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損をしたくないという思考が大きな魚を逃がす、と気づいた話。(仕事編)
マンションコンシェルジュをしていた頃、自分の浅はかさに気付いて、顔が真っ赤になるほど恥ずかしいと思ったことがあります。
必需品をケチった結果
私は当時、管理コンシェルジュとして勤務しており、居室内の不具合などで入室の必要があったり、館内巡回や空室チェックで歩き回ったりする必要がありました。
制服は貸与していただいており、靴は黒のパンプスと決まっていました。
一足目を履き潰した時、私は少々ケチって、二足目には安めの靴を買いました。
するとその靴は、履き心地が悪いうえ、サイズがしっかり合っていなかったため、急ぎ足で歩くと半分抜けてカッポカッポと音がします。
私は、しまった、履きづらいとは思いつつ、恥ずかしながら、歩けるし良いか、買っちゃったし、と思っていました。
ある時、音を立てて歩く私を見て、ある入居者さんが「あら、あら」と仰いました。
プロ意識の目覚め
その瞬間、私はすごく恥ずかしくなりました。
歩きづらく迅速に動けないということは、サービス低下に繋がるということがまず一つ。
それもありますが、そんな変な恰好で、場にそぐわない音を立てて歩くことで、その物件の価値を酷く下げるということに気付いた時、これは本当にダメだと思いました。
そのマンションは全体的に客層も素晴らしく、非常に美しい建物でした。
こんなところで働かせていただけるなんて、と最初は信じられなかった私でしたが、当時はまだ、“建物や設備に加えての付加価値”について考え至っていませんでした。
日々一生懸命働くうちに、“平穏な静けさ、落ち着いた空気が漂う空間”、“気持ち良く頼めてフレンドリーなコンシェルジュ”などが、その入居者さん達が暗に求めてらっしゃる付加価値なんだと思うようになりました。
自分軸の確立
“仕事で使うものだし安く済ませよう”という“損したくない”思考が、これから学べる大切なことを損なってしまうと感じ、その日から靴も行動も変えました。
せっかくこんな豪華な空間で働かせてもらえる機会に恵まれたのだから、“この場の価値にふさわしい人間になりたい”と心を新たにしました。
こういうマインドで働く私と、仕事を最小限にしたい勢の同僚とでは当然差が開いてきて、事ある毎に対立することになりました。
入居者さんや業者さん、オーナー企業側から評価されるようになると、上司にすら「女は良いよねぇ」と、嫌味を言われることもありました。
自分が和を乱しているのかという迷いもありましたが、入居者さんの自分への支持を見るうちに、やはり私はこの道で行くと決め、最後まで走り切りました。
住んでいた訳ではありませんが、今も働いた日々を懐かしく思い出す物件です。
その度に、本当にたくさんのことを学ばせていただいたと感謝の気持ちで一杯になります。
どうか入居者の皆さんに健康で幸せでいてほしい、と今でも祈る私です。
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