先生に怒られた!伝えかたの“ユニバーサルデザイン“どーでしょ?
今回は「学校の先生に怒られた」という
とある保護者さんから受けた相談から、考えてみたことです。
これは、放課後等デイサービスに勤務しているときに聞いた話ですが
その子は特別支援学級に在籍しているお子さんで
体が小さく、身体の成長も知的機能や言葉に関しても
発達がゆっくりな傾向のあるお子さんでした。
相談内容はこうです。
学校の先生がお話をしたんだけれども
「指示に従えなかった」「ちゃんと話を聞くよう指導してください」
と親御さんに、先生から指摘されたということでした。
でもそれって、本当にお子さんのせいなのか?
先生の伝え方も見直してみませんか?!と問題提起したいのです。
それって本当にお子さんのせいですか?
状況としては昼休み後
5時間目体育をやって下校の予定。
そういうスケジュールだったようなんですが
給食が終わって昼休みに入る寸前に
先生が「机の中の教科書はランドセルにしまっておいて」
と運動着以外の荷物は片付けるよう指示したそうです。
いざ、体育が終わって下校する時に
何も片付いていなかった。
それで「先生に怒られた」ということだったそうです。
その対応として「先生のお話はちゃんと聞きましょうね」
とお子さんに指導する。というだけで良いのか?
と、思ってしまったんです。
それは、お子さんのせいだけに
して欲しくないなというのが、私の意見です。
そのお子さんは低学年でしたし
集中力の持続が難しい特性がありました。
学習の時に15分前後座っていられる場合も
時折あって、まだまだ成長途中。
注意をあちこちに分配することも苦手である。
それを踏まえると
⚫︎周囲が騒がしい昼休み入ったタイミングは適しているのか
⚫︎生徒に注意を惹きつけるシチュエーションではなかった
⚫︎長文で口頭指示のみ。それは特別支援か?
という疑問が浮かんできます。
このように考えると、私は
お子さんの反応は「そりゃ当然」と理解できるんです。
大人がするべき工夫を考える
①伝えるときのシチュエーション
まず、場面とタイミングについて考えます。
これには注意機能が大きく関係していて
話し手に注意が向いていなければ
どんなに声の大きさや、話す速度や内容がよくても
聞き手に情報は届きません。
私ならば、昼休みに入る前の時間帯
給食を片付けて「ごちそうさま」のタイミング
みんなが席を立ってざわつく前に
先生(話し手)に注目させ
「◯◯してから昼休みに入りましょう」
と伝えます。
②伝える方法 ひと工夫
その上で、もちろん伝えかたの工夫が必要です。
支援級のお子さんなので
⚫︎視覚優位(文字や絵を見た方が理解できる)
⚫︎聴覚優位(言葉を聞いて理解するほうが得意)
⚫︎その場の1個1個の指示は理解できるが、いくつも指示を頭に留めておくことが難しい(系列指示の苦手さ、ワーキングメモリーとの関連)
様々な特性のお子さんもいらっしゃると思うので
どのお子さんにも理解しやすいよう
伝えかたの“ユニバーサルデザイン“
を考えることは
まさしく「特別支援」ではないでしょうか。
具体的には、口頭指示だけでなく
給食
↓
体操着を出す
↓
教科書をランドセルにしまう
↓
昼休み
↓
体育
と箇条書きで簡潔に黒板に書いておき
見返せるようにしておくのはいかがでしょうか。
伝えかたの“ユニバーサルデザイン“大人の世界でも
例えばプレゼンテーション
分かりやすいスライドと、非常に見づらいスライド
皆さんも見たことがありますよね。
ダーッと長い文章を、細かい文字で並べ立てたところで
「読んでおけばいいじゃん」っていう話で
スライドに文字を並び立てるって
プレゼンテーションめちゃくちゃ下手っぴですよね。
ポイントを絞ってスライドに載せ
フローチャートでまとめたりして
載せきらない情報は口頭で補う。
伝え方の“ユニバーサルデザイン“
いろんな人がわかりやすいような工夫が必要。
様々な持ち味の人々がいることを知ることも必要。
伝え方にも技術があるし、練習が必要だなと思います。
この中にその心理学の知識とか、様々取り入れながら
教えるのが上手な人
プレゼンが上手な人
営業成績がいい人
っていうのは
様々な技術を取り入れているんだと思うんです。
ですが、伝えかたが上手な人は
そのテクニックって、大っぴらにしないんですよね。
お子さんの対応を考える場合には
特に個別性が高い「伝え方」というのが
必要になってきますし
だんだんお子さんは成長していくので
ひと工夫、いわゆる“合理的配慮“というものが重要
ということを、改めて考えさせられました。
私も、色んなことを今後
学び取っていかなければいけないな
というふうに思います。
また次回お会いしましょう。ありがとうございました。