拝啓 中学受験生へ。
こんにちは。
今日は、一応現役塾講師である自分がこの時期に中学受験生へ伝えたいことを書いていきたいと思います。
伝えたいこと。
伝えたいことは大きく分けて3つあります。
それぞれに分けて伝えていきたいと思います。
①冬休みの過ごし方
おそらく、多くの小学校で終業式が行われ、冬休みに入ったくらいであると思います。
「冬休み」といいつつも、受験生にとっては全く「休み」ではありません。
小学校がない(多くの子供は1月の小学校は休みますが。。)期間である為、朝から夜まで塾などの時間を除けば自分の好きな勉強を好きなだけ行える受験前最後の期間です。
1月になれば、2月の首都圏入試に向けて1月受験校の受験がいよいよ本格的にスタートしてきますので、まとまった勉強時間というのはどうしても取りにくくなってしまいます。
その為、苦手分野を克服する最後のチャンスと言えるのが冬休み期間です。
1月に苦手分野が残った状態で迎えたとします。
1月受験は待ってくれずにどんどんきてしまいますので、苦手分野まで手が回らない状態で、2月を迎えてしまうことになります。
多くの大手塾では基本のポイントを振り返るような教材を出版しています。そして、多くの受験生はそれを持っている状態であると思います。
そのような教材の具体例は以下のようなものです。
上記のような教材は、社会理科のポイントがよくまとまっている教材になります。
いわゆる、中堅校までの社会理科の基本的な問題に関しては、これらの教材でカバーできる場合が非常に多いのでこれらの教材を冬休み期間に1周とは言わず、何度も行うことをお勧めします。
また、これらは1ページの分量がそこまで多いわけでもないですので、1日3ページ〜5ページなどやる範囲を決めてあげると取り組みやすくなるのではないでしょうか。
国語の漢字や算数の計算などどの中学校を受験するにせよ間違えたくはない問題に関しては、普段が取り組まれている教科書で良いと思いますので、漢字や計算のおさらいは行っておきましょう。
「日々の反復演習をこの時期でもやるのか」と思われる方もいるかもしれませんが、日々の演習をサボると本番に痛い目をみるかもしれませんよ。
加えて、苦手分野に関しては過去問演習以外にも、分野別演習を行うことが好ましいです。
教科書の対応部分でも良いですし、コアプラスやメモリーチェックのような教材でもいいのですが、演習→復習という形で重点的に鍛えていきましょう。
また、間違えた問題に関しては、「なぜ」間違えたのかをしっかりと分析しましょう。
最近の入試の傾向として長文の問題文を読ませる傾向がありますので、単純な「知識不足」というより「問題文が読めていない」ということが誤答の原因である場合もあります。
しっかりと、その原因に対して正確にアプローチをしていきましょう。
受験直前期となるこの時期の勉強のメインは、穴があればその都度潰していくというスタンスになります。
塾に通塾されている方は、「冬期講習」もあると思いますが、これらの復習もサボらないようにしましょう。
毎日の復習をすることで、授業での学習以外でも反復学習する習慣が生まれますので、より知識の定着が図りやすくなります。
ただ、一番注意してほしいのは「体調面」です。
「よし、直前期だ。がんばろう!」
という強い気持ちで頑張ることで、睡眠時間の減少や体調不良を起こしやすい時期であることも事実です。今日のような状況では、インフルエンザのみならず、新型コロナウイルスも猛威を奮っていますので、その他感染症にも注意しつつ、勉強に取り組んでくださいね。
②当日準備
次に、当日へ向けた準備です。
まず、お母さん、お父さんと一緒に自分の受験スケジュールを今一度確認しておきましょう。
地方校であれば、学校とは別の場所が受験会場であること。午前受験と午後受験など様々な情報を総浚いしていきましょう。
そして、くれぐれも受験票はなくさないようにしましょう。これまでの努力が一瞬で水の泡になりかねません。
多くの学校で多い午前受験の場合に焦点をしぼって書きますね。
例えば、受験会場に9時集合だとします。
家の場所にもよるので一概には言えませんが、理想は3時間前。最低でも2時間前に起きるようにしましょう。
脳科学者によれば、脳が一番活発に動くのは起床後4時間だそうです。そうなると、特に得点配分が大きい国語算数をその時間に当てることがベストになります。
しっかりと、「朝型」に切り替えて、早寝早起きの徹底しましょう。
また、毎日の計算や漢字を朝に行うことで、脳が目覚めるまでの時間がより「はやくなるので、これを習慣づけておくことが鍵ですよ。
「受験の時だけ起きればいいんでしょ」
こう、思っている人もいるかもしれません。
しかし、人間そんなうまくできていませんので、普段できていないことをやろうとしてもできません。むしろ、リズムが狂って悪影響です。だったら、今のうちから習慣づけておくことを強く強くお勧めします。
③気持ちの持ちよう
最後は、「気持ちの持ちよう」です。
多くの受験生は4年生や5年生の時から数年間にわたっていきたい学校に行くための勉強を行っています。
いわば、長期的な片思いの状態です。
そして、入試結果がいわば、ラブレターの返答。
『合格』と言われれば、その大きな恋は成就しましたし、『不合格』と言われればその想いは届かぬ想いであったということです。
このように書くと、中学受験というものが非常に大きなものに見えると思います。しかし、こんなことを書くと興醒めするかもしれませんが、「所詮、中学です」
正直、人生に最も関わってくる学校は大学です。
いい中学校に行ったとしても、仮に大学に行かなければその人は「高卒」ですし、公立中学校から大学に行ったとすればその人は「大卒」で、前者よりも後者の方が社会的評価は高くなります。
でも、みなさんは受験しようとします。
別に、中学受験を否定したいわけではありませんが、所詮その程度の意味しか成していないのが中学受験です。気楽に臨めばいいと思います。
盛大な片想いのラブストーリーの展開が、バッドエンドかハッピーエンドかの違いだけです。
(まあ、どの中学にいっても楽しいとは思います)
だからこそ、自分がよく生徒に言う言葉があります。
この言葉です。
中学受験に限らず、受験は全てイベントというようにしています。
しかし、中学受験のイベントは特に特別です。
大学受験とは異なり「浪人」という仕組みがないため、「中学受験」というイベントのチケットは小学校6年生の一度きりしか手に入らなければ、使えないものです。
人生一度きり。たった一度のイベントを楽しまなくてどうする。というのが持論です。
まあ、そんなことをいいつつも多くの子が受験を楽しめないのが事実です。
だったら、1月末日(受験前日)までに自分ができる最大限のことをやればいいと思います。
もう間に合わないかもしれません。しかし、まだ間に合うかもしれません。
1%でも可能性があるなら、それにかけてみればいいじゃないかと思うのです。
自分の盛大なラブストーリーをハッピーエンドに書き換えるチャンスがまだあるはずです。そのための、努力を惜しんでいるようでは受験に受かるわけはありません。だって、周りの同じ子(=学校)に片想いしている人はそれ相応の努力をしているのだから。
まずは、「やれるだけやってみる」
その結果が、どのような結果であったとしても一つの目標に向けて必死に頑張ったという事実は嘘をつきません。
せっかく、意中の学校があるのならば、そこに向けて必死に頑張るだけ。そうすれば、受験時にあなたの心は自信に溢れているでしょう。
なんなら、若干、気持ちの余裕が生まれるかもしれません。それが、「受験を楽しむ」という一見すると気狂いのような発想をするための必要条件です。
せっかくのイベントなら、楽しみませんか。
最後に
偉そうなことを延々と書きましたが、一人の中学受験経験者かつ中学受験講師という立場で書かせていただきました。
中学受験の時の忘れ物をとりにかえることは一生できません。
それは、一生に一度しかない受験だからです。
最後の1日まで、目標に向けて全力で頑張る皆さんの受験がうまく行くことを心より祈念いたします。