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ハグをしよう、心を傷つける前に。~児童虐待防止推進月間に伝えたいこと①~
※11月は児童虐待への理解を深め未然に防ぐための児童虐待防止推進キャンペーンが全国で行われています。私のnoteでは、自分の経験談から今伝えたいことをいくつか書いていこうと思います。
子どもの頃、親やおじいちゃんおばあちゃんにギュッと抱きしめてもらった記憶はあるでしょうか。
私には残念ながらそんな記憶はほとんどありません。
むしろ一番記憶に残っているのが、ハグをしようとしたら「やめろ!気持ち悪いんだよ。」とビンタをくらったことです。
小学校に入学してすぐの頃、通学バスのバス停まで母が迎えに来てくれたことが嬉しくて、途中まで一緒に帰っていた友だちとバイバイし、その後に寄った誰もいない公園で、母に向かって「ワーッ!」と手を広げながら駆け寄った私に対して放たれた、ビンタと暴言。
驚きと悲しみの感情で涙目になりながらも、ここで泣き叫びでもしたら置いてかれるんじゃないかという恐怖で、ただただ感情を押し殺して後ろをついて行くことしかできませんでした。
この出来事のせいで、「私がハグを求めることは気持ちの悪いこと」と歪んだ考えが私の中に刻まれてしまいます。
私はいわゆる機能不全家族で育ち、母からネグレクト(養育放棄)や心理的虐待(無視や言葉の暴力など)を受けて育ちました。
この【ハグ拒否事件】はその始まりの頃の話で、中学3年生のちょうど今ごろ、母と別々に暮らすことになるまで、私が交通事故で救急車で運ばれようが、熱を出してうなされてようが、抱きしめてもらうことはなかったし、私から抱きつくことなんて出来ませんでした。
大人になり、特にここ数年の間に仲良くなったお友だちは、愛と優しさに溢れた人たちばっかりで、「やっと会えたね!」のハグや、「また会おうね!」のハグをしてくれます。
ハグじゃなくても、手を握ってくれたり、ハイタッチしたり…とにかく手や腕を通してたくさんの愛を伝えてくれます。
自分より幼いお友だちが私とのハグを喜んでいたよ!と教えてもらって、私も愛を伝えられていたのかな、と凄く嬉しく思ったこともありました。
「私がハグを求めるのは気持ちの悪いこと」という心の奥底に刺さったまんまだったトゲが、35歳を過ぎてようやく消えていくのを、今じわじわと感じています。
私はこれだけ時間をかけて傷を癒しているけれど、そもそもそんな悲しい傷を子どもたちに負わせたくない…私はそう思っています。
今、幼いお子さんや姪っ子・甥っ子さん、お孫さんが近くにいたら、ギュッと抱きしめてあげてほしい。
わんぱくなお子さん相手に怒鳴ってしまっても、眠る前にはハグしたり頭を撫でてあげて、ホッとした状態で夢を見させてあげてほしい。
もし、自分自身がいっぱいいっぱいでしんどくなってしまったら、「自分、頑張ってる。」って、まずは自分をギュッと抱きしめることも忘れずに。大人だっていっぱい頑張っているから。
「愛され方を知らない子どもたちが少しでも減りますように。」
…子どものいない私だけれども、
かつて子どもだった私からの、心からの願いです。
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