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クラブ別戦力評価#26 ザスパクサツ群馬

記事編集日:2023年2月12日

みなさん、こんにちは。
2023シーズン開幕に先立ちまして、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、ついにJリーグも開幕しました。
「クラブ別戦力評価」の第26回は、ザスパクサツ群馬編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。

移籍市場

ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。

<考察>

 全体を通して加入より放出・退団が多くなるオフシーズンになりました。

 多くの出場機会を掴んでいたという観点では、サイドバックの小島選手が金沢へ。サイドハーフの田中選手が山口へ。FWの加藤選手も金沢へと移籍しました。
 他にも、鈴木選手や高木選手など出場機会を掴んでいたものの期限付き移籍で加入していたという選手も複数人退団しており、多くのメンバーの入れ替えが起きました。

 サイドバックには、大卒ルーキーの菊地選手、サイドハーフには北九州からサイドハーフでもプレー可能な佐藤選手。FWには、秋田より武選手を獲得しています。
 が、全体を通して放出選手に勝るほどの戦力の確保ができたかといえばそうではなく、現有戦力の成長に期待する部分が非常に多くなってきているような印象です。

 また、センターバックは藤井選手が現役引退を決断したものの、熊本より酒井選手、横浜FCより中塩選手を獲得しており、唯一戦力UPに成功したポジションということができるかもしれません。

評価

GK

最初にGKです。

 昨季は三番手・四番手であった伊藤選手が所属元のヴィッセル神戸へ復帰したのち、今治へ移籍しており退団しました。
 今期に向けては、浦和レッズより石井選手をフリーで獲得しています。

 石井選手はYSCC横浜でプレーするなどなかなか浦和でのプレー機会は確保できていませんでしたが、昨季はYSCCで14試合に出場するなど徐々に出場機会を伸ばしてきており、三番手候補としては十分な実力と言えます。

 守護神であった櫛引選手。二番手でありムードメーカーでもある山田選手が引き続き残留しているGKは昨季と比べて戦力が落ちたことにはならないでしょう。
 一方で、昨季の失点数57は飛び抜けている数字ではないものの平均よりは悪い数字となっておりますが、失点=GKの責任とは一概に言い切れないため、評価としては平均値の『B』としました。

DF

次にDFです。

 センターバックに関しては、昨季の主力であった畑尾選手と城和選手がそろって残留しております。
 藤井選手こそ現役引退を決断しましたが、Jリーグでの実績もある酒井選手を熊本から、中塩選手を横浜FCからそれぞれ完全移籍で獲得しており、戦力値をみても昨季よりUPしているポジションということができそうです。

 この4人であれば、誰が出ても実力を発揮できる選手たちで、CBの人数が多いことからも3バックをオプションとしてかんがえている可能性もありそうです。

 一方で、課題が多いのはサイドバックです。
 左右両方のサイドバックで多くの出場機会を掴んでいた小島選手が金沢への移籍を決断し、退団しました。
 一方で、それに代わる補強というのは専修大学より加入した菊地選手のみで、主力選手が退団しているとは思えない動向でした。
 
 菊地選手は、U17日本代表選出経験もある左利きの左サイドバックということで、期待値も高まる選手であることは間違い無いですが、右サイドバックに関しては、センターバックでの出場機会もあった川上選手とプロ二年目の岡本選手ということで不安が残ります。
 新加入で右サイドでのプレーが可能な川上エドオジョン選手をサイドバックにコンバートする可能性もなきにしもあらずですが、現実的ではなく、戦力値・選手層両面で課題が残るポジションになっています。

 前述したように、失点数57というのは決して爆発的に悪い数字では無いものの、上位に行くためには厳しい数字で、そこからの大幅な戦力UPが望めていない現状は低い評価とせざるを得ず、評価は『D』としました。

MF

次にMFです。

 ボランチに関しては、絶対的な主力であった岩上選手が残留したことに加え、細貝選手、風間選手といった出場機会を掴んでいた選手も揃って残留しており、戦力の維持は量れています
 他にも、内田選手、奥村選手に加え枚方から復帰した中田選手もいることを踏まえても、ボランチのポジションは選手層に関しては問題ないでしょう。
 一方で、新たな主力級の補強はなく、そういう面では実力に関してのUPは期待できません。

 サイドハーフに関しては、右の田中選手、左の高木選手が揃ってたいだんしております。
 左サイドに関しては新たな選手の獲得はなく、現所属選手のうちで最も出場機会の多かった天笠選手を中心にポジション争いが繰り広げられそうですが、課題は多そうです。
 関東学院大学より加入した岩元選手はスピードが武器の選手で、一芸に秀でているというところで、プロの強度になれることができれば主力になる可能性もありそうです。

 右サイドハーフは、徳島より加入した川上エドオジョン選手や、北九州から加入した佐藤選手がプレー可能です。
 一方で、2選手ともJ2でのプレー経験が豊富なわけではなく、課題は残ります。
 昨季からの残留メンバーですと長倉選手と田部井選手がいることになります。

 評価としては、全体を通してわずかながら戦力ダウンに近い陣容であると考え、評価を『D』としました。

FW

次にFWです。

 FWとして最も多くの出場機会を掴んでいた加藤選手が退団しています。
 一方で、結果も残していた平松選手は残留しています。

 期限付き移籍で加入した川本選手と武選手に関しては、主力であった選手が退団していることを踏まえても、多くの出場機会を掴むことを期待されているでしょうし、結果という面でも期待したいです。

 昨季の得点数36は栃木の32についですくなく、そういうチームでありながらあらたな「エース候補」の獲得はできておらず、昨季までの課題を解決できたかと言えばそうでは無い印象を受けます。
 よって、評価は最低値の『E』としました。

その他

最後に「その他」です。

 浦和レッズを率いていた大槻監督を招聘して挑んだ2022シーズン。今季も継続して指揮を取ります。

 メンバーの多くが残留というのが理想でしたが、多くの主力選手が移籍することになってしまった今期に関しては、戦術の再構築が必要かもしれません。
 しかし、戦術浸透の過程で特に大事なセンターラインに関しては、CBとボランチにおいてはメンバーの主力の入れ替えがなくそこはポジティブな印象です。

 一方で、昨年からの継続的な課題が解決されているかと言えばそうではなく、評価は『C』としました。

フォーメーション

フォーメーションは、昨年に引き続き4-4-2を予想しています。

 GKに関しては、昨年の一番手、二番手が共に残留しており主な起用法は変更が無いと考え、昨季の守護神であった櫛引選手を予想しています。
 一方で、加入した石井選手は浦和ユーズ時代に大槻監督と共闘していることもあるため、戦術理解度によっては一気に台頭するかもしれません。

 センターバックは、昨季多くの出場機会を掴んでいた畑尾選手と城和選手が共に残留しております。加入した酒井選手、中塩選手も共に実績のある選手ですが、戦術理解度などをみても昨季と同じ構成を予想しました。
 一方で、この4人であれば誰がでてもおかしく無いメンバーではあります。

 サイドバックに関しては、昨季最も多くの試合に出場していた小島選手が移籍しており、新たな起用を考えなくてはなりません
 右に関しては、ルーキーでありながら出場機会を掴んだ岡本選手が一番手になりそうです。サブの川上選手は昨季に関してはセンターバックでのプレー機会もありましたが、メンバー構成的にも右サイドバック起用がメインになるのでは無いでしょうか。
 
 左に関しては、U17日本代表経験もある大卒ルーキーの菊地選手と山中選手、高橋選手の争いになりそうです。
 昨季途中から群馬の練習に参加していることを踏まえても、菊地選手が他の選手にリードを取られているとは考えにくく、いきなり主力と予想しています。

 ボランチは、昨季も絶対的な主力であった岩上選手が軸になりそう。
 キャプテンにも任命された細貝選手をスタメン予想していますが、風間選手も同じくらい出場機会を掴んでいた選手であり、どちらが起用されてもおかしくありません
 他にも、内田選手、奥村選手に加え、中田選手も復帰しており層が厚いポジションとなっています。

 いずれも主力が退団したサイドハーフは、右に佐藤選手、左に天笠選手を予想しています。
 佐藤選手は、最前線が本職ながら右ウイングとしてのプレー経験も豊富であり、ポジション的にもサイドハーフの選手が少ないことからもサイドハーフ想定の可能性もありそうです。
 くわえて、新加入の川上エドオジョン選手も右サイドハーフ想定だと思われます。
 
 左サイドハーフに関しては、スピードスターの大卒ルーキー岩元選手と天笠選手の一騎打ちになりそうです。
 岩元選手は抜群のスピードが持ち味であり、一芸に秀でているだけにプロのレベルになれることさえできてしまえば、いきなり主力となっても不思議ではありません。

 最後にFWです。
 加藤選手が退団している中、昨季も多くの出場機会を掴んだ平松選手の主力は堅そうで、相方は共に期限付き移籍加入中の武選手と川本選手の争いになりそうです。実績面を考え、武選手を入れていますが、どちらが起用されても不思議ではありません

まとめ

これまでの評価をまとめます。

目標

 現実的な目標は、「J2残留」になるでしょう。
 退団に対し、獲得選手が少ないこと。主力の退団に対し、主力級の獲得が少ないこと。これらを踏まえると、厳しいシーズンになりそうな予感がします。
 まずは、「残留」を確定させることが目標になりそうな戦力と言えそうです。

最後に

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