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ヒトはなぜ言葉を話せるのか ①二足歩行


今回は
「日常で使えるのか?」という話題ですが
これは雑談のネタとして
知っていたら
ちょっと自慢できるかもしれないです。

「ヒトはなぜ言葉を話せるのか」ということを
噛み砕いてお話してみたいと思います。
このテーマは、2回に分けてお伝えしますね。

言葉とは何でしょう?


私は言語聴覚学科という学科に
大学受験をしたんですけれども

「人間にとって、言葉とは何でしょう」

と、面接官に質問をされました。
当時すごく緊張してたんですけど
その質問だけはよく覚えています。
面接の時って、あまり間を置かずに
素早く答えなければならないですよね。
皆さんだったらどうお答えになりますか?

私はとっさに答えました。
「人間を 人間たらしめているものです」と。

我ながら、よくやったなと思います。
「人間を人間らしくしている、それが言葉だ」と
今でも私は思いますし
受験に際して、言語聴覚士を志したときから
言葉についていろいろ考えていたので
それでとっさに出てきたのかなと思いました。

直立二足歩行の「ヒト」

本題に入っていきますね。
どうして人間だけが言葉を話せるのか。
人間以外の動物も
コミュニケーションはとります。

イルカが海中で仲間と超音波でやり取りするとか
鳥が鳴き声やダンスで、求愛したりとか
犬がワオーンって遠吠えしたりとか。
そういう個体同士のやり取りということは
動物だって全くないとは言えないんですけれども
それは鳴き声であって言葉というものではない。

ではヒトだけどうして言葉を話せるのか。という
一番大きな要因の一つは、“2足歩行“というのは大きな要因のようです。
今日はこちらを深掘りしていきたいと思います。

では、どうして直立2足歩行になったのか
ということは、私もそんなに詳しくはわからないですが
おそらく他の霊長類や他の哺乳類に比べると
筋肉がものすごくあってパワーがあるとか
握力がすごい強いとか
視力聴力が優れているとか
毒を持っているとか
そういう特徴があるわけでもない。
結構、だから弱い存在なんですよね
人間=ホモサピエンスというのは。
犬の方が鼻もいいし
握力はゴリラとかチンパンジーの方が強いでしょうし
木の上にスルスルと登れる能力も持ち合わせていない。

その代わりに直立2足歩行を始めた、ご先祖がいて
あれこれあって
その末裔である我々が生き残ってるんだと思うんですけども。
2足歩行をするようになった理由は諸説ありますが
立って歩くようになったことで遠くまで見通せるようになったとか
前足だった部分を、地面から離し「手」として使えることになり
道具を作ったり使用したりすることができるようになったとか。
結果、それによって何が起きたか。というと

2足歩行と「ことば」


1つ目の影響は、口の空間が広くなったということです。
そして、喉仏の位置が下に下がった。
ということでお口と喉の位置関係というのが
お猿さんやチンパンジーとかその他の類人猿霊長類と
「ヒト」というのはずいぶん違った位置関係になっています。
特に発音に関しては
とても重要な位置関係になったというふうに言われています。
この大きく広がった口の中やノドの空間が
多様な共鳴を発音動作を助けることになり
様々な発音が、生み出せるようになりました。


2つ目の理由は、大きい脳みそを支えられるようになったことです。
前足も使って4足歩行で歩いているときには
あんまりにも脳が巨大化すると、頭からずっと前のめりで倒れてしまいますよね。
それが、しっかり足の裏側で地面を支えて
骨盤を立てた姿勢となり、その骨盤の上に上半身や頭が乗っかるっていう
絶妙なバランスで人間は立っているので
脳みそを巨大化するということに成功したと言われています。
脳みそが大きくなる。特に大脳の部分になりますね。
そうすると言葉にも大きく関わる
脳機能が発達や進化を遂げたということもあります。

2足歩行の功と罪

直立2足歩行になった弊害、いわゆるデメリットも実はあるんです。
人間が直立2足歩行することによって、負ってしまったもの。
これは、「腰痛」と「嚥下障害(飲み込みの障害)」だと言われています。

4足歩行の、犬とか猫とか猿とかキリンとか象とかは
多分、腰痛はないんだろうと言われてますよね。
腰痛はね、やっぱり人間だからこそ起きる現象だと言われています。
私は腰痛の専門家ではないので詳しくないですけどね。

そして、飲み込みの障害。
飲み込みにくくてムセたり、誤嚥性肺炎を起こすのって人間ならではなんですって。
他の動物は、滅多にむせないらしいです。
これはなぜかというと、お口から入った食べ物が
舌の上を通って喉の方に入っていくんですね。

皆さん、首の前の方を触っていただくとゴツゴツ、硬いものがある。
これが喉仏で、ここに声帯が入っており
この下には気管支そして肺と繋がっています。
喉のあたりから、例えば物を落としたときに
器官に入るのか食道に入るのかは、五分五分の位置関係になっていて
どっちに入るかは、一か八かという位置関係になってます。
ですが、食道の入口は、巾着袋の口みたいにギュッと締まってるんですよ。
括約筋で食道の入り口は、普段は閉まっています。

嚥下反射って一瞬のギャンブル


嚥下反射の「こっくん」この瞬間だけ息が止まって
食道が、ぱっと開いて食べ物を飲み下します。
この瞬間、0.3秒とか0.5秒とかで
パパッとあっちが開いてこっちが閉じてっていうような動きをして
人は食べ物を飲み込むことができているんですけど。
気管と食道の位置関係だけを見ると
どっちに入ってもおかしくない、ギャンブルのような状況なんです。

言葉が話せる、直立2足歩行の人間ならではの
ノドと口の位置関係だから怒る悲劇。
医療の進歩と共に、人間は長生きするようになったので
手足と同じように、ノドの筋力も老化により衰えやすく
嚥下障害をきたしやすくなったのです。

まだある「ヒト」はなぜ言葉を話せるのか

人間がなぜ言葉を話せるのか。
今回の内容をまとめると

1つ目の要因は“直立2足歩行になったこと“
口の空間が広くなり
大きい脳みそを支えられるようになった。

言葉が話せるようになった代わりに
苦手になったものっていうのも同時に持っているんですけどね。

また次回をお楽しみに!
ありがとうございました。

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