいました。
 獲得理由としては先ほどの奥井選手と違いと言えるでしょう。

考察

 開幕スタメンを勝ち取ったものの、その後はベンチやベンチ外となる試合が多く、満足のいく試合数に絡めたわけではありません。
 終盤戦になるにつれ、試合に絡めるようにはなりましたが、期待された活躍とは言えないでしょう。

評価

評価は『C』としました。
 J1でも試合に絡んでいた中での移籍でしたが、後半戦になるにつれ試合出場が少なくなっており、期待値を下回っているでしょう。

⑦櫛引一紀(←大宮アルディージャ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 笠原選手と同じく、大宮アルディージャから加入した選手で、昨季の前半戦は不動のレギュラーであったものの、後半戦になるにつれ、出場機会を失ってしまいました。
 今季より、センターバックが多く退団した長崎へ活躍の場を移しました。村松選手などと共に主力争いに絡むことが期待されているでしょう。

考察

 加入直後はベンチ外が続くなど、出場機会を得ることはできませんでしたが、昨季と対照的に後半戦になるにつれ出場機会を伸ばしました。
 結局、19試合にスタメン出場するなど、一定の活躍はしたと言えます。

評価

評価は『B』としました。
 前半戦は厳しい展開でしたが、後半戦になるにつれ出場機会を伸ばしており、総じて見れば及第点と言える活躍でしょう。

⑧カイケ(←パルメイラスU20)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 パルメイラスU20より加入したとなっていますが、正確には1月に退団して以降は、無所属の状態でしたのでフリーでの獲得です。
 しかし、ブラジルの名門クラブの下部組織にいた大型センターバックであることは間違いなく、若い選手ですので未来への先行投資とも言えそうです。

考察

 加入後、天皇杯やリーグ戦3試合には出場しましたが、その後はベンチ外がつづくなど厳しいシーズンを過ごしました。
 最終節で、7分プレーしましたが、ほとんどの試合に絡めておらず、厳しいと言わざるを得ません

評価

評価は『D』としました。
 非常に若い選手であるものの、期待値はある程度あった中で、ここまで試合に絡めていないというのは想定外と言えるでしょう。

⑨菊地脩太(←清水エスパルス)

試合スタッツ

・Jリーグ

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 夏の移籍市場で清水より加入しました。
 大型のセンターバックで、清水ではなかなか試合に絡めていませんでしたが、出場機会を求めて移籍したでしょう。

考察

 加入後、2回の先発機会を得ました。
 清水在籍時よりは活躍しているものの、もう少し試合に絡みたかったでしょう。

評価

評価は『C』としました。
 途中加入ですが、出場は2試合のみ、メンバー入りも3試合のみということでもう少し試合に絡みたかったでしょう。

⑩安部大晴(←Vファーレン長崎U18)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 今年、下部組織から昇格した選手で、左サイドのスペシャリストです。1年目から主力ということは難しいと思いますが、将来的に主力になるポテンシャルを秘めている選手です。

考察

 なかなか、プロ入り後は試合に絡めない日々が続きましたが、リーグ戦1試合、天皇杯では2試合で1得点と1アシストと結果も残しました。
 結果を残した後に、離脱してしまったということもありましたが、それでも一定の結果は残したと言えるでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 試合数こそ多くないものの、高卒一年目で得点とアシストを記録しており、及第点と考えました。

⑪笠柳翼(←前橋育英高校)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 高校サッカーの名門、前橋育英高校より加入した選手で、高校世代屈指のドリブラーでした。
 個人で相手を剥がせる選手というのは貴重で、初めはスーパーサブとしての起用が多いとは思いますが、数年後に主力になることが期待されての加入でしょう。

考察

 加入後、チャンスを掴みましたが、その後は骨折で長期離脱をすると、最終戦まで出番はありませんでした。

評価

評価は『C』としました。
 高卒ルーキーでした。離脱もあり、出場機会を増やせなかったことに加え、結果を出すこともできず、悔しいシーズンであったと言えるでしょう。

⑫クリスティアーノ(←柏レイソル)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 柏レイソルで長く活躍してきた選手でしたが、昨季は出場機会を大きく減らし、出場機会を求めて長崎へ移籍しました。
 亀川選手(現:横浜FC)や高橋選手など柏と長崎の移籍は結構盛んであり、また、攻撃陣に強力な「個」を揃えたがる長崎にとって最適なFWであったと言えるでしょう。

考察

 加入直後、前半戦は主力として期待された活躍を見せました。しかし、得点を決めはするものの、量産できていなかったです。すると、後半戦になるにつれ、また、カリーレ監督の就任と共にスーパーサブとしての起用に変わってきました。

評価

評価は『C』としました。
 得点数が6と期待された通りかと言えば難しいところです。そのため、期待値を若干下回ると考え、『C』としました。

⑬奥田晃也(←水戸ホーリーホック)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 YSCCから移籍した水戸では絶対的な選手になるまでに成長し、75試合に出場し10得点10アシストを記録しており、J2でも屈指の攻撃的な選手になりました。
 移籍した長崎では、主力として、最低でも準主力程度の活躍が期待されていると言えますし、名倉選手の穴を埋める活躍が期待されているところでしょう。

考察

 加入後は、多くの試合に絡んでいるもののスタメン出場の機会は少ないです。後半戦になると、多くの試合でベンチ外となっており、厳しいシーズンを過ごしたと言えるでしょう。

評価

評価は『C』としました。
 前半戦は、準主力程度の活躍と言えましたが、後半戦はベンチ外が多くなっており、C評価にしました。

⑭クレイソン(←アリ・ファイサリーFC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 サウジアラビアのチームから夏に獲得した選手で、主に左ウイングとして主力として活躍していました。
 年齢的にも27歳とちょうどピークの年齢ですし、ドリブルに定評のある選手で、奥田選手があまり機能しなかったことも踏まえての獲得でしょう。

考察

 左ウイングではなく、中央でのプレー機会が多くなりました。
 そもそも、ワイドに貼る選手というよりは、ボールを持って中に入っていくプレーが特徴の選手ですので、その特性も踏まえてということだと思いますが、いずれにせよ多くの試合に出場しました

評価

評価は『A』としました。
 加入直後より、多くの試合に出場し、10試合程度で3得点を記録するなど一定程度の結果も残しましたので、A評価にしました。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

原田岳 B
浅沼優瑠 C
笠原昂史
 C
村松航太 C
奥井諒 C
高橋峻希 C
櫛引一紀 B
カイケ D
菊地脩太 C
安部大晴 B
笠柳翼 C
クリスティアーノ C
奥田晃也 C
クレイソン A

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「C」としました。
 多くの選手を獲得しましたが、どの選手も微妙に期待値以下という選手が多かった印象です。そのため、C評価にしました。

最後に

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